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三鷹古典サロン裕泉堂/吉田裕子
2021年4月12日 12:44
春爛漫の四月号(注:本コラムは結社誌四月号に掲載)である。今回は「朧月(おぼろづき)」を見てみよう。現存最古の歌集、『万葉集』にはこの語は登場しない。春の月を詠んだ和歌も、春霞たなびく今日の夕月夜清く照るらむ高松の野に(巻十、読人しらず)と照り輝く月を詠んでいる。唯一、うちなびく春を近みかぬばたまの今夜の月夜霞みたるらむ(巻二十、甘南備伊香(かんなびのいかご))とい
金子つとむ
2021年3月29日 05:07
百十三、舌頭に千転の効用四十九話で、舌頭に千転する効用は、表現を練り、普遍性を獲得することではないかと述べました。実際は、普遍的な句が簡単にできるわけではありませんが、ここでは、もう一つの効用について述べてみたいと思います。それは、何度も読み返すことで変わるのは、作者のこころの状態ではないかということです。特に自信作が出来た場合などは、有頂天になっているはずです。それはいわば興奮状態。そこから
小柳とかげ
2021年3月31日 23:33
あぜ道のてんとう虫湧くところ駆け込み乗車退避スペースの春車窓より均一の若葉一瞬青空に散った桜返り咲く木の芽時新入生の列長く春眠か肩の温かみ振りほどき