知ってた？映画作品の別エンディング4選

誰もが知る有名な映画の中にも、公式に「別エンディング」の存在が明かされているものがあります。
監督が悩んだ末にカットしたり、試写での反応が悪くて結末を変更されたり。

今回はそんな作品群の中でも実際に映像が撮影され、公開されている作品をいくつかピックアップしてご紹介。
ほとんどの作品が何度もテレビ放送されている有名な作品です。
あなたはいくつご存じでしょうか。

①アイ・アム・レジェンド（2007）

ご存じウィル・スミス主演のアクションSFホラー。
劇場版では自らの命を犠牲にし生存者の伝説になったウィル・スミス演じるネビルですが、別エンディングでは生存。

劇場版のエンディングでは単なる怪物として描かれていたダーク・シーカーですが、別エンディングでは意思や思考能力が残されていることが示唆されます。

自分と人類の生存の道を模索するためにダーク・シーカーを捕らえ、実験を繰り返すネビルはダーク・シーカーにとっては脅威であり、彼こそが恐るべき伝説（レジェンド）だった、という劇場版とは180度異なるラスト。
あまり後味が良く無い結末なので、エンタメ大作のエンディングとしてチョイスされなかったのはある意味納得かも。
個人的にはウィットで結構好きです。

②バタフライ・エフェクト(2003)

洋画好きなら知ってるタイムトラベル映画の傑作。

“最も切ないハッピーエンド”と銘打たれた劇場版のエンディングでは、記憶を揺り起こすことでその頃の自分に戻るという能力を持つ主人公・エヴァンが幼馴染で初恋の人であるケイティーを救うため、二人の出会いを最悪のものにして仲が深まらないようにする。

数年後、街中ですれ違う二人。
エヴァンはケイティーのことを知っているが、あえて知らないフリをする。
ケイティーはすれ違った後、エヴァンの方を不思議そうに振り向く。しかし、すぐに前を向いて歩き出す。
書き出しただけでも切ないエンディング。

そんな本作にも別エンディングが存在。
何度過去に戻っても周囲の人が救えないエヴァンが、母親の胎内にいた頃までタイムスリップ。
臍の緒で自分の首を絞めて産まれる前に命を絶つ、という恐ろしいぐらいのバッドエンド。

ストーリー的には伏線も回収されていてよくできているんですけど、どうも観た後の気持ちが良くない。笑
やっぱり劇場版のエンディングが好きですね。

③ダイ・ハード3(1995)

金曜ロードショーで乱発される映画の代名詞。
この作品にも実は別エンディングが存在。

物語後半、爆発するタンカーから何とか脱出したマクレーンとゼウス。
『ゲーム』と生じたテロまがいの行為を仕掛けてくるサイモンたちには逃げられたものの、マクレーンはサイモンの居場所のヒントを掴む。
その後、警官隊を引き連れたマクレーンがサイモンのアジトをヘリで襲撃。
最後は起点を利かせサイモンの乗ったヘリを撃墜し物語は終了、これが劇場版のエンディング。

別エンディングでは、なんとタンカーから脱出したマクレーンがサイモンの協力者と疑われ警察をクビに。
復讐を誓ったマクレーンはサイモンの居場所を突き止め、今度は自分から『ゲーム』を仕掛ける。
復讐の鬼と化したマクレーンは半ば強引にサイモンを『ゲーム』参加させ、反則まがいの方法でサイモンを銃で撃つという、普段の「ダイ・ハード」シリーズとはかけ離れた雰囲気のダークな締め。

マクレーンのキャラを考えると展開もあんまり納得いかないし、変更も真っ当な気がするな。

④エイリアン(1979)

ご存じSF映画の金字塔。

１作目はその後に続くシリーズよりもSFホラーの要素が強いことが特徴的。助けの来ない宇宙船内で、未知の生命体”エイリアン”が乗組員の命を次々と奪っていく。
唯一生き残った主人公・リプリーは脱出艇に乗り込むものの、なんとその中にエイリアンが潜り込んでいた。
エイリアンの存在に先に気付いたリプリーは、気付かれぬように脱出ポッドのハッチを開く。
大気と共に脱出ポッドの外へ追いやられたエイリアンは、ブースターに焼かれて粉々になる…というのが劇場公開版のラスト。

別エンディングでは、脱出ポッドから排出される勢いをものともせずエイリアンがリプリーに襲い掛かり。
なんと、リプリーはエイリアンに頭部を食いちぎられて死亡。
最後は、エイリアンがリプリーの声を模倣し地球に通信を送る…という、何の救いもない超バッドエンド。

プロデューサーの反対で劇場公開版のラストに変更されたようですが、じつに英断。これがなければ超傑作の『エイリアン２』やその後のシリーズが生まれなかったと思うと恐ろしい。

いかがだったでしょうか。
こうして見てみると、採用されなかったエンディングには圧倒的にバッドエンドが多いことがわかりますね。

やっぱ、劇場で公開してヒットを狙うならハッピーエンドなんでしょう。
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」や「セブン」のように、劇場版でめちゃくちゃバッドエンドっていうのは珍しいケースなのかも。

別エンディングが公開されている作品は他にもありますので、気になる人は探してみてはいかがでしょうか。