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フル・ストーリー・メタル・ジャケット 【note 掲載原稿完全ガイド】

イントロダクション

2022年9月、note に初めて投稿された「その夢は誰のものか?」から、その後ほぼ週に一本のペースで連載され、現在長期の連載中断が続いている「バスケットボールの定理」、その連載中断と同時に始まった新シリーズ「トリスタン文書」、さらに人気キャラクターアンケートの結果を受けてシリーズ化が検討されている「イ・ゾルデの断想」まで、当アカウントにて公開中の全原稿と今後公開予定の原稿の一部を紹介します。


その夢は誰のものか? 〜バスケットボール女子日本代表へのエール〜

東京医療保健大学女子バスケ部監督の恩塚亨は、桜花学園3年の森田菜奈枝をリクルートするときに言った。
「俺と一緒に日本一になろう」
大学4年生でチームのキャプテンになった森田は、夢である日本一に手が届きそうだったある日、シーズン絶望の大けがを負ってしまう。そのとき、夢をあきらめかけた森田を救ったのは、恩塚のある言葉だった……。
インカレ初優勝を果たした東京医療保健大における恩塚監督と森田主将のストーリー。

“一人で見る夢はただの夢だが、誰かと一緒に見る夢は現実になる”
FIBA女子バスケットボールW杯へ向かう日本代表の夢を後押しするために書かれ、この note アカウントが誕生するきっかけとなった原稿。



バスケットボールの定理

第1部 魔法使いとその弟子

18歳のある日、二人の人生は一瞬だけすれ違った……。
現在、日本を代表するバスケット指導者となった恩塚亨と鈴木良和はいかにして今の彼らになったのか、その軌跡を追う連載の第一回。
大学受験会場での恩塚と鈴木の初めての出会いから、千葉大に進学した鈴木が、「日髙マジック」と呼ばれる巧妙な指導で名高いバスケット指導者・日髙哲朗と出会い、彼に師事するまでのストーリー。
日高の薫陶を受けた鈴木は、子供たちにバスケを教えながら日高のような優れた指導者も育てたいという夢を抱く。そしてこの二つの夢を同時に叶える、ある斬新なアイデアを思いつくが、それは成功する可能性が疑わしい、一見無謀にも思える挑戦だった……。

「もし、18歳のあの時、筑波大の受験に失敗していなかったら、彼の人生はどうなっていただろう……」
この連載は、失敗してもつねに前に進み続けた男たちがどこにたどり着くのかを見届けるプロジェクトでもある。


第2部 情熱の価値

筑波大バスケ部に在籍していた恩塚は新たに同バスケ部HCに就任した日髙と出会い、その卓越した指導力に魅せられる。日髙のような指導者になろうと決意し、大学卒業後、高校のバスケ部顧問となるが、理想と現実のギャップからその情熱の行き場をなくしてしまう恩塚。だが勤務先の高校の系列で大学が新設されると聞くと、彼はそこにバスケ部を設立しようと動き出す。一方、「バスケットボールの家庭教師」事業を立ち上げた直後の鈴木は、若く実績がないことからぶつかる壁に直面していた……。

「常識を超えられるものは情熱しかない」
恩塚と鈴木、二人の若者の情熱が彼らを取り巻く人々の心を動かし、常識の壁を打ち破っていく。


第3部 孤独なアナリストの証明

「実績がないならば自分で作るしかない……」
新設された東京医療保健大女子バスケ部の監督になった恩塚はそう思った。そして、女子日本代表にビデオコーディネーターとして潜り込み、そこでの働きが認められアナリストとして正式採用されるが、まだ若く選手としても指導者としても無名だった恩塚に対し、周囲の目は冷たかった……。
一方、鈴木はヨーロッパで視察した選手育成と日本の育成方法との違いに衝撃を受ける。それは彼の育成・指導に対する考え方を根底から揺るがす経験だった。

女子日本代表のアナリスト就任当初、周りから疑いの目で見られていた恩塚が、決してあきらめない執念と粘り強さによって自らの存在価値を証明し、代表チームにおける自身の立場を確立していくストーリー。


第4部 一流の条件

いつかチームをバスケットボールの聖地、代々木第二体育館に連れて行きたい……。若き恩塚が抱いた夢は、ついに現実のものとなる。創部1年目、たった5名の部員で、関東大学4部リーグからスタートした東京医療保健大女子バスケ部が、インカレ初出場、関東大学1部リーグ昇格と徐々にステップアップを果たし、迎えた2017年。この年、おとぎ話のようなシーズンを過ごしたシンデレラチームは、ついにインカレを制覇して初の日本一をつかみとる。

『その夢は誰のものか?』で描かれたインカレ初優勝チームの前史であり、「そこに立つための資格をつかみたい」と願うすべての人たちに送るエール。


第5部 アンサングヒーローの密かな戦い

U12 / U13代表のヘッドコーチおよび男子フル代表のサポートコーチに就任した鈴木は、「日本版ドリームチーム」と呼ばれ、歴代最強の呼び声高い男子日本代表が出場した2019年のW杯に帯同し、そこでの5戦全敗という結果にショックを受ける。しかしその敗戦が鈴木を新たな挑戦へと向かわせる原動力になった。
世界と戦うために日本に足りないものは何か?  W杯の敗因を分析し、日本の課題を明確に見据えた鈴木は、世界の強豪国と互角に戦える選手を育成すべく日本の育成環境の改革に着手する。10年先の未来に向けてタネはまかれている……。

戦いはコートの中だけで起きているわけではない。コートサイドで、あるいはアンダー世代の育成現場で、日々繰り広げられている世界との戦いに光を当てる回。また現在、鈴木がアシスタントコーチを務める女子日本代表の戦術を理解する上でも、(男子代表と女子代表の違いはあれど)彼が感じた日本と世界との差を語る言葉は多くの示唆に富む。


第6部 新しい目、あるいは感情の力について

インカレ3連覇という快挙を達成した東京医療保健大女子バスケ部。しかし4連覇を目標に始動した新チームの選手たちは、自分に自信が持てず、試合に勝たなければというプレッシャーからバスケットをまったく楽しむことができなくなっていた。そのとき恩塚は、それまでの指導スタイルを180度変えてしまうような大変革を行う。なぜ彼はそこまで劇的な変化を決断できたのか? そして東京医療保健大は再びインカレ決勝の舞台に戻ってくることができるのか?

「なりたい自分になろう」そして「生まれ変わるなら、生きてるうちに」
変化を恐れて立ちすくむ人たちに向けて恩塚が送る希望のメッセージは、日本のバスケット界へ、さらに社会のさまざまな場所へと広がっていく。



第7部より一部先行公開 ホーバスVS恩塚論争の示すもの

「誰もができる限り、自分自身が愛するものを他人にも愛させ、自分自身が嫌いなものを他人にも憎ませようと努力する」とスピノザは書いた。
SNSでの論争が誹謗中傷へと向かってしまうのはなぜか、なぜ意見が違う人々への暴言がやまないのか。スピノザが使う”野心”というキーワードを手掛かりに、一部ネット上で起きていたホーバスVS恩塚論争を振り返る。

第7部の執筆がなかなか進まなかったため、完成するまでのつなぎとして執筆途中の一節を公開したもの。しかしその後、連載が長期の中断に突入し、第7部の構想も多少変化してきたため、この文章がそのまま本編に収録されるかどうかはかなり怪しい。


第7部 ゴリアテの倒し方

東京オリンピック2020においてバスケットボール女子日本代表は銀メダル獲得という快挙をなし遂げた。その後、恩塚は女子代表HCに、鈴木はACに就任し、二人はついに同じチームでタッグを組み、五輪決勝で敗れたアメリカを倒すため共闘することになる。
そして、東京五輪における女子代表の成果と恩塚・鈴木の代表チームにおける仕事を相対化するため、1970年代に女子代表を世界選手権銀メダルに導いた名将・尾崎正敏が召喚される。

「良質な非常識こそがイノベーションの鍵」という恩塚の言葉や、トップカテゴリーからジュニアカテゴリーまでの一貫した育成プログラムの確立という鈴木の役割を尾崎の仕事と接続し、日本バスケのレガシーを再構築rebuildしようとする試み。

公開時期未定


第8部 虹の彼方に(仮)

2021年のアジアカップで5連覇を達成した女子日本代表は、恩塚HC・鈴木AC就任後初の世界大会であるW杯へと向かう。日本のバスケットを前に進めようとする彼らの挑戦の行方は? そして、二人の日本バスケット界に対する最大の貢献とは?

公開時期未定



メイキング・オブ・バスケットボールの定理

第1部 言葉の力について

“私” が『バスケットボールの定理』を書き始めた理由を語る原稿。恩塚や鈴木のインタビュー記事を読み、「ここには語るべき物語がある」と感じつつ、しかし「私はなんの資格があって彼らの物語を語りうるのか」と書くことをためらっていた “私” が、恩塚の言葉やW杯での代表選手たちの姿に背中を押され、彼らの物語を書き始めるまでのストーリー。

後にメフィストと呼ばれることになる人物の初登場回であり、『トリスタン文書』で毎回のお約束になっている『スラムダンク』のパロディもここから始まった。


第2部 物語の力について

恩塚や鈴木、東京医療保健大や日本代表選手たちの勇気が一人の人間に影響を与え、その人を変えた。それまで文章を書く習慣などなかった ”私”が、彼ら/彼女らのながい長い物語を書き始める。だが、なぜそれは「物語」の形を取る必要があったのか? そもそも物語の持つ力とは何か? 

SNS上で私たちが日々経験している、誹謗中傷、脊椎反射的反応の応酬、マウントの取り合いといった悪意のコミュニケーションを克服する希望を「物語」に見出そうとする試み。それは後に『トリスタン文書』へと受け継がれ、矢継ぎ早に放たれる無数の物語という戦術を生み出すことになる。



トリスタン文書 〜バスケットボールの定理を求めて〜

第1部 トリスタン・トンプソンの巡礼

『バスケットボールの定理』第7部へと続く「第七の門」を通過するための合言葉パスワードを探すトリスタンとメフィストとの対話。ジョン・ウッデン、パット・サミット、尾崎正敏という3人のバスケットコーチの比較から、偉大なコーチの条件が検討され、ボブ・マーリーの歌とコーチ・サミットの言葉より、先達の遺産を受け継ぎ、失敗を恐れず前に進み続ける意志が確認される。また、ある詩人の引用からバスケットボールが「文化」であることが証明され、トリスタンは『ビール文書』の謎を語り始める。その文書には莫大な財宝が埋められた場所を示す暗号が記されていた……。

『バスケットボールの定理』のスピンオフ、トリスタン三部作の第一作。
第七の門の合言葉パスワード探しと並行して、「アメリカにあって我々に足りないものは何か?」という問いの答えもシリーズ全体を通して探し続けられることになる。


第2部 ディエゴ・トリスタンの弁明

スペインサッカー界のイケメン三銃士、1972年9月のミュンヘン五輪バスケットボール日本代表、ミュンヘン五輪のイスラエル代表選手団9人を人質にとり選手村にたてこもった「黒い九月」、1999年9月に漏れ出した放射能、ビール暗号の鏡写しのようなカバラの数秘学、ヨハネの黙示録に書かれた数「666」……。
3あるいはその倍数である6や9という数字をめぐってメフィストとトリスタンの対話は続き、やがて数と意味の対立は物語の中に消えていく。

「もう手遅れなんて、誰が決めたんだ?」
この回の終わりにメフィストが発した問いかけは、この後に続く第3部の物語たちとも響き合うことになる。


東京医療保健大に木村亜美の像を建てよ! 〜メフィスト、ウィザーズを語る〜

『トリスタン文書』第2部の中で行われたメフィストによる独演の切り抜き。2021年の東京医療保健大学ウィザーズが成し遂げた無敗での大学三冠達成という偉業についてメフィストが熱く語る。
アメリカで今なお語り草となっている伝説のチーム、1997-98年のテネシー大レディ・ヴォルズに匹敵するチームが、もし日本に存在するとしたら……? 日本の大学バスケが潜在的に持っている可能性を最大限引き出そうとする試み。

銅像を建てるのと同じ意図を持って、2021年ウィザーズのシーズン成績(勝敗とスコア)がまとめられ、「THCU WIZARDS 2021 SCHEDULE AND RESULTS」として同時に公開された。


第3部 トリスタンXの推理

第1章 ステフィン・カリーと二人の名手

第七の門を通るための合言葉が書かれた3枚目のカードが盗まれた。犯人は誰か? また、日本バスケットボール史上最高の選手G  O  A  Tに比肩しうると ”彼” が評価する現代の選手とは誰か? トリスタンの推理から新たな物語の幕が開く。GOAT に迫ろうとするその選手の偉大さを語るため、メフィストたちは紀元前や中世から伝わる伝説の弓の名手について、さらには当代随一のシュートの名手ステフィン・カリーについて言及し、やがて彼らはこの国に天下一のシューターが誕生する夢を見る……。

当初、第3部は一つの原稿としてまとめて公開される予定だったが、執筆の終わりがまったく見えず、また一本の原稿としてはあまりに長くなりすぎるため、何回かに分けて少しずつ連載する形をとることになった。もはや「三部作とは?」という疑問が避けられないわけだが、あくまでこれは第3部の中の第1章という位置付けである。
この回からイ・ゾルデが登場し、この映画好きなお姫様が会話に加わったことで、話題が多方面に拡散する傾向がこれまで以上に強まったようだ。


第2章 誰がドラゴンを殺すのか? 〜ウィスタンとマチルダ〜

カズオ・イシグロの小説『忘れられた巨人』では、ドラゴンの吐く息が霧となって英国の地を覆い、人々の記憶が奪われていく。ドラゴンを殺し、失われた記憶を取り戻そうとするウィスタンは、同胞を虐殺したブリトン人への復讐を誓う戦士だ。一方、ミュンヘン五輪でイスラエル代表選手団を虐殺した「黒い九月」への復讐を誓うイスラエルには、同国史上最高のスパイと呼ばれるミハエル・ハラリがいた……。

「救出するには遅すぎたとしても、復讐にはまだ十分間に合う」
第3章で語られるバスケットボール男子アメリカ代表、リディームチームの物語の導入部となる記憶と復讐をめぐる対話。
ドラゴンを殺し、記憶を取り戻すこと……。
不毛な争いをやめ、すべての廃墟を建て直すこと……。


第2.5章 ヒーローはどこにいる? 〜ケイトリン・クラークとホークアイ〜

イ・ゾルデのとりとめない断想は次々に移りゆく。
弓の名手であるアベンジャーズのホークアイから、アイオワ大学ホークアイズのケイトリン・クラークへ、さらにクラークが比較されているステフィン・カリーやピート・マラビッチ、マラビッチの残した映像や記念品が展示されているバスケットボールの殿堂、そしていま日本の大学バスケット界で無双している、とある女子選手へ……。

夢を見るだけでいいんですAll you have to do is dream.……」
クラークがNCAAトーナメント決勝の試合後に語った子供たちへのメッセージから着想を得て急遽書かれた原稿。当初の予定にはなく、話の流れとも関係がないため、ゾルデの頭の中のつぶやきという形式を取り、第2.5章という中途半端な章ナンバーがふられた。


第3章 リディームチームは何を奪還したのか? 〜レブロン・ジェームズとダグ・コリンズ〜

2004年のアテネ五輪で3位に終わったバスケットボール男子アメリカ代表が金メダルを奪還redeemすべく4年後の北京五輪に送り込んだチームは「リディームチーム」と呼ばれた。このチームが奪還したものとは果たして何だったのか?
30年前アメリカのヒーローになり損ねた男、父のような名選手にはなれなかった息子、彼らと特別な絆で結ばれた若きバスケットの王様、それぞれの思いが北京五輪決勝の舞台へチームを導いていく……。
そして、かつてこの国にもリディームチームが存在した。その日本一有名な “リディームチーム” の戦いも並行して語られる。

2023年5月公開予定


第4章より一部先行公開 壁画は語る 〜コービー・ブライアント、あるいは不滅の伝説〜

南カリフォルニアには、コービー・ブライアントの壁画が339も描かれ、その数は日に日に増えているという。なぜ彼らは壁画を描くのか? アーティストや美術史家のインタビューから見えてきた答えは、偶然にもコービーが生前残した言葉と呼応するものだった……。

先行公開されている原稿はコービーの言葉が引用されるところで終わっているが、本公開の際には、この言葉をきっかけとするレジェンド論が追加される予定だ。


第7章より一部先行公開 バスケットボールの功利 〜恩塚亨と鈴木良和〜

「間違った日は、立て直すための歌を歌うだけ」と歌う、日食なつこの ”四十路” は、日食による ”リデンプション・ソング” だ。リデンプション・ソングはなんのためにあるのか? とメフィストは問いかける。
その問いは、恩塚や鈴木が失敗を恐れずに挑戦するマインドや先行世代の遺産を受け継ごうという意識を持ち得ているのはなぜかという問いへとつながり、メフィストは次のような仮説を立てる。
それは、「彼らがバスケット人だから」だと考えることはできないか?

バスケットボールが私たちに与えてくれるもの、偉大なバスケット人が教えてくれるものは何か? レブロンやコービーの言葉をたどるうちに、リデンプション・ソングの持つ意味が浮かび上がってくる。


第9章より一部先行公開 王の愛、女王の怒り 〜マーティン・ルーサー・キングとニーナ・シモン〜

怒りを抑えるな、だが決して憎むな。

敵を憎んではいけないと説いたキング牧師、怒りの感情を支えに多くの名曲を書いたニーナ・シモン。二人は互いを尊重し合う友人だった。
シモンはキングが暗殺された3日後に出演したコンサートで、彼に捧げられた歌を歌う。
「私たちみんな、もう手遅れ? ならばマーティン・ルーサー・キングの死は無駄だったというの?」
この歌を聴いて、メフィストはこう思う。
レジェンドたちの精神spiritを継承する者が現れるならば、それは無駄などではないし、手遅れでもない……。

怒りを抑えるな、だが決して憎むな。

彼らの精神を受け継ぐ者は誰か?
そのとき、私たちはジェフ・バックリィの “怒りの歌angry song” を想起し、そんな私たちに再びシモンの歌声が聞こえてくる。
“Just in time, you found me just in time…”



「イ・ゾルデの断想」シリーズ

イ・ゾルデの断想2 〜リスペクトを奪うのは誰だ?〜

むかし見た映画のワンシーンを思い出すゾルデ 。そこでのジュリアン・ムーアのセリフは、今でも彼女の頭の中でループし続けている。
トクヴィルが19世紀に憂えた民主社会では偉大な選手やコーチは生まれない。あるいはすぐに忘れられてしまう。
そのような社会では、選手や監督にリスペクトが払われることはない。SNSでの悪質な投稿に対してNPBは異例の声明文を出し、レブロン・ジェームズはソーシャルメディアから距離を取れと忠告する。
私たちからリスペクトを奪っているのは誰か?

『ヒーローはどこにいる?』に続いて、ゾルデ姫を主役にしたシリーズの第2弾。『トリスタン文書』からは独立したストーリーとして展開される予定だ。

2023年6月公開予定



おわりに

これまでに掲載された原稿をシリーズごとに振り返ってきましたが、各原稿に付された短い解説からもわかる通り、これらのシリーズは互いにクロスオーバーしています。
『メイキング』の中で誕生したメフィストが『文書』にも登場し、『定理』の先へ進むための合言葉パスワードが『文書』の中で明かされる。また、『定理』でアメリカの倒し方が模索されているときに『文書』ではアメリカと日本の違いが追求され、『断想』には『文書』の謎を解くヒントが含まれる。

各シリーズの中で語られているヒーローたちもまたクロスオーバーしていますが、彼らはすべての物語においてヒーローであるわけではありません。ある物語の英雄が別の物語では憎むべき悪役になり、ある物語で脇役であった者が別の物語では主人公になる。あの国には彼らのヒーローがいて、私たちには私たちのヒーローがいる。そして、それぞれのヒーローに物語がある……。

そんなヒーローのひとりが教えてくれました。
コートの外でも戦いは可能であると。

また別のヒーローは、アラバマ州バーミンガムの教会が爆破され、4人の少女の命が奪われた事件への怒りから、ある歌を書いて言いました。
それは「10発の銃弾を投げ返すようなものだった」と。

ここに投稿された物語も彼女の歌のようなものであればいいと思っています。
つまりそれは、「完全被物語弾full story metal jacket」による援護射撃です。

『その夢は誰のものか?』にはこう書かれています。
「その夢を共有する仲間は日本中にいる……」

2022年9月の初投稿からずっと、私はその夢をともに後押しする仲間を求めて物語を書いてきた。その初期衝動は 今も失われていませんThe dream is still alive.

だからあのヒーローはコンサートのMCで言うのです。
あなたが私の歌に少しでも感動したなら、お願いだから私の仲間になって」

またあるヒーローは試合後の記者会見でこう言います。
「夢を見るだけでいいんです……」

仲間になるために必要なことはそれだけです。
登録も署名も、特別な資格もいらない。

ただ、夢を見るだけでいいんですAll you have to do is dream.


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