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飲み会の予定調和を壊したい

忘年会シーズンですね。
毎年毎年、年忘れするから進歩がないのでしょうか。

ベタすぎて今更言うのもアレなのですが、忘年会をはじめ、飲み会での空気の読み合い、疲れませんか。特に疲れるのが、大皿の上に残されたラスト1個のカラアゲ。かれこれ20分前にはみんな気づいているのに、誰も箸を伸ばさないあの何とも言えない空気。カラアゲが宙に浮いてしまっている状態。いや実際には浮いてないんですが。実際に浮いてたら怖いよ。

あの場の空気に耐えられないんです。「あと1個しかないカラアゲを何食わぬ顔で食べてしまったら、わたしは周りから空気の読めないヤツだと思われてしまうのではないか」という各々の思いが場を支配しているように思います。「何食わぬ顔で食べる」って食べてんじゃん。

実は、カラアゲを食べた方が周りから有難られるのではないでしょうか。「このカラアゲを誰が食べるのか」という見て見ぬ振りをされている課題に対して終止符を打つことにより、テーブルを囲んでいる各々の心理的負荷が軽減されるからです。

実務的なメリットもあります。テーブルの上にはカラアゲの大皿の他にも、だし巻きの皿、ホッケの開きを焼いたやつの皿、枝豆の器、飲みかけのジョッキ、店員さんに持っていってもらいそびれたジョッキが乱雑に並べられています。ラスト1個のカラアゲを食べることによって「この大皿は片付けても良い」という全体の総意を自動的に得られます。店員さんに大皿を片付けてもらうことにより、テーブルの面積に余裕を持たせることができます。

早くお皿を片付けられるということは、ホールスタッフ、厨房のお皿洗い担当の方にとっても喜ばしいことだと思います。アツアツの美味しいカラアゲを食べてもらいたいと懸命に調理している調理担当の方も、冷めないうちに食べてもらった方が嬉しいはずです。

一番の当事者であるカラアゲ、さらに言うとニワトリのことを考慮しても、熱いうちに美味しく食べた方が良いのではないでしょうか。僕らは命を頂いています。


そもそもラスト1個のカラアゲを食べたくらいで「空気の読めないヤツ認定」してくる人と楽しい飲み会などできるでしょうか。僕はそんな人と飲みたくないし、大抵そんな人はいないでしょう。そしてそのことを誰もが薄々気づいているのではないでしょうか。気づきながらもカラアゲに箸が伸ばされない空気に、僕は居心地が悪くなるのです。

居心地の悪さを脱しようと、カラアゲが1個残っているときは積極的に食べるようにしています。単に食い意地を張っているという説もありますが、そんなことを言う人はカラアゲにして食べてやろうと思います。

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