ワクチンテキサス旅行を「テーマ」で振り返るエッセイ
ワクチンを打ちにアメリカに行きました。
ここでは特にアメリカでのワクチンの打ち方や旅行情報について書くつもりはありません(気になる方は連絡ください)。
タイトル通り、テキサス旅行でみたイメージとリアルがおもしろいくらい違うと感じたので文字にします。
何も目新しいことはありませんが、個人的にはテーマを決めて、そのテーマのレイヤーから物事を見ると、対象物がくっきり見えるなと実感したので、その見えたものについて、だらだらっと書いていきます。
ご興味があれば、のんびりエッセイを読んでいるかのように見てください。
ざっくりとテーマは「エコ」「食」「インクルーシブ」「治安」「格差」「消費社会」。
エコについての意識🌍
メキシコではビニール袋の配布はほとんどのスーパーも、商店も行っていません。
お持ち帰りのカップや容器も、最終的に二酸化炭素と水に分解され、自然界に戻すことができる生分解性プラスチックを使っているお店も多いです。
エコバックを忘れたら、そのまま生で持って帰ります。
アメリカは州によって方針や法律が異なるんでしょうが、テキサス州のほとんどのスーパーではビニール袋を普通に配っていました。もちろん、「袋いる?」とは聞いてくれます。
ちなみに、ご飯はビーガンのお店を選んで食べていたので、そういった場所では生分解性プラや紙袋を積極的に使用していました。
ビーガンは動物愛護の視点だけじゃなく、やればやるほど、環境配慮の意識が強まってくるので、当然ですね。
ゴミの分別について。メキシコと同じく、分別の強制はありませんでした。
捨てる方は楽でも、せめて生ゴミと普通ごみは分けたいよねと思います。
一般家庭に泊まったわけではなく、ホテルやAirbnbの貸し出し用物件に泊まったので、ホスト(清掃業者)が掃除しやすいように、効率重視だったのかもしれません。
ビーガンはまだ少数派🌱
この旅で1番苦しかったことは、レストランに行ってもビーガン食と普通の肉食が並んでいるお店がなかったということ。
とは言っても、ビーガン 専門のお店はたくさんあります。
選択肢には困りませんが、問題は2つ。
1. あんまりそそられない(ハンバーガーが主流)🍔
2. 肉が食べたい人と行けない(「体験」としてアリと思う人はいる)🍖
ビーガンをバリエーションの1つとして捉えているレストランであれば、たまにビーガン 用メニューがあります(例えば大手チェーンのバーガーキングや Carl's Jrなど)。
しかし、ビーガン 専門店は思想の方が強いため、並列して販売するということはおそらくないでしょう。環境にいいことをしたいから、ビーガンのお店をしているのに、市場原理に従って、「肉食も揃えよう!」とはなりませんね。
だからこそ、難しい問題です。何を優先するか、です。
ちなみに、食べた中で「割と良い」と思ったのが、ビーガン 韓国料理屋さんで頼んだプルコギと Project Pollo という名前のビーガンフライドチキン屋さんのチキン。
アジア系の料理ってビーガンと相性が良いのに、「寿司」や「焼肉」がフォーカスされがちで、あまりアジア系飯のビーガン料理がありません。だからこそ、自分で作るアジア系飯を外で食べることができて感動でした。
フライドチキンは、骨まで再現!骨はサトウキビでできていて、食べることができます。
ブランディングはわたし的には Nice とは思いますが、店名が「Project Pollo」(鶏肉プロジェクト)なので、肉食の人も普通に間違えて食べてしまいそうな見た目です。まぁ、騙されたと思って食べてみな、ということなんでしょう。
誰も取り残さない優しいパブリック💙
公共施設への税金のかけかたが透明性と公平性をたもっていると感じました。
州有地でもある場所や公共交通機関など、きちんと改修され、きれいな状態をたもっていることに驚きました。
公共交通機関=汚い、危ない というイメージを抱きがちですが、全然安全で、マスクをしていない乗客にはマスクを配り、コロナ対策もしっかりしていました。
見た目や印象についてはもちろんですが、例をあげるとこんな感じ。
🚌バスの降車ボタンが紐になっていたり、壁一帯にボタンがついており、非常にわかりやすくて、誰でも押しやすいデザイン
♿️バスに段差がなく、さらに車椅子やスーツケースを持った人でも、持ち上げる必要がないように、スロープが出るようになっている
🚴♀️自転車でも移動ができる
Movability より画像拝借 自転車の例
つまり、誰も取り残さないデザインが街に溶け込んでいると思いました。(キラーワードみたいな「誰も取り残さない」)
わかりやすくて、難しくない、新しい解決策を提示している。この3つが当たり前のように公共機関に取り入れられていることにびっくりです。
格差は交通機関で見える🚃
上記で公共交通機関が素晴らしいことについて書きましたが、実はあんまり乗客がいません。
乗客の人種は、若者白人系、黒人系、ラテン系、観光客、中毒の人。
バスに乗り込むと数人しかいなくて、確実に席には座ることができます。
UberやLyftなどの配車サービスを何度も利用しました。車については全く詳しくありませんが、みんな「良い車」に乗っている印象でした。
車を持てる層とそうでない層。
アメリカだと明らかに車を持っていたほうが何かと便利です。
しかし、それでも買わない、買えないのは、格差がひっそり潜んでいるのかもしれないと、公共交通機関に乗ってみて感じました。
別にそれがかわいそう、と言うわけではなく、自分のポリシーとして、持たない人もいるかと思います。わたしも車は怖いし、自分以外を気を付けるエネルギーがまだ無いので、公共交通機関は使います。
ただ、公共交通機関は上述したとおり、使いやすくて、アプリをダウンロードしたら簡単に使えるし、Google Mapの道案内を使えば、リアルタイムのバスの現在地がわかるし、本当は使いやすいと思うんです。
以下に、参考までに各都市で利用した公共交通機関のアプリを載せておきます。使い方は簡単です。アプリ内に決済情報を登録し、利用するときにチャージすれば良いのです。
難点は、それぞれの都市でアプリのダウンロードが必要ということです。
🚀ヒューストン
🎵オースティン
🌮サンアントニオ
ラ米で鍛えられたから怖くない💪
治安について。
日本からアメリカを見ると、おっかないです。
しかし、メキシコやほかのラテンアメリカを経験していると、恐怖心がなくなりました。
もちろん、ホームレスも、中毒の人もいます。動きが怪しい人もいます。
人の挙動が「普通」と違うだけで、恐怖に感じてしまうのは、人の性かもしれないですし、「普通」の人が多い社会で暮らしてきたからこそ「変だ」と感じてしまうのかもしれません。
メキシコからアメリカを見ると、そんな「普通」の挙動をしない人に対して、怒りを感じてしまいました。たぶん社会的な支援もあるはずだし、頑張ったらある程度、お金は得ることはできるんじゃないかなと。メキシコで1日中頑張って働いても、10ドルも1日に稼げない。アメリカだと1時間以内にサクッと。
「政府の支援や働き口もあるんだから、贅沢言ってんじゃないよ」と思ってしまいましたが、たぶん見えない問題があるんだと思います。だからそれ以上はツッコミません。
ただ、メキシコだと、働き口はあっても過酷で低賃金長時間労働は当たり前。でも一生懸命働く。だから怒りを感じてしまいまいた。
(これも、メキシコの人からしたら、わたしのような「先進国」生まれの人には理解できないこと、という風に思われていると思います。)
👻ちなみに怖かったエピソードが2つありました。
①Airbnbで泊まっていたおうちにて、大雨の夜にノック音が連続して聞こえてきたこと。窓の外を見ると、帽子を被った男性がいました。
②夕方にそのおうちの周りを歩いていたら、上半身裸の男が「今何時ー!」と聞いてきて、あとを追いかけてきたこと。しばらくして「19時ー!」と返したら、ささっと帰って行きましたとさ。
飽きたら捨てられる運命🍩
アメリカではたくさんのものが生まれて、しばらく世界中でも、もてはやされます。
身体に悪いし、ジャンキーだけど、ずっともてはやされているものがあります。ドーナツです。
ドーナツは本当に最悪。砂糖だし、炭水化物だし、揚げ物だし。
でもみんな大好き。Twin Peaksを見ていて、毎回ドーナツを食べたくなるものです。
とあるいい感じのブランディングをしているドーナツ屋さんに行った時の話です。
食べる時までも、心からワクワクしていました。
しかし、店員さんがショーケースにあったドーナツをザザーっと黒いゴミ袋に直接流し入れていた光景を見て、一気にワクワクは冷めていきました。
ショーケース用だからしょうがないのかな。わたしがドーナツだったら、人間の体の一部になりたいと思うかも。
あ、ドーナツ屋さんはVoodoo Doughnut。日本にもあるみたいですね。
話を戻すと、わたしが育ったのは、ものを大事にする文化で、日本でもずっと同じ服を着たりとか、大切にしたいという気持ちだし、メキシコに来てからも、日本のものは貴重だから、たとえ賞味期限が切れても大切に食べるし、ゴミを出すこと自体にそもそも罪悪感を感じて生きてきました。(貧乏性ともいえる)
「とりあえず買って、気に入らなかったら、断捨離したらいいんだよ〜」と、欲望のままに熱中して、飽きたらさようならする関係に、すごく「ドライさ」を感じましたし、純粋にサステイナブルじゃないと思います。
多分経済は、誰かが消費をしてくれるから、誰かが儲かってる。消費をやめろー!なんて言っても鼻で笑われるだけ。この光景を見て、人それぞれの価値観でモノを所有したらいいんです、ということに行き着きました。
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社会で取り沙汰されるようなテーマを切り口に物事を観察すると、一体何が正解なのかわからなくなりました。正と悪、常識と異常で分けることが自分たちのデフォルトだとしたら、物事はもっと単純で、サクサクと偏りと分断のある世界に進んでしまうんだと思いました。
でも、さすが多様性の国。正解を探すこと自体が間違っていました。「こうあるべき」という考えは家に置いてくることが正解です。
消費社会が環境破壊を促進する、でも消費をしないと経済が活性化しなくて、さらに格差が進む。お金が循環しないと公にも回せないから、街が荒廃する。社会性と経済合理性は両立しないといけない、ということ。
すべてのテーマは1本の線でつながってました。点で空中分解させると、それぞれ面白い視点を与えてくれるけども、線として集めた時に「1つのアメリカ像」を見せてくれるような気がします。
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特に参考になるようなことは書いていないのにもかかわらず、ここまでお読みいただきありがとうございます。旅をいろいろなレイヤーで見て、自分の体験と考えと比較して、最後にひっつける作業は割と面白かったです。
最後におもしろいなー、好きだなーと思ったお店や場所のリンクを貼っておしまいにします。それでは
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🧳Bounce
荷物仮預けサービス。チェックアウトしてもまだ出発までに時間があって、荷物をキープしてくれない宿であったら、非常に便利なサービスです。ネットで場所を選んで、支払いをして終わり。
👚Pavement
ヒューストンの古着屋(周りにもたくさん古着屋さんがありました)
🎨コンテンポラリー・アーツ・ミュージアム・ヒューストン
現代美術館。行ったけど閉まってた。すごく行きたかった。
毎週木曜日はミュージアムエリアの美術館は18:00以降無料で、夜の美術館鑑賞ができます。
⛪️ロスコチャペル
礼拝堂。マインドフルネスに最適。(爆)
📷Houston Camera Exchange
ヒューストンの別のカメラ屋に行ったときに「うちはそんな種類ないけど、ここはマジいい。ここでフィルム物色するといいよ」と言われ、行ったお店。
☕️Medici Roasting
オースティンのカフェ。Medici Roastingがあるエリアはオフィスやショップがあり、作業にも適していることから、たくさんのワーカーたちがいました。お昼ご飯も食べるとこもあります。
☕️Merit Coffee
オースティン、サンアントニオに展開するコーヒー屋
🌱Project Pollo
ビーガンフライドチキンのお店。
写真は夜オースティンで深夜に徘徊した時に撮ったピザ屋。土曜日だから人もいっぱい。ネオン、最高か!
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