マガジンのカバー画像

現代詩の世界2022-8

29
暑い夏のすずやかな世界を。
運営しているクリエイター

記事一覧

2023/1/27  『ベースボール』

ただそれを求めて 彷徨いゆくひとよ 芥子粒のごまめのタラコのたらちねの ほんわかと噛みつい…

2023/1/18 『火星』

ほらごらん、あれが木星の記憶 ピタゴラスの思い出とひじきのご飯 海峡をはさんで軍隊が叫んで…

2023/1/17 『 冬 』

ひどく明るい陽射しなのだ 何度も恒星が爆発した後の さしたる脅威もなく ひからびた魚が浜辺…

典子伝—『典子ゲッセマネ』―2023/1/7

一世一代の大芝居を今夜はやらなければならない。逃げる事もできるのだが、彼女は逃げなかった…

典子伝—『典子幻滅』―2023/1/5―

彼はついに道ではなかった。私は救いの瞬間をこの体に得ようとして彼の言葉を待った。しかし彼…

典子伝—『典子奇跡』―2022/12/23―

「はらの内にケシほどもはづかしみがなければ  なんと此の上もない、楽しみではござるまいか…

2022/12/18 『セバスチアヌス』

あなた方はそれほど高貴な方と闘っていたのです 神の名が呼ばれて 球体の鏡は厳かな話題となった サンテリオンの鐘が鳴っている 星島さんの机も輝き出している 書物の鍵をかけておきなさい わたしはすでに復活しているのだから 汚れなき汚水と言うものを思考しなさい 琵琶湖の湖水にオオハクチョウが飛来するころ あなた方は旅に出るのです よくよくわたしの話を聞きなさい キヨミテシオン、彼の首をわたしに捧げなさい オオゴンの祭壇に捧げなさい 駱駝たちが遠く去り行く夜の闇 ナルクスの小さな光、

2022/12/15 『信仰』

裸の體中に鉛筆を突き刺して、ぶらさげて 業火、身を焼く 凍河、民衆は苦しむ 植物は育たない …

典子伝ー『典子裏切り』ー2022/12/11

「仏界入り易く、魔界入り難し。」ああ一つの命がその事を知ったなら、もう仏界へ入ろうするよ…

2022/12/10 『アイス・キャット』

札幌の雪祭りの会場に アイス・キャットが登場する ところでアイス・キャットとは何もの? 氷…

2022/12/9 『典子』

典子、神の座より転落し 黄塵にまみれ砂を噛む 美しかりし髪も乱れ傷つく 六波羅の木々、鉄線…

1980/9/21 『レーメンの考察』

ふなを釣りにみどりが沼へ歩く 木の上で子供はなめらかに歌う 「よんひゃくえんのレーメンが」…

典子伝 —『典子昇天』— 2022/12/7

「死んだんですか」タオルで汗を拭きながら男がのぞき 込んだ。三日前にそこの岩風呂で会った…

2022/12/6 『水面下の会話』

水面下のひかりが それは落下していく、ようす で、それがぼくらにとっては 多面体である、水面と、その周辺では よく考える時、いつもそうなんですが この聖書の厚さを、静かにしているわけですね それは絶対的に、小面(こおもて)の裏から支えられている つるされたものとして、見えて来るわけです さきほどまで、言葉はくぐもる その不安定感のさらに奥の方では じつに理解しがたいものとして いや、これは何かを表現しようとして そのように言うのではないのですが やはり、こだわっている、砂の方