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20070701 環境問題の本質

 地球温暖化$${^{*1}}$$が進んで北極の氷がどんどん溶けてしまう$${^{*2}}$$。北極の氷が溶けるとホッキョクグマの生息地が縮小$${^{*3}}$$して絶滅してしまうかも知れない。

 そこで「ホッキョクグマさんがかわいそう。みんなで地球温暖化を止めよう」と幼児や児童向けのスローガン$${^{*4}}$$ができてくる。実際にそういうのがあるかどうかはよく探さないと判らないが、似たようなもの$${^{*5}}$$は沢山あるだろう。

 北極にいるのがクマさんではなく、ゲジゲジ$${^{*6}}$$やゴキブリ$${^{*7}}$$だったらどうだろう。ホッキョクゲジゲジやホッキョクゴキブリを守ろうという話になるのだろうか。

 ゲジゲジは見た目が不快なので不快害虫$${^{*8}}$$と呼ばれる。蚊やゴキブリを捕食する$${^{*9}}$$らしいので人間にとって益虫のはずだが、見た目だけで害虫にされている。

 ホッキョクグマは見た目が可愛い。だから取り上げられる。つまり人間中心なのである。環境問題の一番の問題はこの人間中心主義$${^{*10}}$$だろう。真の環境問題を訴えるのならば、人間の活動によって自然の均衡が崩れたことを主眼としなければならない。希少生物が絶滅することだけが問題ではない。ホッキョクグマもゲジゲジも同じ生物であり、同じ地球の住人であることから教えなければ根本的な解決につながらないだろう。

 しかしこれは無理な話で、やはり地球は人類のためのものなのである。それが大前提で人類の歴史が築かれてきた。今さらこれを否定することはおそらく不可能だろう。成長の限界$${^{*11}}$$は近いかも知れない。一方、地球温暖化は人類の活動が原因$${^{*12}}$$なのかどうかはよくわからない。本当に問題ならば「かわいいクマさんがかわいそう」程度では全く間に合わない。

*1 20051123 亀の冬支度(4)
*2 地球温暖化の影響と北極/北極海氷減少は地球温暖化によるものか
*3 WWFの「ホッキョクグマ衛星追跡プロジェクト」:WWFの活動/WWFジャパン
*4 20030224 スローガンとモットー
*5 コラム:温暖化としろくま
*6 20011112 ゲジゲジ
*7 20040520 ナメクジとゴキブリ
*8 個別ページ:ゲジ
*9 名古屋市:ムカデ・ゲジについて(暮らしの情報)
*10 20060720 コンゴツメガエル
*11 EICネット[環境用語集:「成長の限界」]
*12 Intergovernmental Panel on Climate Change<

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