まっつん

自意識の箱庭からこんにちは

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「人生を面白くしないと」という呪い

僕は世間一般から見ると意識の高い人が多い業界に身を置いていると思う。ここで言う「意識が高い人」は「社会を良くしよう」「新しい価値や事業を生み出そう」「人のネットワークやコミュニティをつくろう」などという志向を持っている人のことを指す。 意識の高い方々は総じて人生に向かうエネルギー量が高い。"面白い"と思ったことはすぐ始めるし、"面白い"人とつながって話をすることが好きなのだろうなと思う。 一方、僕は人生に対するエネルギー量が低い。誤解を恐れず言うと、いつこの世から消えても

    • 自販機の水を見て脳内が領域展開した話

      僕の職場はアーケード内のビルの1階にある。隣は焼肉屋で、毎日終業後はいい匂いを嗅ぎながら家路を急ぐ。 焼肉屋の前には自販機があり、仕事の合間に水やらコーヒーやらを買っている。500ccの水は100円で売っている。110円で売っていたら買わないが、100円はギリギリ許容内なので歯を食いしばりながら購入ボタンを押している。 コーヒーは110円と120円のものが売っている。少し歩いた先のコンビニでは同じ値段で大きい容量のものが買えるが、職場を出てすぐ飲み物が手に入る便利さにかま

      • 結局バーベキューとマスタード

        最近マクドナルドに行く回数が増えている。まさかアラサーになってマック通いが加速するとは思わなかった。 身体の脂肪はどんどん落ちにくくなるのだから、もっと野菜とか魚とか食べたほうがいい。のは分かっている。 中学校を卒業した頃からチキンマックナゲットとは疎遠になっていたが、社会人になった今、ひょんなことから再び親交を深めることになった。 そのひょんなこととは「15ピース 33%オフキャンペーン」だ。 バリューセットの輪の中にいなかった彼は、どこか取っ付きにくい印象があった

        • 3連休の素晴らしさを語るだけ

          「3連休」以上に甘美な響きを僕は知りません。やっぱ3連休はいいよな。皆さんもそう思うでしょう? 3連休は、土曜日曜そして月曜がお休みのときもあれば、金曜土曜日曜がお休みのときもあります。興奮しすぎて当たり前のことを言ってしまいました。 僕は土日月の3連休が一番大好きです。土曜日が終わってもあと2連休あるし、日曜日が終わっても翌日お休み。これほど圧倒的な余裕をもってサザエさんを見られる日はありません。見るというよりは見下ろす感覚です。 加えて月曜日もお休みなことにより、翌

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        「人生を面白くしないと」という呪い

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          ポトフ好きだって言ったら変な空気になった話

          小学生のとき、数人の友達で「好きな食べ物は何だ」という話になった。何という平和な会話なのだろう。 みんなが色々な料理を答える中、僕はポトフと言った。 何だかすごく変な空気になった(すごく変な空気になったから20年前の話を今でも覚えている)。 ポトフを知らない人もいただろうし、知っていても食べたことがない人もいたと思う。 「なにお前はオシャレなもん食べてんだ上流階級気取りか田舎モンが」という空気をひしひしと感じた。 大人になれば1回くらいポトフを食べる機会に出くわすだ

          ポトフ好きだって言ったら変な空気になった話

          キミもいつかおしぼりで顔を拭く人になるから安心してほしい

          人目を気にしながら生きてきた僕だが、歳をとるにつれてそうでもなくなってきた部分もある。 その際たる例が「おしぼりで顔を拭く」ことだ。主に若い女性から蔑んだ目で見られるアレである。 ヒンシュクを買う行為だとは何となく知っていたから、20代前半まではぐっと我慢していた。 最近は我慢のダムが決壊したのか、血が出る勢いで顔を拭いている。なんと気持ちのいいことか。お客さんの多い喫茶店でもお構いなしだ。 店員さんが持ってきたホッカホカのおしぼりをまぶたに押し当てる。デスクワーク戦

          キミもいつかおしぼりで顔を拭く人になるから安心してほしい

          【病院行ってみた編】胃カメラを回避したいアラサーの悲哀

          (よければ前編からご覧ください) 数ヶ月前から黒っぽい便が出るようになった僕。 しばらく様子を見ていたが状況は変わらず、いよいよ不安になってきたので病院を探すことにした。 住んでいるところの近隣エリアに絞って「苦しくない 胃カメラ」で検索してみる。いくつか出てくるが、どこにすればよいかよく分からない。 奥さんがおもむろにスマホを差し出してきた。とある消化器クリニックのホームページが表示されている。 やたら胃カメラの説明が詳しい。患者さんに応じてなるべく苦しくない胃カメ

          【病院行ってみた編】胃カメラを回避したいアラサーの悲哀

          どうにか胃カメラを回避したいアラサーの悲哀

          【基本的に汚い話なので、苦手な方はスキを押していただいた後にブラウザバックをお願いします】 【医学的な話が出てきますが、僕はズブの素人なので参考にしないでください】 今年の3月ごろ。洋式便座から立ち上がって後ろを振り返ると便が黒っぽい。怖っ。 すぐさまスマホで「便 黒い」と検索する。検索するヤツが悪いのだが、症状に関連した病名が次々と画面に表示される。 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、、、 スマホが揺れて見えると思ったら僕の手が震えていた。 胃などの上部消化管で出血が

          どうにか胃カメラを回避したいアラサーの悲哀

          もうそろそろ楽観的になりたい

          「領収書」と聞くと緊張する。 救心では効かないレベルに動悸がする。 社会人になって4〜5年経つが、いまだに領収書の書き方が覚えられない。しょっちゅう書く訳でもないため、毎回微妙に書き方を忘れる。 いや、忘れているというより、自分の記憶が信じられないと言った方が正しい。 お金のやり取りに関わる作業なので「間違ってはいけない」というプレッシャーがすごい。プレッシャーが記憶にモヤをかけ、不用意に記入させてくれない。 白紙の領収書と対峙するときは、毎回土俵際の力士みたいな顔を

          もうそろそろ楽観的になりたい

          この人生は、ちゃんとしてる風のスウェットを探す旅だ

          2億年ぶりに服を買った。 僕は基本的にサイズ大きめのスウェット地のパーカーやらズボンをゆったり着ている。服を選ぶ基準は「着ていて窮屈でないかどうか」だ。 しかしあるとき「さすがにもうアラサーだし、そろそろちゃんとした服を着た方がいいよな」という気持ちが頭をもたげ始めた。 周りの同年代たちは襟がついたシャツやらチノパンやらを着ておすまし顔を決め込んでいる。一体彼らは人生のどのタイミングで襟付きシャツやチノパンを手にしたのだろう。 彼らと比べると、確かに全体的にシルエット

          この人生は、ちゃんとしてる風のスウェットを探す旅だ

          「就職前にすべき事は?」→「好きな事やろう」のモヤモヤ感をどうにかしたい

          僕は仕事柄、学生さんと接することが多い。 「社会人になる前にやっておくべきことは何ですか」 学生さんが社会人によく聞く質問。きっと学生のうちにしておくべき経験や取っておくべき資格を聞けるものと期待して質問しているのだと思う。 その期待に反して社会人は言う。 「一生懸命好きなことをやればいいよ」 学生さんは何とも言えない表情を浮かべる。 「いやそんなこと聞いてないよ。もっと実用的なことを教えてくれよ。ていうかそもそも好きなことなんてないよ」と極太マーカーで顔に書いてある

          「就職前にすべき事は?」→「好きな事やろう」のモヤモヤ感をどうにかしたい

          二郎をたずねて三千里

          先週の日曜日は奥さんがお出かけしており、家には僕ひとりだった。 奥さんがいない間、何をしようかと前日の土曜日から考えていた。どうせならひとりの時にしかできないことをしたい。 土曜日の夜中はやたら腹が減っていた。 夕食にしては早めの時間にすき家のうな牛を食べた。口内でうなぎ(の旨味)はすいすいと泳ぎ回り、牛(の旨味)はモウモウと美声を響かせた。 うなぎと牛丼がほんまに合うんかい、などとすき家開発部の皆さん並びにCMに出演している石原さとみに疑いの目を向けていたことを恥じた。

          二郎をたずねて三千里

          銭湯で胸筋震わすオヤジにも人生がある

          3連休の中日。このままずっと家にいるのもどうかと思い、手軽にリフレッシュできそうなスーパー銭湯へ。 これまでもたまに利用していたスーパー銭湯。自宅からさほど遠くない位置に立地しているが、出不精な僕からするとそれなりに強い意気込みがないと行かない場所だ。 実際その日の午前中は、銭湯に行くか行かないかで悩んだだけの時間を過ごした。悩めば悩むほどに意欲は減退していった。 ただ、どこにも行かなかった3連休の最終日の夜の切なさを思うと、何だかいたたまれない気持ちになってきた。最終

          銭湯で胸筋震わすオヤジにも人生がある

          いつも大変お世話になり過ぎている

          社会人になってからというもの「お世話になります」という一文を仕事のメールで多用している。日本全国どこでも通じるであろうビジネス上の常套句である。 あまりにも使い勝手が良いため、どんな場面でもとりあえず”お世話になっている”。使用上限を突破したのか、いつしか「お世話になります」が無機質な記号のように見えてしまうようになった。「お世話になります」のゲシュタルト崩壊。ひとりでこっそり「お世話になりまシュタルト崩壊」と呟いてみたが、人前では絶対に言わないでおこうと思った。 気の迷

          いつも大変お世話になり過ぎている

          自意識のせいで美容師の指名ができなかったあの頃

          ふいに知人と髪型の話になり思い出した。 「美容院の予約時に美容師さんを指名するのが恥ずかしい」と思っていた時期が僕にはあった。あるときを境に、今ではドラフト会議の如くガンガン指名するのだが。 「指名する」ということは「あなたのことが気に入っていますと宣言する」ことと同義だ。指名する理由が髪を切る技術だろうが何だろうが、自分の好意を相手に打ち明けるということに他ならない。当時の僕はハズレの美容師さんに当たらないために指名をしたかったが、自意識の濁流に呑み込まれた童貞には相当に

          自意識のせいで美容師の指名ができなかったあの頃

          ケンタッキー食ってたら心の中の阿部寛が演説を始めた

          先日の晩。 奥さんは用事があり外出、家には僕ひとりだった。僕は密かに企んでいることがあった(エロいことではない) <<<ケンタッキーを腹いっぱい食ってやろう>>> ケンタッキーというのはケンタッキーフライドチキンのことである。 いや、あなたが言っているのは三宅健と滝沢秀明のアイドルデュオ「KEN☆Tackey」のことだ。全く違う。 僕にとってケンタッキーフライドチキンは、暗闇に差す一筋の光、ドブに咲く一輪の花、オッサンばかりの職場にいる化粧っ気はないけど美形で優しい30

          ケンタッキー食ってたら心の中の阿部寛が演説を始めた