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『夢の中』と『アステロイドシティ』を一緒くたにするけったいなレビュー
これは現実か、はたまた幻にすぎないのかみたいな歌詞から始まる歌があった様に思います。『夢の中』はそういう映画でした。
映画はある男女の会話や仕草ややり取りを通じて展開します。終始不思議な、正に夢現な雰囲気の中で、ストーリーらしきものが何となく見出され、ラストシーンでは像を結ぶようにはっきりと物語が前に進みます。
本作はコミュニケーションをテーマにしたそうですが、主役二人が話す会話の食い違いは夢の
そばの悪口 -駅そばについてのイントロとして-
駅そばについて書きたい。書きたいが、実のところ蕎麦はそんなに好きじゃない。
という話で書きすぎてしまった。唇寒しである。
私的麺類ランキングの中でもほとんど最下位を占めるのが蕎麦である。別に嫌いというわけでもなくて、ただ他の麺類に及ばないだけで万年下位の不遇な麺である。
例えばラーメンは、味が濃くて種類もあって美味い。出汁に脂はもうほとんど鬼に金棒に近い。二日酔いの時など絶好である。
そしてうど
ネタバレ: 君たちはどう生きるかの感想
そもそもネタバレは不道徳な行為ですが、本作は徹底的な情報の秘匿の下で公開される性質上、さらに輪をかけて秘中の秘として扱わねばならんでしょう。よってこのように丁寧に序文を連ねております。
改めて、以下の文章にはネタバレを含みますのでくれぐれもご注意ください。
私からもネタバレなしで本作を観ることをおすすめします。
では。
最も印象に残るのは積み木です。
一つだけ持って帰った積み木が、それもおおお
君の地球が平らになりますようにの感想
語り得ぬものについては沈黙しなければならないと言うのであれば、この本は私の経験では語れないとだけ書くべきでしょうか。22歳になってもお子様な私の恋愛経験では扱いかねるかも知れません。
この本は表題作含め5作品からなる短編集です。全て女性を主人公とした恋愛小説で、帯には「5人の女性がたどるそれぞれの恋と地獄」などと書かれています。
著者の斜線堂有紀さんの本は、これまでいくつか読んできましたが中でも
リバー、流れないでよの感想
まずタイトルが妙です。リバーなど凡そ日常生活で出てくる単語ではありません。水曜日のカンパネラの「ばあちゃんリバーでウォッシュ」以来の衝撃と言えるかもしれません。あれも中々に妙ちくりんな歌です。その妙ちくりんさに期待を寄せて、チケットを買いました。要するにタイトルだけ見てチケットを買いました。
タイムループものなのですが、コメディ的な要素がふんだんで、またストーリーもすらすらと流れるようで、エンディ