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2023年9月11日の日記

アスファルトに伸びた猫の死骸、道路の穴が空いたところにたっぷりと詰まった黒いドロリとした液体。狭くなってゆく車線、それに合わせて車は微妙なステップを踏む。その動きからは苛立ちが伝わってくるようだ。

 このところ、日本の高速道路は緊急工事だとか集中工事だとかそんなのばっかりだ。思えば日本の交通インフラは、すでに限界を迎えているのかもしれない。それらの中には開業して半世紀以上を数えるものも少なくないし、現に新幹線は開業して早60年経つ。最新技術の導入などで設備やシステムをリニューアルしながらではあるが、基本の線路や構造物は当時の設備を使い続けている。
 高速道路もそう、1時間たりとも車が通らない時間帯がないこの場所は、定期的な修繕以外では維持することができない。資材費も人件費も高騰していく中、果たして日本の交通インフラの未来は…と考えてしまう。

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 明るい未来に残ることができなかった交通インフラは、人の手で新たに別の用途を見い出されるか、そこで朽ち果てていくか、そのどちらかだ。日本各地に、そんな場所やものが、いつかもっと爆発的に増えてくるんだろうなと思う。
 星が森へ帰るように、自然に消えて、ちいさな痕跡も、私にしか見えなくなる。
 

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