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#55「アーセナルvsリーズ<マッチレビュー>PL第24節」

こんちゃ!どうもいったーです。
今回は「アーセナルvsリーズ<マッチレビュー>PL第24節」を書いていきたいと思います。

いやぁ遂に来ましたね。けちゃどば。苦しむオーバにオーバらしいゴールが3つとハットトリックを達成してくれました。試合終盤にオーバがふくらはぎを抑えながら倒れた時にはどうしようかと思いましたが、何とか走れるみたいでよかったです。打撲で済みますように…

それでは本題に入っていきます!!!

チーム紹介

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ホームチーム:アーセナル
監督:ミケル・アルテタ
フォーメーション:4-2-3-1
ØdegaardがOMFで初先発

アウェイチーム:リーズ・ユナイテッド
監督:マルセロ・ビエルサ
フォーメーション:4-3-3/4-1-4-1

プロローグ

アーセナルは2連敗中と年末年始に始まった好調ぶりが一旦ストップした形というか、FAの不安定なレフリングで止められた形ですが、EL/CL権を獲得するための欧州戦線に残るためには勝利がマストな1戦でした。今冬加入の神童・Ødegaardが初先発し、2列目はスミス=ロウ(20)、オーデゴー(22)、サカ(19)と若き才能が共演します。CF起用されたオーバメヤンもどこまで絡めるか見物です。

一方リーズは、ここ4試合3勝1敗と好調ぶりを伺えますが、主力級の選手にけが人が続出しており、台所事情が大変なことになっています。特に、戦術の肝になりボールハントとロングパスを自在に操る“ヨークシャーのピルロ”ことDMFカルヴァン・フィリップスの欠場がビッグクラブの対戦でクオリティの点でどのように影響があるか注目です。

前半<アーセナル>

〇理想的でデザインされた先制点
〇マンマークの剥がし方はドリブルで前進
〇みんな大好き3点目

〇理想的でデザインされた先制点

アーセナルは、リーズのマンマークに対して真っ向勝負のマンマークで対抗して各所でデュエルを挑みました。1on1になった際には、個のクオリティがものをいいます。

アーセナルの選手たちの足元のスキル、剥がし方、ドリブルは水準が高く、少ないタッチでボールを運べます。加えて、移動しながらのボールタッチでも高い水準を担保できるので、流動的に動き続けるところで、マークの綻びを突きました。

<理想的な先制13分>

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CMFジャカを飛ばして、縦パスが入るタイミングで、今日はLSHに入ったスミス=ロウRSBシャクルトンを釣り出しながら、外側からインサイドに侵入してきてボールを受けました。その動きに呼応するように、CFオーバメヤンが得意のLWGの位置に移動します。縦パスが入ると、LSHスミス=ロウ→CMFジャカにワンタッチで繋がり、大外のLWGオーバメヤンにわたりました。彼の得意な角度から、またぎフェイントを仕掛け、ニアサイドに蹴り込みました。前半早い時間帯で、待望のゴールが役者CFオーバメヤンに生まれました。

〇マンマークの剥がし方はドリブルで前進

双方マンマークで、各自相手を決めたかのように、様々なシーンでバトルがありました。
裏を返せば、1枚剥がせば、スペースが空き、すべてのマークがズレることになります。そうすることで、時間と空間が生み出されました。

<21分>RSBベジェリンのドライブ

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自陣低い位置から、RSBベジェリンが自身のスピードを活かしたドライブを披露してくれました。個人のゾーンの切れ目を狙ったコースでドライブしたために、つかまりにくく、局面を進めることが出来ました。

<23分>CMFセバージョスの華麗な判断

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CMFセバージョスが良く披露してくれるボールスキルとフットボールIQの高さがこの状況で発揮されました。GKレノに対してCFバンフォードがワンサイドカットをしながら、アプローチをした際に、合わせてCMFクリヒ、ダラスが前に圧力をかけてきました。CMFはその2人の“門”で受けました。恐らくトラップしたら、囲まれてボールロストし、大ピンチに陥りそうでしたが、ボールを受けるふりをして、上体フェイントでボールに触れずに、2枚を剥がすことが出来ました。

<28分>CBダビ・ルイスのドライブ

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攻撃大好きのCBダビ・ルイスの状況判断の良さが光ったシーンです。
RSBベジェリンがオーバーラップでLWGハリソンを引き付け、RSHサカがLSBアリオスキをピン留めしていました。双方の2枚のCMFも逆サイドに寄っていたために、アーセナルの右サイドに広大なスペースが広がっていました。そこに躊躇せずに、ボールを運び、身体の強さを活かしながら、ゴリゴリに侵入していきました。リスクを伴いますが、マンマーク相手には有効的なプレーだったので、経験がものをいうプレーだったと思います。

ドリブル、ドライブが有効だということはおそらく選手も把握していたでしょうが、ドリブルを発動するタイミングが難しそうでした。そこでカット、またはスローダウンされれば、一気にボールを囲い込まれる可能性があります。そのため、ドリブルで局面を動かすプレーは勇敢なプレーでした。

〇みんな大好き3点目

<ボックス侵入前のコンビネーション>

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これまではRSHサカ&OMFスミス=ロウのコンビネーションから崩すことが多くありましたが、この試合ではOMFにオーデゴーが入り、CMFによりクリエイティビティ能力が高いセバージョスが起用されました。RSHサカを中心に流動的にパス&ラッシュを体現しており、CMFセバージョスが精力的に走り回り、かなり高い位置でプレーできていたのでかつての“アーセナルらしさ”を少し感じ取ることが出来ました。

<トドメの1発RSBベジェリン>

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CMFセバージョスの変態的な股抜きパスはため息が出ました。右サイドにいたOMFオーデゴーにパスを出すと目線でフェイク入れながら、目の前の足を出したCMFクリヒの股を通したのはさすがの一言でした。
パスを受けたRSBベジェリンも、マークのLSBアリオスキに対してボールを一度止める素振りをしたために、LSBアリオスキを足止めし、自らがシュートを打つスペースを生み出しました。思いっきりのよいGKのニアを強襲する力強いシュートをぶち込みました。

前半<リーズ>

〇ボックス内での迫力
〇ハイインテンシティの連続

〇ボックス内での迫力

リーズはプレーの連続性と試行回数を増やすことで、得点機会を増やそうと試みました。

GKメリエから丁寧にビルドアップを開始させ、CBエーリングのキックは効果的でした。アーセナルを自陣に引き込みながら、WGやSBにロブボールを蹴り、比較的広いスペースが生み出された中盤で手数を掛けずにボールを運ぶ回数が多かった気がします。

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このプレーではRWGハフィーニャCMFダラス、RSBシャクルトンが連続して関わりながら、ボールを進めました。サポートの回数や速さはPLのそこらのチームと質が違い、チームとしての練度の高さを見せました。
また、ボックス付近までボールを進めた際には、必ず、ニア、ファー、PKスポット付近とバランスよく複数人がPA内に侵入することで、シュートチャンスを増やそうという姿勢が見れました。

〇ハイインテンシティの連続

リーズ特有のインテンシティの高さは、攻→守のネガティブトランジションの際に見ることが出来ました。
<20分><38分>のプレーが象徴的であったと思います。
CMFダラスとLSBアリオスキ、LWGハリソン、CMFクリヒが一気に囲い込むシーンや複数人の選手がボール奪取の同じベクトルを向けていることが、リーズの生命線であり、その速さは川の中に肉が落ちた時の“ピラニア”のそれでした。

後半<アーセナル>

〇ESR→オーバメヤンあれはパスなのか?
〇サカのプレーの連続性
〇4点リードからの試合の進め方

〇ESR→オーバメヤンあれはパスなのか?

このアシストの前に、RSHサカ、LSHスミス=ロウ、LSBセドリックのボールロスト後のリアクションは素晴らしいものがありました。リーズにお付き合いするように高いインテンシティを保ちながらボールにアタックしているプレーは今後も継続して欲しいポイントでした。

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そのボール奪取後に、LSHスミス=ロウがドリブルでそのままゴールに向かいながら仕掛けました。一般的にこの角度は右利きの選手が得意にする角度で、カーブを掛けながらファーサイドに流し込むようなプレーを選択します。しかしながら、ファーサイドにコントロールカーブシュートを打つフォームと同じように、ファーサイドに走り込んでいたCFオーバメヤンに合わせました。
ファーサイドに打ったシュートミスなのか、パスなのかは本人しか知ることはできませんが、彼のクオリティならファーサイドにパスをしたと信じたくなります。

〇サカのプレーの連続性

昨年からRSHサカが起用され、PLでもプレーテンポに慣れ、チームにとって欠かせない存在になりつつあります。それは以下のような3つのプレーが影響しているのではないのかと考えます。

<54分>
LSBにスイッチしたダラスに手を掴まれながらも、ハンドオフしながら、簡単に取れるようなことはせずに、力強くドリブルするシーンでした。どっかの赤い18番やら11番とは違いますね。こけません。ちょっとしたプレーかもしれませんが、堪えながら前進するプレーはチームに好影響を与えます。
<73分>
得意ではないハイボールに対してのリアクションも注目ポイントでした。プレーが切り替わった直後ということで一息つきたい場面ではありますがこの連続性が彼の良さでもあります。
<86分>
パス&ムーブで動き出した後に、自分ではないところでボールロストしても、次のリアクションが早く切り替えが早いです。チームに対しての献身性と勤勉さも彼の神の子たるゆえんです。

〇4点リードからの試合の進め方

一般的には2点リードが最も危ないスコアということがおおいですが、アーセナルにとっては4点差も安全圏ではありません。過去の苦い思い出が蘇ります。(2010/11 vs Newcastle 4-4)

結果的には2失点に抑えましたが、1歩間違えれば同点までありうる展開だったために、今後試合の終わらせ方も考えてもらいたいです。CMFエルネニーを早めに投入して中盤の強度を高める、ウィリアンではなく、攻守で走れるマルティネリを投入する等色々あるとは思いますが、

<58分CKから失点>
これは相手が上手かったと言って片づけることもできます。しかし、アーセナルが採用しているゾーン&マンマークの欠陥をうまくつかれた形でした。セットプレーの専門的な守備に関してはあまり知識がないため、言及はできませんが、改善の余地はあるのでは?と感じます。以前もこの欠陥を突かれた失点もありましたし。

<71分>

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前から嵌めに行ったアーセナルは、後半からDFラインと最前線が間延びしている状態が何度かありました。顕著だったのがこのシーンです。
何度もあったCBエーリングからのロングフィードがきっかけでした。CFバンフォードが裏に抜け出すような動きが前半から何度もありました。そのため今季あのCFバンフォードが中盤に移る動きについていけずに、DFラインがかなり下がってしまい、中盤にポッカリスペースが空いてしまいました。今回は、シュートまで運ばれることはありませんでしたが、DFラインコントロールには意思疎通をしながら、正しい対応を求めたいです。

後半<リーズ>

〇CBエーリング&GKメリエからのロングキック
〇異質の存在ハフィーニャから2点目
〇様々なポジションスイッチ


〇CBエーリング&GKメリエからのロングキック

マンマークを採用し、前線からプレスをかける両者では、ロングフィードで距離を変える局面が幾度となくみられました。セオリーの対角線ではなく、RCBエーリングから右に流れるCFバンフォードに向かってのボールが多かったです。また、GKメリエはLSBアリオスキに蹴り、CMFが呼応しセカンドボールを狙いにいくというプレーを徹底しており、練度を感じさせました。

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アーセナルCBガブリエル・マガリャンイスは、本来の獅子奮迅の活躍を見せました。よく言えば1人で相手を封じ込めるあのプレーです。また、右に流れるCFバンフォードに対するカバーも早く対応し、決定的なチャンスに繋げませんでした。

〇異質の存在ハフィーニャから2点目

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GKメリエ、CFバンフォード以外は全ポジションの役割をこなさせるように仕込んでいるように思えるマルセロ・ビエルサ監督率いるリーズでしたが、ハフィーニャは異彩を放っていました。ドリブルの間合いやタッチの向き、ボールを持てばブラジル人らしいリズミカルなステップでアーセナルを翻弄しました。2点目のCMFロバーツに出したパスも、自らフラフラと現れた中間ポジションから、自らパスの角度を創り出しました。CMFロバーツがRSBベジェリンの裏を取っているランニングを見逃さずに、スルーパスを通し、個のパスで勝負ありだったように思えます。

〇様々なポジションスイッチ

<後半スタート>

後半0分 ハリソン→H・コスタ/クリヒ→ロバーツ

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<53分>
LSBアリオスキ→RSBハギンズ
CMFダラス→LSBダラス
RSBシャクルトン→CMFシャクルトン

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ビエルサ監督は選手にポリバレント性を求め、試合中に何度もシステムを変更します。しかしながらやることは変わらずです。チャレンジした結果ミスしても起こりませんが、チャレンジできたのにしなかった際には鬼の形相で怒りを表現し、要求します。

試合結果

アーセナルvsリーズ<4-2>
得点者:オーバメヤン(ARS)’13,’41(Pen)’47,ベジェリン(ARS)’45
ストライク(LEE)’58,E・コスタ(LEE)‘69

ハイライト

エピローグ

アーセナルは連敗を2でストップさせましたが、4発決めた後に2失点したため会心の勝利とはいきませんでした。新たな課題として試合の締め方が発見されたことも収穫としてポジティブにいきましょう。もちろん最大の収穫はCFオーバメヤンの復活です。CF起用では存在感が薄くなり、取れませんでしたが、このゲームでは違いました。リーズがマンマークを採用したために、ある程度スペースが生まれ自由に動くことが出来ました。LSHスミス=ロウとの親和性も高くポジションチェンジを繰り替えることでスペースを生み出しました。CFラカゼット、CBホールディング、RWGペペを休ませられたことも収穫です。

リーズは前半で3失点。トータル4失点と守備が持ち堪えられませんでしたが、失点後にも諦めずに攻勢に出たのは好感を持てました。ボールよりも人にポジションを決定する軸を設定するなど大変興味深いプレーがありました。ビエルサ監督の細かい決まり事を忠実に体現する姿勢も素晴らしかったです。怪我人が早く復帰し、残留を決め、来年もPLで見たいです。

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ミッドウィークにはEL Round of 32 vsベンフィカとの1戦があります。PLでのCL権獲得は不透明であるために、EL優勝→CL出場ルートを確保するために、必勝です。

それではこのへんで、、、

ばいころまる~

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