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思想

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#音楽

路上着座論 ーあのベンチの前に座ろう

路上着座論 ーあのベンチの前に座ろう

ベンチがたくさんあることはいいことだ。しかし、ありすぎるとそこが、「座る場所」から「座ってもいい場所」になってしまうのではとも思う。つまり、座ってもいい場所と座ってはいけない場所ができてしまうということだ。
それは「座れる」の意味が「座ってもいい場所」ということになり、「座れる」の判断基準がルールだけになってしまうことである。そこに個人の「座れる」の判断基準が入る余地はない。
もちろんなんでもかん

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目にうつる全ての現象は詩

『やさしさに包まれたなら』の歌詞の有名な一節「目にうつる全ての"こと"は メッセージ」を、僕はなぜか「目にうつる全ての"もの"はメッセージ」だと思い込んでいた。

勝手に読者に甘えて、言い訳をさせてもらう。考えてみれば「目にうつる全ての”こと”」とよりも、「目にうつる全ての"もの"」の方が自然に感じられないだろうか。
「目にうつる全ての”こと”」というのは、ちょっと不思議な感じがする。「目にうつる

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【思想】高解像度と粒子

作曲家、ピアニスト、アコーディオン奏者である、Leo Svirskyのアルバム、「River Without Banks」を聴いた時、僕は粒子的音像世界の中にいた。
2台のピアノによる、密度の高いアルペジオで紡がれる音像世界。
一つの音を構成する、一粒一粒の粒子を表現しているかのように感じる。
この音像世界には、高解像度で見ることとは違う、別の見方があることを思わせてくれる。
高解像度によって忘れ

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