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【本】『もう一度読みたい教科書の泣ける名作』

 なんとなくAmazonの書籍ページを見ていて、タイトルはありがちだけど、水彩画風の大変可愛らしい「ごんぎつね」のイラストに惹かれて購入したGakkenの『もう一度読みたい教科書の泣ける名作』(2013)。

 本のコンセプトとしては、学び直し的要素も含みながら、教科書掲載時の学習内容なども掲載され、なんとなくノスタルジーにも浸れる内容です。作品は「ごんぎつね」「やまなし」「手袋を買いに」など、タイトルはよく覚えているものも多く16篇の収録。

 教科書の収録時期は様々な世代にリサーチの上選定しているようで、当然教科書として読んだことの無い作品もある中、フランク・R・ストックタンの「きみならどうする」というタイトルが気になり読んでみました。

 登場人物は人間の親子(父と小さな息子)、鹿の親子(父・母・子)のみ、人間の親子は狩りをして暮らしているような自然豊かな土地で生活をしている。物語で書かれたこの日は子供にはじめて鹿を撃ち取らせようとする記念すべき日になるだろう、という父親目線、緊張感漂う中獲物である鹿を銃を構え待ち続ける少年。その前に現れた鹿の親子が愛情たっぷりに生きる為の教育をする様子が写実的に描写され、物語が進んでいきます。

 タイトルが表す通り、この人間の子供はこの後「どうする」のか、美しい自然の景色が眼に浮かぶような表現と、緊張感が漂う、人と獲物という関係性がどのように物語として進むのか。短編ながら道徳的な考えや、様々な視点で考え、意見が交換できるような内容でした。


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