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この季節になると、思い出す。 浪人時代

 が大学受験生だった時、2年間にわたる浪人時代と呼ばれる期間がありました。その時期は、私にとって自己探求と自己責任の時間でした。保護者の一人として、弟の世話をすることは、私に大きな責任感と自己否定をもたらしました。

 私の家族は共働きで、年下の弟がいました。私が浪人の道を選ぶことができたのは、母との約束があったからです。その約束とは、母が仕事から帰るまでの間、弟を幼稚園から迎えに行くというものでした。この約束が私には重荷となり、自己否定の感情を抱く原因となったかもしれない。幼稚園に迎えに行くたびに、私のことを知らない先生は「お兄さんが迎えに来たの、お兄さんは大学生なの?」と聞かれる。いささか、答えづらいものでした。

 浪人期間は精神的にも物理的にも厳しい時期でした。社会の目を気にしながら、毎日自宅か図書館で勉強する日々を送っていました。自分自身に厳しく、失敗する度に自分を責める日々でした。「なぜこの問題が解けないのだろう?」、「なぜもっと早く勉強を始めなかったのだろう?」という疑問が私の心を苦しめました。その結果、涙が簡単に溢れるようになり、自己嫌悪に陥っていました。

 しかし、そんな自己否定の中で、ある出来事が私の心の転機となりました。それは、弟の幼稚園の遠足の日でした。私の父が急用で参加できず、私が弟の同伴者となったのです。昼食の時間、親たちが楽しげに食事を共有している中、私と弟は孤立して食事を取っていました。その孤立感は私の心を深く打ち、「もし浪人していなければ、もっと堂々と食事を楽しめたのに」と自分を責めました。

 夏の葉が散る頃、私は家電量販店でアルバイトを始めました。そこで出会った多くの人々と交流する中で、自己否定から自己肯定へと思考の転換が起こりました。特に、60代の同僚Tさんと出会ったことは大きな転機でした。彼もまた過去に受験に失敗し、それでもめげずに努力を続けた結果、合格を勝ち取ったという経験を持っていました。

 Tさんが私に語った言葉、「人生はなんとかなる、未来と世間体を気にしてもしょうがない。今を生きろ、できたことは、自分を褒めなさい」は、私の心に深く刻まれ、自己否定から脱却するきっかけとなりました。

 Tさん。今、私はその言葉を胸に日々を生きています。過去の自己否定から学んだことは、「自己否定から自己肯定への転換」、「自分を許すこと」、「今を生きること」、「できたことを褒めること」です。これらの経験と学びは、受験生だけでなく、どんな困難に直面している人にも共感できるものだと思います。
 私が伝えたいことは、「自分を許すこと」「今を生きること」「できたことを褒めること」です。これらを心に刻むことで、私たちは、どんな困難も乗り越える力を得ることができます。私たち全てが、自己否定から自己肯定へと思考を転換することで、自己成長と幸せを手に入れることができるのです。


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