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妄言

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日々考えたことや考えなかったことを書いています
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もうそろそろ楽観的になりたい

「領収書」と聞くと緊張する。 救心では効かないレベルに動悸がする。 社会人になって4〜5年経つが、いまだに領収書の書き方が覚えられない。しょっちゅう書く訳でもないため、毎回微妙に書き方を忘れる。 いや、忘れているというより、自分の記憶が信じられないと言った方が正しい。 お金のやり取りに関わる作業なので「間違ってはいけない」というプレッシャーがすごい。プレッシャーが記憶にモヤをかけ、不用意に記入させてくれない。 白紙の領収書と対峙するときは、毎回土俵際の力士みたいな顔を

この人生は、ちゃんとしてる風のスウェットを探す旅だ

2億年ぶりに服を買った。 僕は基本的にサイズ大きめのスウェット地のパーカーやらズボンをゆったり着ている。服を選ぶ基準は「着ていて窮屈でないかどうか」だ。 しかしあるとき「さすがにもうアラサーだし、そろそろちゃんとした服を着た方がいいよな」という気持ちが頭をもたげ始めた。 周りの同年代たちは襟がついたシャツやらチノパンやらを着ておすまし顔を決め込んでいる。一体彼らは人生のどのタイミングで襟付きシャツやチノパンを手にしたのだろう。 彼らと比べると、確かに全体的にシルエット

いつも大変お世話になり過ぎている

社会人になってからというもの「お世話になります」という一文を仕事のメールで多用している。日本全国どこでも通じるであろうビジネス上の常套句である。 あまりにも使い勝手が良いため、どんな場面でもとりあえず”お世話になっている”。使用上限を突破したのか、いつしか「お世話になります」が無機質な記号のように見えてしまうようになった。「お世話になります」のゲシュタルト崩壊。ひとりでこっそり「お世話になりまシュタルト崩壊」と呟いてみたが、人前では絶対に言わないでおこうと思った。 気の迷

自意識のせいで美容師の指名ができなかったあの頃

ふいに知人と髪型の話になり思い出した。 「美容院の予約時に美容師さんを指名するのが恥ずかしい」と思っていた時期が僕にはあった。あるときを境に、今ではドラフト会議の如くガンガン指名するのだが。 「指名する」ということは「あなたのことが気に入っていますと宣言する」ことと同義だ。指名する理由が髪を切る技術だろうが何だろうが、自分の好意を相手に打ち明けるということに他ならない。当時の僕はハズレの美容師さんに当たらないために指名をしたかったが、自意識の濁流に呑み込まれた童貞には相当に

ケンタッキー食ってたら心の中の阿部寛が演説を始めた

先日の晩。 奥さんは用事があり外出、家には僕ひとりだった。僕は密かに企んでいることがあった(エロいことではない) <<<ケンタッキーを腹いっぱい食ってやろう>>> ケンタッキーというのはケンタッキーフライドチキンのことである。 いや、あなたが言っているのは三宅健と滝沢秀明のアイドルデュオ「KEN☆Tackey」のことだ。全く違う。 僕にとってケンタッキーフライドチキンは、暗闇に差す一筋の光、ドブに咲く一輪の花、オッサンばかりの職場にいる化粧っ気はないけど美形で優しい30

僕よりネギの方が強いんだ、向上心が

ネギは収穫後も伸びるらしい。奥さんが教えてくれた。冷蔵庫に入れたネギが勝手に伸びていた、なんてこともあるらしい。 どの怪談でも日本人形の髪は大体伸びるが、ネギが伸びるのは初耳である。一体どこから栄養を得て成長しているのか。どう考えても僕より成長意欲が高い。新卒でITベンチャーでも立ち上げる気か。 就職活動中から今まで、社会人としての「成長」という言葉をよく聞くようになった。よくよく考えてみると、ビジネスだけではなく生活のあらゆる場面に「成長」という言葉が存在している。

スベった瞬間、人は宇宙に瞬く

昨日は朝目覚めた瞬間から目がゴロゴロしていた。しかし、上まぶたをめくっても下まぶたをめくっても、まつ毛は見当たらない。 どうにも不快だが「目にまつ毛入ったかも休暇」なぞこの世に存在しない。働き方改革に思いを馳せながら職場に向かった。 目の不快感は僕の1日にとってマイナスでしかないが、なんとかこれを逆手に取ってプラスを生み出せないだろうか。そう考えるのは僕がポジティブだからではなく、マイナスだけだと損してるようで悔しいからだ(自分で言うのもなんだが、僕はナチュラルボーンネガテ

ダウンジャケットを着始めるタイミングって

寒いですね。かと思ったら次の日は暑いですね。 どう衣替えを行うのか。朝のクソ忙しい時間帯に、あなたの手に固く握られているダウンジャケットを羽織るか否か。日本人の永遠の課題に向き合う時期がやってまいりました。   なぜ衣替えに悩んでしまうのか。もちろん「上着を着ることで暑くなるかもしれない。でも着ないと寒いかもしれない。」という葛藤もあることでしょう。ただそれはひとつの側面。ものごとには必ず多面性があるのです。   もうひとつの側面、それは「ダウンジャケットをこの時期で着るとい

僕は欠く部分を書くことで補っているのかも

人が生きる上で大切なものっていくつかあると思うんですが「表現」もその一つだと思っています。表現を通じて、社会と繋がったり、自己承認が進んだり、それでお金を稼いでいる人もいるわけです。 ただ難しいのが「何を表現したいのか」「何で表現したいのか」を見つけることです。これは難しい、いやほんとに。「あなたのやりたいことは何ですか」と尋ねることとほぼ同義。ほぼ人殺し。 結論としては「色々経験して、色々試行錯誤して、自分の心地よいものを探すしかない」に落ち着いてしまうと思うんですが、

テキストメッセージで句点付けない人ってキレてるの?

ライン、フェイスブックメッセンジャー、チャットワーク、スラック、、、チャットアプリがめちゃめちゃ氾濫してますよね。僕も日々、仕事や私生活で利用しています。非常に便利な反面、チャットアプリならではのストレスが大きくなっているように感じます。 一番わかりやすいのは「既読」のあれこれ。既読がついたのに返事がこない。1ストレス。僕は何か機嫌を損ねるようなことを送ってしまったのだろうか。2ストレス。しばらく経ってからアプリを開くが相変わらず返事が返ってきておらず。3ストレス。発狂しそ

嘘か本当かなんて水で薄めてしまえば

こないだイオンのフードコートに行ったんです。ラーメンを注文しました。正確にはラーメンの餃子セットでした。ご飯もついてくるよう。 注文した後、そのままフードコート内に設置されているドリンクバー?へ。紙コップを手に取り、ドリンクバーの指定の位置へセット。ほうじ茶(冷)のボタンを押しました。勢いよく出てくるほうじ茶(冷)。おや、ほうじ茶(冷)のようなものは確かに出ているけれど、同時に水のようなものが出ています。 そういえばファミレスのドリンクバーでコーラのボタンを押した時も、コ

自分は変な人だなんて、変なこと言うんですね

「俺って変わってるんですよ」と言う人、周りにいませんか。そんなセリフを聞くと僕はその場から逃げ出したくなります。 それって言い換えると、 「俺って普通人がしないようなことをする人なんですけど、そんな自分は人より優れていて、そんな自分が大好きなんです。でも普通の人の感覚も持ち合わせているので、自分が変わっている性分なのも知ってるんです。俺のバランス感覚ってすごいでしょ?」 だと思うんです。その場から逃げ出したくなりませんか。僕の性格が悪いだけですか。 そういう人を見ると「こ

揺れる身体、揺らぐ印象。

あなたはいま喫茶店にいます。目の前には最近仲良くなった友人。休日の昼下がりにティータイムと洒落込もうと意気込んでやってきた2人は、注文したコーヒーを待っています。店内にはいかにもカフェっぽいBGM。あなたはどう振る舞いますか。 僕なら間違いなく、BGMに合わせて身体を揺らします。 なぜそのような行為に及ぶのか。それは「BGMに身体を委ねて揺れている人は周りから印象良く見える」という僕の確信めいた何かです。音楽に乗せて思わず身体を揺らしてしまう人に悪い人なんていますか。いま

飲み会の予定調和を壊したい

忘年会シーズンですね。 毎年毎年、年忘れするから進歩がないのでしょうか。 ベタすぎて今更言うのもアレなのですが、忘年会をはじめ、飲み会での空気の読み合い、疲れませんか。特に疲れるのが、大皿の上に残されたラスト1個のカラアゲ。かれこれ20分前にはみんな気づいているのに、誰も箸を伸ばさないあの何とも言えない空気。カラアゲが宙に浮いてしまっている状態。いや実際には浮いてないんですが。実際に浮いてたら怖いよ。 あの場の空気に耐えられないんです。「あと1個しかないカラアゲを何食わぬ