不完全情熱
誰かに褒められるたびに、嬉しくてまた頑張ってしまう。
その繰り返しの中で僕を好きになってくれる人は何人いた事か。
「優しくて強くて大好きだ。」と言葉を何度貰っただろう。
多分嬉しくなくなるまで貰っていた。
それが当たり前だと思わず、それ以上を求めなければ「優しくて強い人」のままでいられたのかな。
全ては誰かの為だと求められぬ情熱を振りまいて、「もういいよ。」の言葉を信じなかった。
気がつけばただの強い人になって、完璧で何よりも真っ直ぐで真っ赤で黒かった。
「なぜ僕から離れるんだ。」と嘆く日が増えたけど、突き放したのはきっと僕からなんだろう。
綺麗な情熱を見せる事はもう出来ないけど、完璧を少し曲げてみたよ。
これならお互い気が抜けると思って。
優しくて強かったあの頃へ戻りたいと願うけど、戻れるほど強い自分もそろそろいなくなると思う。
だから新しい優しさと強さを探しに行くよ。
今はやり方を曲げるくらいの事しか出来ないけど、見つけられたらまた戻って来てくれるかい。
不完全情熱はここにいる。
叶うなら「まだちょっと優しいじゃん。」と言って欲しい。
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今回もご視聴ありがとうございました。↓
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