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ダイエットの基礎知識#5 栄養は赤・黄・緑の3色で把握する

ごきげんよう、柚木ロマです。
今日はダイエットに関して、より原義に近い食事に関する基礎知識として栄養をどのように捉えるのかについてお話したいと思います。

ただ痩せるだけなら、単純に食べなければよいのですが、そうすると健康を損なったり、反動から食べ過ぎてリバウンドしてしまったりといろいろな弊害があることはよく知られています。

「痩せる」と言ったときには、多くの場合「(健康的に)痩せる」ということが前提となっていますね。そして、健康的に痩せるためには、「食べる」ことが欠かせない。
では、何をどう食べると痩せるのでしょうか?

普遍的な事実として、人間は【雑食性の動物】ですから、様々な栄養素を含む様々な食材を摂る事がその健康のためには必要となっています。

牛や羊やウサギのように植物性食品ばかりを食べていてもダメだし、ライオンやトラやワニなどのように動物性食品ばかりを食べていても病気になります。
(※ただし、腸内細菌のバランス次第では植物食でも健康に生きられます)

さてさて、では何をどう食べるのか?
健康的な食事を一言でいえば【バランスのよい食事】と言えます。

食事のバランスと言えば、農林水産省が掲げる「食事バランスガイド」が日本では最も有名な目安になるんじゃないかと思います。

(出典)https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/kakudaizu.html

これ、皆さん1度は見たことあるんじゃないかな。
家庭科の授業で見たとか、健康志向の食堂などに貼ってあるのを見かけたりしますよね。

でも、これを基準に食事について考えたりしている人って、たぶん栄養学を勉強している人、または栄養学に基づく食事管理を仕事にしている人ぐらいなんじゃないかな。

とはいえ、これけっこう合理的ですっごくよくできた図なんですよ。

これを頭に入れてちゃんと献立を考えれば、本当にバランスのよい食事になると思います。
でも、これなんかわかりづらいというか、覚えづらいというか。
使いづらいというか・・・。

その理由は食事のメニューについて、ざっくりと分類しているからです。

これはね、例えば「サラダチキンの乗ったサラダ」って、主菜?副菜?
「お野菜たっぷりのカレーライス」は?
「肉まん」は野菜もお肉も使うけど、ふかふかの皮の部分は小麦粉だよね?どこに入れればいいの??

という感じに、どこにハマるのかよくわからんものも、たくさんある。

そこで、メニューを分類するんじゃなくて「食材・食品をざっくり栄養で分類」したらいいんじゃないかと考えました。

しかも、わかりやすく覚えやすいように3つに。
では、その3つについて以下に詳しくしてみましょう。

その①:タンパク質多め食材・食品→【赤】肉・魚

お肉やお魚、大豆などの高タンパク質な食品を【赤】とします。

鶏肉、牛肉、豚肉、お魚、大豆、その他なんでもお肉系。
これらが【赤】です。

タンパク質は、身体を作る基本的な構造体です。
髪も爪も、皮膚も筋肉も、脳もタンパク質でできています。

タンパク質は、アミノ酸というもっと細かい部品からできています。
レゴのブロックみたいに、いろんな種類があるアミノ酸が複雑に組み合わさって髪や、爪、皮膚、筋肉、脳などの臓器という様々な形態や役割を持った器官を形成しています。

ここまで、よいでしょうか。
人間の身体の中では、食事で得たタンパク質を消化してアミノ酸に分解し、それらを材料にしていい感じにタンパク質を合成するということを繰り返しています。

そしてアミノ酸には、「必須アミノ酸」と呼ばれる数種類のアミノ酸があります。これは人体が合成・生成できないアミノ酸たちのことです。
言い換えると、食事によって絶対に補わなければならないアミノ酸が「必須アミノ酸」です。
つまり、必須アミノ酸を食事から摂らなければ、身体を作る部品が不足してしまうことになります。

これは、特に女性ダイエッターと栄養学に興味のないダイエッターがハマりがちな罠なのですが、「痩せるために野菜ばっかり食べる!」という方法を選択すると、たちまち「タンパク質不足(=アミノ酸不足)」に陥って、いろいろな体調不良につながるので、けっこう怖いです。

たとえば、大規模災害などが起きて十分な食事の確保が難しくなると、「タンパク質不足」の栄養失調がとても心配になります。なぜなら、タンパク質が不足すると免疫機能が低下して、病気にかかりやすくなるからです。特に避難所などで集団で過ごす場所で、風邪などが流行しやすくなってしまうことを避けるために、タンパク質の確保は重要となってくるのです。

話を戻しましょう。

健康的に痩せたいダイエッターなら、絶対に確保したい栄養素がタンパク質であり、このタンパク質が多い食べ物は【赤】だと認識するとよいと思います。

その②:エネルギー源になる栄養多め食材・食品→【黄】脂質・糖質

次は、エネルギーのもとになる栄養素。脂質と糖質。
これらを多く含む食材は【黄】です。

多くの人が太る原因になる食材が【黄】です。
食事バランスガイドの主食に相当するものが【黄】です。
小麦製品、お米製品、揚げ物、油脂、それらまとめて【黄】です。

よく、ダイエッターの間で「糖質制限がいいの?」「脂質制限がいいの?」みたいな議論が起こることがあるのですが、両方とも【黄】なので、「どっちも減らせばいいじゃない?」と思います。

痩せたい人は【黄】のものは極力減らし、太りたい人は【黄】のものを積極的に取りましょう。

脂質・糖質を両方多く含むもの、脂質を多く含むもの、糖質を多く含むもの、全部【黄】に入れます。

ポテトチップスは糖質と脂質と両方多いので【黄】です。
ショートケーキも糖質と脂質と両方多いので【黄】です。
いちご大福は脂質はないけど糖質は多いので【黄】です。
ナッツ類は糖質は少ないけど脂質の含有量が多いので【黄】です。
ベーコンは一見【赤】に見えるけれども脂質含有量が多いので【赤】ではなくて【黄】です。

脂質・糖質がどれくらい多いかは、栄養成分表の100gあたりのカロリーを見ればわかります。
100gあたりのカロリーが300kcal以上あれば【黄】です。
小麦粉がだいたい300kcal/100gですから、それ以上であれば【黄】です。

300kcal/100g以上であれば、エネルギーになる食材・食品と覚えればOK!
簡単ですね♪

その③:体を整える栄養が多め食材・食品→【緑】野菜・海藻・キノコ

最後の【緑】の食材・食品は、身体の代謝を助けてその機能を調整するビタミン、ミネラル、食物繊維の多いものが【緑】です。

特徴として挙げたいのは「カロリーが低くて食物繊維が多い」ということ。
「カロリーが低い」と言った場合の目安ですが、ざっくりと100gあたり50kcal未満と考えてもらったらいいと思います。

ほとんどの野菜と海藻とキノコが該当すると思います。

食物繊維は、昭和の終わりくらいまでは「栄養学的にはカロリーも低くて価値のないもの」とされてきました。
しかし、研究が進んで近頃では特に「排出」という機能に重要な役割を果たすことが明らかになっています。
たとえば、便秘がちな人に「食物繊維をたくさんとるとよい」というアドバイスをしているのを見たことがあるのでないでしょうか。

食物繊維には、不溶性と水溶性の2つのタイプがありますが、不溶性の食物繊維は腸内の廃棄物質(ゴミ)を吸着して便のカサを増やしスムーズな排便をサポートすることが知られています。
(※ただし、効果を得るためには十分に水分を取っている必要があります。)
水溶性の食物繊維には、余分なコレステロールなどを吸着して体から排出させる機能が知られています。

また、特定保健用食品として登録されているものの中には、「食物繊維を添加することで糖質の吸収を抑える」とされているものもあります。

食物繊維には、糖質の吸収を抑える、老廃物や不要なコレストロール等の排出を助ける、などいろんなメリットがありますので、全人類にとって積極的にとりたい栄養素になっています。

痩せたいのなら、食物繊維を多く含む食品をしっかりとって、また食物繊維自体もうまく活用できるとよいのではないかと思います。
前述のトクホに入っている食物繊維ですが、「デキストリン」とか「イヌリン」などの具体名で調べれば、インターネットで購入可能です。
飲み物やスープ・お味噌汁などに自分で添加することもできます。

【緑】の食品が持つ、ビタミンやミネラルなどはもちろん摂らなければならない栄養ですが、それらをサプリメントだけで摂ろうとすることは、食物繊維の確保の観点から効率的とは言えません。
ビタミン・ミネラルを摂ろうと思って、「サプリメントがあるから野菜食べなくていいよね?」という食生活になると、圧倒的に食物繊維が不足してしまいます。
食物繊維を摂るためには【緑】のものを積極的に食べる必要がありますが、そうすると【緑】のものに含まれるビタミン・ミネラルも自然に摂ることができます。
これは栄養の摂取法としてはとても効率的ということができるでしょう。
いろんな種類の食材を食べることのメリットでもありますね。

ちなみに、食物繊維をサプリメントで摂るのはけっこう難しくて、その理由は2つあります。1つは精製された食物繊維の価格が高いこと、もう1つは味がマズいこと(特に不溶性食物繊維)です。
不溶性の食物繊維は、「小麦ファイバー」「ソイファイバー」「オート麦ファイバー」などで検索してもらえれば、どんなものかがわかると思います。

まとめ

食べるもの、食材・食品を簡単に3つに分類して捉えることで、自分が何をどれくらい食べるか簡単に把握することができます。
この3分類の各色のより具体的な分類の基準と活用法については、また稿を改めて扱いたいと思います。

ヘッドの画像にある通り、

【赤】タンパク質多め:肉、魚、大豆、練り物(魚肉加工食品)など
【黄】糖質・脂質多め:米製品、小麦製品、揚げ物、お菓子など
【緑】カロリー低め:野菜、キノコ、海藻など

これを基本に覚えていただければと思います。
なんとなくのイメージで、ざっくりでかまいません。
この分類の特徴は、実は「厳密ではない」点にあるのです。
(詳しくは別に書きます。)

痩せたい場合には、きちんと【赤】を摂りつつ、【黄】を減らし、【緑】を増やすようにします。
つまり、タンパク質を確保しながらカロリーを減らす、ということになります。

カロリーをカットしたいからと言って、【赤】を切り捨てたり、【緑】しか食べないでいると、免疫力などを低下させて体調不良を招くので注意してください。

【赤(維持)】・【黄(減少)】・【緑(増加)】を意識した食事&おやつに変えていくと、たぶん先に出てきた「食事バランスガイド」にあるバランスに自然と近くなると思います。

まずは、自分の食べるものが、食材でも食品でも【赤】【黄】【緑】のどれかな?と考えながら選ぶところから始めてみるとよいでしょう。

参考になったら幸いです。
ここまで長くなりましたが読んでくださってありがとうございました。

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