初日の出
空の玉手箱がひらくと
雲の煙がみるみるあふれ
白き光がみるみるみちて
おおきな富士の頂きに
うつくしき珠の姿
垂れた光の帯が
山肌を漆黒に染め上げ
輪郭を浮かび上がらせる
数多の光の矢が
新年を祝福するように一斉に解き放たれて
草木を目覚めさせ
湖をかがやかせ
やがて太き黄金の腕へと変わり
ぐんぐん空を押し上げる
私と目が合うと
この小さな心も
やわらかく押し広げた
あおい湖面で光がはねる
富士からつづく白き道が
ゆらめいて白き影となり
見事な白龍が姿をあらわす
うねりながら湖をはなれ
あおいあおい空へと
光あふれる空へと
昇っていった