ガニーガの闇
一面海のガニーガ星。
深く青黒い海の中には数多くの都市があり、そこにはカニに似た人型の宇宙人、ガニーガ星人が住んでいる。
文明は近隣の星々よりも栄え、海は多少濁れど民の暮らしは豊かそのものであった。
ガニーガ星人自体も温厚な種として知られている。故に多くの星々と上手に国交を樹立させていた。それもここ数年での話だ。
そんな繁栄の一方で、ある黒い噂がほんの一瞬だけ流れた。
とある星の新聞に「ガニーガ星人は近隣の星々の要人を暗殺し、自分達にとって国交が良い方向に傾くよう仕組む。」という文面が小さく掲載された。
僅か小さな、誰も信じないような内容であったが、その新聞を作った会社の社員と代表、合計9人が行方不明になった。
ガニーガ星には何かある。しかし探ろうとする者は消え、証拠も残らず、世間はただの作り話だろうと忘れてしまう。
だが私は見た、温厚なガニーガ星人とは明らかに違う異質な者を。
蛍光色のラインが入った戦闘服を着て、大きく鍛え上げられたハサミが返り血と共に輝くガニーガ星人。縦横無尽に建物の中を駆け回りまわる姿は音速そのもので仲間を切り裂いていったのだ。
社長が手に入れた情報はデタラメじゃなかった。奴らはどう見てもプロだ。ハサミの餌食になった仲間達を見捨てる事しか出来ず私だけが生き延びた。
私は故郷の星を離れ、ガニーガ星の目が届かないところでこの事実を新聞にして届けている。
誰が読んでくれるかはわからない。だがこのままではガニーガ星人が銀河の覇権を握ってしまうかもしれない。
ガニーガ星人の野望を打ち砕いてくれる勇者が現れる事を願いながら、私は今日も新聞を刷るのだ。
↓続く
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