いつも大変お世話になり過ぎている
社会人になってからというもの「お世話になります」という一文を仕事のメールで多用している。日本全国どこでも通じるであろうビジネス上の常套句である。
あまりにも使い勝手が良いため、どんな場面でもとりあえず”お世話になっている”。使用上限を突破したのか、いつしか「お世話になります」が無機質な記号のように見えてしまうようになった。「お世話になります」のゲシュタルト崩壊。ひとりでこっそり「お世話になりまシュタルト崩壊」と呟いてみたが、人前では絶対に言わないでおこうと思った。
気の迷いから実際に記号に置き換えてもみたが、ただの怪文書が生まれただけだった。
「オレは所属の前にオスだ」というアホ丸出し宣言である。つんく♂さんにも迷惑がかかりそうなので記号にするのは控えた方が良さそうである。
「お世話になります」とは何なのか
早速「お世話になります 意味」でググったところ「いつもビジネスの関係を取り持っていただき、ありがとうございます」という意味だと分かった。何となくそんな感じの意味だろうとは思っていたが、それをはっきり認識して言葉を使っていなかったことに気づいた。
言葉が記号のように感じられたのは、意味を考えることもなく「お世話になります」を無闇に枕詞にしていたせいだ。言葉に重みを乗せられなくなっている。言葉の裏側にあったはずの気持ちがどこかに流れ出している。
言葉を乱発するうちに、誰の何に対して「お世話になっている」のか意識することもなくなってくる。これも言葉を軽くする要因である。本来ならば、誰の何に対してお世話になっているのか明記した方が良いだろう。
念のため断っておくが、例え事実だとしても「週刊プレイボーイにお世話になっております」などと書いてはいけない。ビジネスメールの冒頭で性癖を披露されても困るからだ。
言葉に重みがないことは、それを受け取った側もいつかは気づくだろう。「お前!お世話になりますって思ってないだろ!」と相手に言われてしまったらゲームオーバーである。
言葉の重みを保ちたい
言葉の使用回数とその重みは反比例している。同じ言葉を同じ調子で使い続けると、その信憑性や真剣味は薄れていく。言葉は然るべきタイミングで然るべき回数だけ使ったほうがいい。
そこで僕は「お世話になります」の代わりに同じようなニュアンスを持った他の言葉を使用することで「お世話になります」の重みを延命させられるのではないかと考えた。
「お世話になります」に代わる言葉の条件として下記の二つを挙げてみる。
①相手に感謝が伝わる表現であること
②「お〇〇になります」という8文字程度の表現であること
熟考の末ひねり出した「お世話になります」に代わる言葉を発表する。刮目してほしい。
「お尻フェチになります。株式会社〇〇のまつなしです」
スマートでエレガントな響きである。
そしてやはり週刊プレイボーイにはお世話になっているようであった。
誰に対して感謝している表現なのかと気になる人もいるだろう。
お尻を見せてくれた人である。
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