yyy

本や映画、海外ドラマの感想、観たドキュメンタリーなどを備忘録として書き留めています。 …

yyy

本や映画、海外ドラマの感想、観たドキュメンタリーなどを備忘録として書き留めています。 最近の記事はこっち→ https://yyy1994.hatenablog.com

最近の記事

海外ドラマ「マクドナルド&ドッズ〜窓際刑事ドッズの捜査手帳〜」Season1

原題 McDonald & Dodds 製作 ITV 製作年 2020 キャスト ジェイソン・ワトキンス、タラ・グヴェイア他 評価(10段階): ★★★★★★★★☆☆ イギリス、バースが舞台のミステリー。 歴史ある、例えるならフィレンツェやコンスタンティノープルのような街らしい。 そんな歴史ある街バースに、ロンドンからやってきたローレン。 彼女を補佐することになったのは捜査からは11年遠ざかり、毎年早期退職の声がかかるようなドッズ。 1話90分と長めながら、ローレンとド

    • 読書記録「猫だましい」河合隼雄著

      新潮文庫 2002 心と体を分けることで見えにくくなった現代。その間にある、居場所を失った「たましい」について、猫を描いた物語を通して考察した一冊。 紹介されるのは日本や外国の小説から日本の昔話、絵本までさまざま。 冒頭、猫マンダラで表されている猫の多義性。 古代エジプトでは神だったり、西洋では悪魔の使いと考えられたり、癒やしの存在だったり、はたまた化けて出たり。 面白かったのはコレットの"雌猫"と谷崎潤一郎の"猫と庄造と二人のをんな"。 どちらも男のほうが、猫と愛とも

      • 読書記録「パルムの僧院」(下)スタンダール著、大岡昇平訳

        新潮文庫 1951 とにかく怒涛の展開の後半。 (以下ネタバレ含む。) ファブリスの入牢からそこでのクレリアとの出会い、そして侯爵夫人が手を尽くしての脱獄、大公の死、新たに即位した大公の公爵夫人への恋。 そこからのファブリスの失意の日々とクレリアとの再会に密会、更には子供の誘拐と続いてクレリア、ファブリス、そして公爵夫人の相次ぐ死とともに急に物語は終わる。 クレリアと会えなくなるくらいなら死ぬほうがマシとばかりに脱獄を拒否し続けるファブリス。クレリアの願いを聞いて脱獄

        • 映画「グリーンブック」黒人ピアニストとイタリア系運転手との南部ツアー旅

          原題 Green Book 公開年 2018 製作国 アメリカ 監督/制作/脚本 ピーター・ファレリー キャスト ビゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ、リンダ・カーデリニ他 評価(10段階): ★★★★★★★★☆☆ 映画の舞台は1960年代。 実話をベースに、黒人ピアニストと彼に雇われたイタリア系の運転手の、ディープ・サウスと呼ばれる地域での演奏ツアーの日々を描いた作品。 タイトルの「グリーン・ブック」は、1937-67年まで出版されていた、黒人のためのガイドブック。

        海外ドラマ「マクドナルド&ドッズ〜窓際刑事ドッズの捜査手帳〜」Season1

        • 読書記録「猫だましい」河合隼雄著

        • 読書記録「パルムの僧院」(下)スタンダール著、大岡昇平訳

        • 映画「グリーンブック」黒人ピアニストとイタリア系運転手との南部ツアー旅

        マガジン

        • 読書メモ
          96本
        • 海外ドラマ感想
          61本
        • 映画感想
          73本

        記事

          読書記録「何も起こりはしなかった-劇の言葉、政治の言葉」ハロルド・ピンター著

          喜志 哲雄訳 集英社新書 2007 第一部はノーベル文学賞受賞記念講演。 第二部は世界情勢についてハロルド・ピンターが寄稿した文を集めてある。 第三部は対談が数本。 特に世界情勢について語った部分は内容が被る部分がかなりある。 ニカラグアでのアメリカの行為に言及し、アメリカを厳しく批判する部分がほとんどと言っても良いくらい。ニカラグアについてはピンター自身が関わったこともあるようだ。 それでも、アメリカにこういう物言いをするのは日本ではなかなか読むことの出来ない視点で興味

          読書記録「何も起こりはしなかった-劇の言葉、政治の言葉」ハロルド・ピンター著

          読書記録「漂流日本左翼史 理想なき左派の混迷1972-2022」池上彰・佐藤優著

          講談社現代新書 2022 新左翼で終わったイメージのある それだけではない部分が取り上げられていて興味深かった。 その労働運動も徐々に大衆の支持を失っていくことになる。 そこにはもちろんソ連崩壊という背景もある。社会党に関しては一部をパージしていった結果ともいえる。 一方でマルクス主義以外で人気を集めたとして少し紹介されていた吉本隆明の説明。さすがにわかりやすかった。 現在の左翼の状況はまさにタイトルにある通り「理想なき左翼」。 人は大きな物語、理想に惹かれてついてゆ

          読書記録「漂流日本左翼史 理想なき左派の混迷1972-2022」池上彰・佐藤優著

          読書記録「パルムの僧院」(上)スタンダール著、大岡昇平訳

          新潮文庫 1951 とにかく時代背景が難しい。 舞台はオーストリアとフランスの間で揺れ動くイタリア、パルム公国。 更にはイタリア統一前なので、ちょっと隣にいけば違う国に恭順を誓っていたりするからややこしい。 主人公はデル・ドンゴ侯爵の次男として生まれたファブリス。 そしてもう一人、ファブリス叔母の侯爵婦人。凛色家の侯爵の代わりにファブリスの面倒を見る中で、彼を出世させようと目論んでゆく。 デル・ドンゴ侯爵はオーストリア贔屓だが、息子であるファブリスはその熱しやすい性格も

          読書記録「パルムの僧院」(上)スタンダール著、大岡昇平訳

          映画「おかえり、ブルゴーニュへ」ワイナリーの子供たちの人生模様

          原題 Ce qui nous lie 公開年 2017 製作国 フランス 監督 セドリック・クラピッシュ キャスト ピオ・マルマイ、アナ・ジラルド、フランソワ・シビル他 評価(10段階): ★★★★☆☆☆☆☆☆ ひたすら美しいブルゴーニュのワイン畑。 それだけで見入ってしまう。 冒頭は印象的な独白から始まる。 父が危篤だという知らせを受けて10年ぶりに故郷に戻ってきた長男のジャン。 故郷ではワイン造りを続ける妹のジュリエットと、養子に入ってワイン造りを学ぶジェレミーが待

          映画「おかえり、ブルゴーニュへ」ワイナリーの子供たちの人生模様

          読書記録「天平の甍」井上靖著

          新潮文庫 2005 連載は中央公論社から1975年。 第9次遣唐使で唐へ渡った2人の僧、普照と栄叡をメインにした物語。 阿倍仲麻呂以外の遣唐使も、一度渡れば20年近く唐にいたということを知らず、驚いた。 それだけ長い年月を過ごせば、個々の進む道は大きく違ってくるだろう。 一緒に海を渡った仲間でも早々とホームシックになる玄朗のような僧もいれば、留学僧としての立場を捨てて唐を隅々まで見てまわり天竺を目指そうとする戒融のような僧もいる。 現地で妻を得る玄朗のような僧もいたに違

          読書記録「天平の甍」井上靖著

          海外ドラマ「アストリッドとラファエル〜文書係の事件簿」Season 1

          原題 Astrid et Raphaëlle 製作 フランス 製作年 2020 キャスト サラ・モーテンセン、ローラ・ドヴェール、ベノワ・ミシェル他 評価(10段階): ★★★★★★★☆☆☆ NHKで放送されていたフランスの刑事ドラマ。 文書係で犯罪心理学者で自閉症のアストリッドと刑事ラファエルとのコンビ。 部下のアルチュールや解剖医のフルニエ、自閉症友の会のウィリアムなど、脇を固める個性的な登場人物が魅力的なのも面白いところ。 アストリッドが買い物に通うタナカさんの店や

          海外ドラマ「アストリッドとラファエル〜文書係の事件簿」Season 1

          映画「われらが背きし者」ロシアンマフィアの亡命劇に巻き込まれる大学教授

          原題 Our Kind of Traitor 公開年 2016 製作国 イギリス 監督 スザンナ・ホワイト 原作/制作総指揮 ジョン・ル・カレ キャスト ユアン・マクレガー、ナオミ・ハリス、ダミアン・ルイス、ステラン・スカルスガルド他 評価(10段階): ★★★★☆☆☆☆☆☆ 原作はジョン・ル・カレ。 スパイものといっても、冷戦時代とは違うのでテーマはロシアンマフィアやマネーロンダリング。 ストーリーは至って地味なのだが、モロッコからパリ、ベルン、フレンチアルプスと舞台が

          映画「われらが背きし者」ロシアンマフィアの亡命劇に巻き込まれる大学教授

          読書記録「法隆寺の智慧 永平寺の心」立松和平著

          新潮選書 2003 法隆寺の智慧著者が承仕(法隆寺の最下級の僧侶)として修行を行うという金堂修正会。 こればかりは縁なのだと書いているけれど、どうしたら承仕になれるのかやっぱり知りたいところではある。 始めて知った吉祥悔過。吉祥天に過ぎたことを懺悔するらしい。懺悔というのもキリスト教だけのものかと思っていた。 高野山のサイトに簡潔な説明があった。 自分たちが真理に到達すれば良いという小乗に対する改革運動として生まれた大乗。 聖徳太子が通ったという。瞑想と生活の場である

          読書記録「法隆寺の智慧 永平寺の心」立松和平著

          読者記録「戦争と天皇と三島由紀夫」保坂正康・半藤一利・松本健一・原武史・冨森叡児著

          朝日文庫 2005 保阪氏と、相手を変えて4人との対談がおさめられた一冊。終戦から65年である2005年の本。 以下、目次。 半藤一利×保阪正康「昭和の戦争と天皇」 松本健一×保阪正康「二・二六事件と三島由紀夫」 原武史×保阪正康「昭和天皇と宮中祭祀」 冨森叡児×保阪正康「戦後日本を動かした政治家たち」 最初の半藤一利氏との対談で面白いと思ったのが昭和天皇が軍の統領としての大元帥としての天皇と、立憲君主としての天皇という2つの役割を認識し、はっきりと使い分けていたという

          読者記録「戦争と天皇と三島由紀夫」保坂正康・半藤一利・松本健一・原武史・冨森叡児著

          読書記録「ヴィトゲンシュタイン家の人びと-闘う家族」アレグザンダー・ウォー著

          塩原通緒訳 中公文庫 2010 哲学者で有名なルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン。ルートヴィヒの兄弟についての一冊。 表に出る程度は違っていても、一家みな精神的に問題を抱えていて人間づきあいが上手くない。副題にあるように、まさにみなが闘っている。 時は世紀末のウィーン。 鉄鋼業で財を成したカール・ヴィトゲンシュタイン。彼は芸術のパトロンでもあり、家にはブラームスやヨハン・シュトラウス、更にはクリムトなども出入りする。 そんな家に生まれた9人の子供たち。 著者は音楽批評家

          読書記録「ヴィトゲンシュタイン家の人びと-闘う家族」アレグザンダー・ウォー著

          読書記録「ナチが愛した二重スパイ 英国諜報員「ジグザグ」の戦争」ベン・マッキンタイアー、高儀進訳

          白水社 2009 二重スパイ、ジグザグことエディ・チャップマンについての一冊。 翻訳がちょっと古くていかにも直訳であるのと、チャップマンという主人公が掴みにくい人物なのとで、面白みにかけた印象。 ロンドンの大悪党だったが戦時中は英国に忠実なスパイとなり、戦争が終わればまた元の世界に戻ってゆく。まさにジグザグといえる人生。 チャップマンは直接会った人でなければ分からない魅力があるのではないだろうか。英国側のスパイマスターたちも何故だか惹かれていったような様子がある。 しかし

          読書記録「ナチが愛した二重スパイ 英国諜報員「ジグザグ」の戦争」ベン・マッキンタイアー、高儀進訳

          映画「胸騒ぎの恋人」同じ男性を好きになった男女の恋模様

          原題 Les Amours Imaginaires 公開年 2010 製作国 カナダ 監督 グザビエ・ドラン キャスト モニア・ショクリ、ニールス・シュナイダー、グザビエ・ドラン他 評価(10段階): ★★★★☆☆☆☆☆☆ 同じ男性を好きになった友人2人のはなし。 (以下ネタバレ含む。) フランシスとマリーが好きになったニコラ。ニコラは2人のことを恋愛的な意味で興味がないのが観ていてなんとなく伝わってくるので三角関係とはちょっと違うのかもしれない。 自分だけが意識して

          映画「胸騒ぎの恋人」同じ男性を好きになった男女の恋模様