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カタールW杯をガチ予想してみた【E組:日本以外】

もうすぐ、4年に1度のお祭りWord Cup2022カタール大会が開幕します。
各国の威信と誇りをかけた熱い1ヶ月になることは間違いありません。
社会人になって初めて迎えるWorld Cupであってもこれまで通りの熱量で追うつもりです。

かれこれ海外サッカーを10数年追いかけ、欧州以外のサッカーも幅広く追っている筆者のガチ予想含めた、私情込み込みのガイドブックです。

それでは、彼らたちの代表“サムライブルー”が振り分けられた【Group E】をどうぞ。

【下馬評】

日本は前回投稿したので、客観的な展開を書いていきます。
やはり勝ち抜け候補はスペイン、ドイツの列強2カ国です。
ドイツは、前回大会WCの呪いにかかり、まさかの史上初GS敗退に終わりました。同じ失敗をあのドイツがするはずがありません。完膚なきまでに叩きのめしにくるでしょう。バイエルン勢が中心になって元バイエルン監督のハンジフリックが率います。永遠の課題本格派9番CFヒュルクルクが秘密兵器として召集されました。どうなるでしょうか。スペインはまるでクラブチームのような緻密さと再現性を併せ持ちます。こちらは敢えてCFはモラタのみの召集で、どの選手が出てもどこからでも点が取れるチームを目指しています。また、敵陣に押し込む無限プレス編も楽しみです。加えて最終ラインのボールスキルとパスコースの確保も世界最高峰で、日本のハイプレスが通用するのか気になります。
最後に、コスタリカ。彼らには、絶対的な守護神とあのベスト8進出した夢物語を知る歴戦の戦士たちを中心にゴールに鍵をかけます。攻撃陣は2022年に入り、新戦力を大幅に発掘することに成功しました。よく言えば怖いもの知らず、悪く言えば勢い任せ、そんな20歳前後の躍動がGS突破の鍵を握りそうです。列強相手にいくら攻め込まれても我慢し続け、1つのチャンスを物にするというプランで臨むはずで、ボクシングでいうところの、まさに判定勝ちを狙います

スペイン🇪🇸(欧州予選B組1位)

●12大会連続16回目
●FIFAランキング:7位
●前回成績:ベスト16(最高成績:優勝 ‘10)
●予想フォーメーション:4-3-3

クラブでの成績は重視されず、いかに指揮官の指示を忠実に守れるか。メンバーを固定し、個よりも組織を重んじることで、まるでクラブチームのような緻密な連携を実現させたそんな代表は国内でルイス・エンリケFCと呼ばれます。それには賞賛ではなく皮肉がたっぷりと込められています。

しかしながら、そのチームとしての完成度も間違いないものがあります。基本的には相手陣地でフットボールをすることを信条としており、短い細かなパスを繰り返し、相手の綻びを狙うのは伝統芸能の域に達しています。ボールを失った瞬間から猟犬のようにボールに襲い掛かります。誰が出ても同じクオリティが担保されており、安定的な戦いを見せていますが、裏を返せば予定調和ということでもあり、天井が見えている証拠です。

特に4-3-3で正三角形の何度でも連続で組み直し、パスコースの確保とボールロスト後の即時奪回を狙います。そのため、インサイドハーフは2人目のサポート役として、ピッチの各所に顔を出す必要があり豊富な運動量を求められます。それに加え、身体的に高負荷な環境でも攻撃に転じた際には、狭い地域での正確なプレーが求められます。そのため突出した特殊能力を持つような選手は、弾かれ、ふるいにかけられた要求に応えられる選手が残ったということです。

そして最終的にはCFの選出はCFアルバロ・モラタのみで、一度は封印しかけたファルソ・ヌエベも視野に入れています。その時のCFはアンス・ファティが濃厚で、あの突如彗星の如く現れたデビューシーズンほどのインパクトは膝の怪我の影響で潜めていますが、フィニッシュの精度は高く、フィニッシュに持っていくまでのクオリティは相変わらずでとても20歳とは思えません。

‘10南アフリカ大会を制した時には+αの選手として、CFジョレンテ、RWGへスス・ナバスらがベンチからゲームチェンジャーとして控えていましたが、今回は同質の選手ばかりです。行き詰まった展開のルイス・エンリケ監督の手腕にも注目です。

【攻撃のキーマン】

◆アルバロ・モラタ(CF)

●1992/10/23 189cm/85kg
●57試合/27得点
●所属:アトレティコ・マドリード🇪🇸

La Fabrica産(レアル・マドリードアカデミー)の流浪のストライカーは、とうとうアトレティコ・マドリードに辿り着いてしまいました。MFに才能が集中するスペインでは珍しい9番タイプのストライカーです。189cmと大柄な体格を生かしたポストプレー、特に狭いスペースでのワンタッチのはたきは一級品で、この代表で生きていくために必要なプレス能力も兼ね備えています。長年、代表のCFに君臨していた気がしましたが、嬉しい今大会が初のWCです。CFディエゴ・コスタが欧州の舞台から退いたため巡ってきた感もあり、自ら掴み取ったかは謎です。そう思わせてしまうのは、簡単なシュートチャンスを外し続けてしまうからです。大雑把なクロスは選択肢にないため、日本やコスタリカは大外を捨てて中に閉じ籠る可能性もあります。そのような場合はマイナスクロスやボックス内のワンタッチシュートの機会が増えることになります。しっかりと簡単なシュートを決め切り大会終盤のクライマックスに向け波に乗れるかが、大事になりそうです。何本も外してもお膳立てしてくれるだけのチャンスメーカーのクオリティは十分です。本当にあとはゴールにパスをできるか、それにかかっています。

【守備のキーマン】

◆パウ・トーレス(CB)

●1997/01/16 192cm/80kg
●21試合/1得点
●所属:ビジャレアル🇪🇸

現代サッカーで重宝される左利きCBとしてクラブシーンでは非常に人気銘柄として、毎夏の移籍市場を賑わせます。特に昨シーズンはEL制覇したことからステップアップのタイミングかと思われましたが、愛するイエローサブマリンに残留しました。代表では同じく左利きのCBラポルテとコンビを結成することが多く、左利きが2枚並ぶという奇妙な組み合わせです。GKから丁寧にボールを動かしながら、攻撃を組み立てるため、CBには足元の技術が求められ、加えて距離を変えるロングキックの質も求められます。それらのスキルを完備した上で、選択肢として局面が行き詰まった時にはキャリーもでき、1人でも前進する事が可能です。恐らくDMFブスケツにマンツーマンで消されることが予想されますが、CBラポルテ、パウ・トーレスのボールスキルがあれば問題なくビルドアップが成り立つことでしょう。小さな街ビジャレアルの星ですが、活躍次第では来夏と言わず、今冬の移籍もなくはなさそうです。

ドイツ🇩🇪(欧州予選J組1位)

●18大会連続20回目
●FIFAランキング:11位
●前回成績:GS敗退(最高成績:優勝 ‘54、‘74、‘90、‘14)
●予想フォーメーション:4-2-3-1

前回大会は失意のGS敗退は80年ぶり(ほぼ初めて)の屈辱で、スケープゴートにされた移民系のエジルは代表引退に追い込まれ社会現象にまで発展しました。コーチ時代を含めると15年以上代表に携わったレーヴは‘20EUROで勇退し、ハンジ・フリックを新監督に据えました。フリック就任後は13試合に渡り無敗を貫き、強国復活を印象付けました。と思った矢先。9月の代表ウィークでは、ハンガリーに敗北、イングランドに3-3と、ゲームをコントロールしきれませんでした。

最終ラインはGKノイアー、CBリュディガー、ズーレと軸は定まっており、毎度お馴染みのバイエルン勢を主軸にしているのは変わりません。中盤の構成は5人ともバイエルン所属選手で固められそうで、しかも彼がバイエルン時代に指導していた教え子ばかりです。長年の悩みでもある絶対的なCFの不在は今大会でも解決できず、泣きっ面に蜂なのがCFティモ・ヴェルナー、CFヌメチャが負傷離脱して、いよいよ本職がCFである選手すら揃わない可能性が出てきました。恐らく代役CFはハヴァーツ、ニャブリあたりでしょうか。ハヴァーツはチェルシーでインパクトを残せておらず、彼を主軸に据えるのは大きな決断が必要です。このような絶対的なCF不足に拍車がかかっているため、2列目の選手の得点力はマストです。WC4回目OMFミュラー、LWGレオイ・サネ、OMFムシアラ、RWGニャブリと心配しなくても点が取れる選手は揃っているので杞憂に終わるはずです。“なんだかんだ最後に勝つのがドイツ”というのが世界共通認識で、前評判はそこまで高くありませんが全力で最後まで戦う姿勢は各国からすると嫌でたまらないでしょう。

【攻撃のキーマン】

◆セルジュ・ニャブリ(WG)

●1995/07/14 175cm/75kg
●36試合/20得点
●所属:バイエルン・ミュンヘン🇩🇪

ついに初めてのWCを迎えます。17歳でアーセナルトップデビューを果たしたあの頃を思い出すと考えられないくらい化けました。キャリアの転機となったのはリオデジャネイロ五輪の得点王獲得でしょうか。イングランドを離れドイツに帰国してからブレーメンで活躍し、王者バイエルンでもウィングストライカーとしての地位を高めました。

右も左も今ではCFも兼任できるようになり選手としての幅を広げ、絶対的なCF不在のドイツを得点力でも助けられます。変幻自在なスピードを活かしながら、鋭い切り返しやターンを駆使しながらドリブル突破もお手のもの。そしてシュートとパスの状況判断も素晴らしく、その時の最善のプレーを選択できることも重宝される理由の1つです。

2列目または最前線でスタートから起用されても、途中出場でゲームチェンジャーの役割を任されてもPA付近での彼は危険すぎます。特に某CBさんは無闇に足を出さないことをおすすめします。

アーセナルとの契約延長を断った時には悲しみを覚えましたが、今の活躍は嬉しい限りです。アーセナルは最近遠のいていますが、CLでトッテナムやチェルシーと試合して時には点を取るたびに“North London Is Red”のツイートを欠かさず行い、そしてかつてプレーした選手のベスト11ではたくさんのアーセナルの選手をあのバイエルンの選手を指し置いて選んでくれました。VS日本の時だけ静かにしてもらって、他の試合で大暴れを期待します。

【守備のキーマン】

◆ヨシュア・キミッヒ(CMF)

●1995/02/07 176cm/70kg
●70試合/5得点
●所属:バイエルン・ミュンヘン🇩🇪

代表に招集され始めた頃は、NEXTラームと言われるも、今ではドイツに“キミッヒ”あり。と自らの手で居場所を作りました。これまではRSBを任されることも多かったですが、本職のDMFに落ち着き、強豪ドイツの攻守で中心を担います。俗に言うフットボールIQが非常に高く、攻守に渡り絶妙なポジショニングで常に正しいポジションに立つことができます。最終ラインからのビルドアップを前線に送り届けるリンクマンとして淀みなく運ぶことができるのも魅力です。そういったフットボールIQの高さと視野の広さを兼ね備えており試合の“つぼ”を抑えられます。中盤の構成が恐らくほぼバイエルンになることが予想されるため、2列目の選手とは阿吽の呼吸で動きを捉えることができるでしょう。特に現代表のトップスコアラーOMFトーマス・ミュラーが自由に動き回り開けたスペースに自分が飛び込む、または別の飛び込んだ選手を使うといった攻撃面でも期待されております。バイエルンで培った飽くなき勝利への渇望で、妥協しない熱い姿勢も見逃せません。

コスタリカ🇨🇷(北中米予選4位)

●3大会連続6回目
●FIFAランキング:31位
●前回成績:GS敗退(最高成績:ベスト8)
●予想フォーメーション:4-4-2/5-3-2

みなさんは‘14ブラジル大会のコスタリカの大躍進の再現を目の当たりすることになるかもしれません。あの時はイタリア、イングランド、ウルグアイと3カ国全てが優勝経験国でした。今回はスペイン、ドイツは世界の強豪、日本はアジアの盟主(小声)でGS突破には少なくともどこかから3ポイント、そしてもう1ゲームで勝ち点を持ち帰る必要があります。

もちろん互いに考えていることは一緒です。日本もコスタリカからの3ポイントを考えていますし、コスタリカも同様です。そんな2試合目のゲームが運命の分かれ道でしょう。

1試合目と3試合目はいつも通りでいいのです。世界最高のGK呼び声高い、GKケイラー・ナバスに全てを託して祈るのです。4-4ー2を選択するはずで4-4の2ラインのコンパクトネスが鍵になり、前線2枚はコースを限定しつつ、相手ボランチを捕まえることになるはずです。5レーンの概念がまかり通るこの世界で最先端を走るであろうスペイン、ドイツの攻撃を横幅を4枚でカバーするのはなかなか難しいはずですが、ボックス幅を4枚で守りながら、大外のレーンはボールが出たら対応するくらい割り切ってくると非常に厄介です。割り切って守り続けるのはGKナバスの存在もありますが、同国の近年の悩みであったストライカーの出現です。CFコントレラスが出現したことで、ラフすぎるボールでもなんとかマイボールにしてくれ、CFキャンベルは不得意なプレーから解放され、大好きなドリブルやパスの最後の仕上げに専念できるようになりました。初戦のvsスペインでなんとか勝ち点を持ち帰ることができれば自ずと道は開けるはずです。

【攻撃のキーマン】

◆ジョエル・キャンベル(CF)

●1992/06/26 186cm/79kg
●118試合/25得点
●所属:レオン🇲🇽

就労ビザの関係でなかなかトップチームに所属することができず、ローンでフランス、スペイン、イタリア、ギリシャと1つのクラブで長い期間プレーさせてあげられなかったのが、残念でありません。15-16シーズンは非常に印象的な活躍でアーセナルを救ってくれたと覚えています。特にCLアウェイvsオリンピアコスでCFジルーがハットトリックをして3-0奇跡のベスト16進出したゲームも彼の活躍がありました。右サイドにカットインするパターンも持っていますが、順足の右サイドに配置した場合でも縦への突破、2トップとのコンビネーションでボックスに侵入することもできます。独特なリズムでステップを踏み、柔らかな細かなタッチで運ぶ姿は一見の価値ありです。新たな相棒CFコントレラスがボールを収め、その周辺で衛生的に補佐するフリーマンとして振る舞うことが求められ、得意のファイナルサードでの仕事に専念できそうです。手数をかけずにサイドを突破し、クロスに対してCFコントレラスが潰れてファーで待っているCFキャンベルのところに合わせる形が理想です。セットプレーキッカーも任されるため、彼の左足がコスタリカ躍進の鍵を握ります。

【守備のキーマン】

◆ケイラー・ナバス(GK)

●1986/12/15 185cm/78kg
●107試合/0得点
●所属:PSG🇫🇷

レアル・マドリード時代に達成した前人未到のCL3連覇の影の立役者でもあるGKケイラー・ナバスです。しかしながら政治的な働きかけがあったのかGKクルトワを正GKに獲得した頃から雲行きが怪しくなり、最後は再登板したジダンに引導を渡されました。それでもシュートストップに関しては世界最高レベルにあるため、GKに悩んでいたPSGに移籍しました。しかしPSGでもあとから‘20EUROを制したGKドンナルンマを獲得されました。初年度はカップ戦とリーグ戦で完全分業になり、今季からはついに定位置がベンチになっていました。

とは言え、代表ではもちろん不動の守護神です。このチームでは苦手な足元のスキル、フィード能力を求められず、シュートストップに専念できます。ボックスを飛び出したプレーはあまり得意ではないですが、そもそもコスタリカ自体がライン設定低めなのでゴールエリアに留まることが多くなりそうです。今大会も引き続き雨あられのようにシュートが飛んできてブラック企業びっくりのワンオペになる可能性も十分あります。しかし、GKケイラー・ナバスがゴールマウスに立っているだけで、相手ストライカーを威圧でき、入るシュートが入らなかったり、残り数センチで外れるという現象が起こりうるため、味方守備陣からしたら攻められているけど精神的には安定している気分になるでしょう。最後の砦という言葉がこんなにふさわしい選手はなかなかいません。恐らく最後のWCとなるためその勇姿をしっかり目に焼き付けたいと思います。

普通に考えたらスペイン、ドイツがどっちが1位なのか
というのが注目ポイントとなりそうです。

しかしやってみなきゃわからないのがフットボールで
日本にもコスタリカにもあっと驚かせるタレントは隠れています。

自分達の流れの時に仕留められるか。それに尽きます。

4年間の集大成を今こそ発揮する時です。

色々思うところはありますが、森保がんばれー。

それでは、このへんで、、、

ばいころまる~~~

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