【今でしょ!note#142】サービスレベルが下がったラーメン屋
いかがお過ごしでしょうか。林でございます。
職場の近くに、最近サービスレベルが極端に下がったと感じたラーメン屋があります。正確には、そのラーメン屋自体は以前から変わっていませんが、私が他のサービスレベルに慣れてしまって、相対的に下がったと感じています。
今日は、飲食店がサービスレベルを維持していくために最低限必要だと感じていることと、ラーメン屋における自身の体験から、改めて世の中の変化を捉えて自分に投資してアップデートし続けていくことの大切さについてまとめておきます。
サービスレベルが下がったと感じるポイント
サービスレベルが下がったと感じるポイントは、ずばり「とにかく待たされること」です。
お店に入ったら、空いている席があるにも関わらず、「外でお待ちください」と乱暴に言われて、入った瞬間に外に立たされます。
先日まで寒い日も多かったため、この時点で「他の店にしようかな」と感じさせられます。
そして、5〜10分外で待ち、席に案内された後、メニューと水を置いて店員さんは一旦席を離れます。
ラーメンを選んでオーダーしようとするも、なかなか店員さんが捕まりません。
そもそも、全体でカウンター席が6つ、2人席8つ、4人席が5つほどあるので、全体で50人弱のキャパの店です。
それに対してホールの店員さんが常時2人しかいないので、まずは近くの席に来るタイミングを待ち続けないといけません。
当然、他にも注文したいお客さんがいるので、「すみません」の取り合いになります。
店員さんはあちらこちらに呼ばれて忙しそうにしているので、ようやく気付いてもらったとしても「少々お待ちください」となり、また待ち時間が発生します。
注文がしたいだけなのに、店員さんのタイミングを見計らって、忙しそうにしている店員さんに気を遣い、他のお客さんと店員さんの取り合いをしないといけないのです。
そして、ギョーザが2種類あったので何が違うのか尋ねたら、「こちらは普通のギョーザ、もう1つは当店オリジナルのギョーザです」との回答。
味の違いを知りたいのに、この説明は説明になっていないな、、と内心感じながらも、店員さんがとにかく忙しそうなので、それ以上聞くことを諦めて、よく分からないまま「当店オリジナルのギョーザ」を頼みました。
味は悪くないのですが、ラーメンが出てくるまでまあまあ待たされ、店員さんが2人しかいないので、当然お会計も待たされます。
とにかく、終始「忙しそうにしている店員さんに気を遣ってタイミングを見計らって、とにかく待たされる」体験を味わうことができます。笑
なぜ下がったと感じたのか
そのラーメン屋は、何年も前からあり、以前は「とにかく待たされて、店員さんに気を遣う店」という印象は全くありませんでした。
単純に店員さんの数が多かったのかもしれませんし、店員さんの教育がしっかりしていて、接客スキルが高かったのかもしれません。
でも、1番の要因として感じるのは、「自分がより便利なサービスを知ってしまったから」というように感じます。
例えば、先日訪問したオーストラリアでは、入る店の半分以上の店が各席でモバイルオーダーできました。
先週末に訪問した、最近出来た近所のいい感じのカフェもモバイルオーダーがデフォルトになっています。
店員さん一人あたりで対応しないといけないお客さんの人数は、ラーメン屋もモバイルオーダー導入店舗もあまり変わりません。
しかし、店員さんにとって、「各席で個別に毎回オーダーを受けてキッチンに伝える」という作業がなくなるだけで、かなり負担が軽減されるのではないでしょうか?
お客さんにとっても、注文するために店員さんの居場所を確認して、近くに来た時に声をかけられるようにスタンバイする必要がありません。店員さんの注文聞き取りミスも減らせるはずです。
店員さんは、各席を回ってオーダーを聞き回る必要がないため、基本的にはすぐに声をかけられる場所にスタンバイしてくれています。
そのため、「子どものミルクを作るためのお湯が欲しい」「子ども用のお皿とフォークが欲しい」みたいなリクエストについても気を遣わずに声を掛けられます。店員さんも心に余裕があるので笑顔で対応してくれ、結果として「いい感じの接客だな」「子ども連れでも入りやすい店だな」と感じられ、顧客満足度も上がります。
日本ではあまり見ませんが、オーストラリアで訪れた飲食店の半分以上は、モバイルオーダーをしてそのままキャッシュ決済まで即時で完了できます。
そのため、店を出る前に列に並んでお会計をする必要もありません。
店員さんは、お会計の対応をしなくて良いため、より個別リクエストにだけ対応すれば良くなります。
考えてみれば、飲食店で一人のお客さんを相手にするのに「席に案内する→水とメニューを出す→注文を聞く→料理を出す→食べ終わったお皿を片付ける→お会計をする」という毎回発生するプロセスを、人が全て対応するほうが非合理的です。お客さんが来るたびに、一連のプロセスを回す必要があります。
基本的なプロセスは極力人を排除して、オリジナルギョーザの魅力を伝えたり、子ども連れの個別対応に応じるといった人がやることで付加価値が高まることに、貴重な人のリソースを投入したほうがいいですよね。
一人あたり待ち時間を減らせるということは、お店の回転率を上げることができる、すなわちお店の売上アップに直接的に効果もあります。
アップさせた売上からモバイルオーダー決済に投資することで、従業員にもより高い賃金が払えていい人を集めやすくなり、顧客満足度も上がり、さらにお店のバリューアップに繋がるという好循環を生み出せるはずです。
生産労働人口が今後も減少に向かい、ますます供給不足が深刻になる中で、少ない人数でも顧客満足度を高めていくための知恵を絞ることは、さらに重要になっていきます。
自分を振り返る
この体験をアナロジーで考えると、飲食店だけでなく、自分自身にも適用できる考え方です。
つまり、現代において、モバイルオーダーを導入できずに、全てを人海戦術で対応しようとするお店は、変化する社会の中で自分自身の考え方や生き方をアップデートしていない個人と同じということです。
自分自身は変わっていなくても、周囲の人が新しい考え方を取り入れたり、より付加価値が上がる行動を取ることで、相対的に自分の価値が劣化し評価も下がっていきます。
自分の売上=収入を自分に投資して、仕事のアウトプットの質を高めてより収入を高めていくような、人生における稼ぎの好循環を生み出していくことが大切ですね。
ひたすら注文を聞き回り、頑張っているのにお客さんの満足度は下がり、より疲弊する店員さんになりたい人はいません。
常に仕事のやり方をアップデートして、より自分でないとできない仕事、自分がやることで高いパフォーマンスが出せる仕事に、貴重な自分の時間を投入していきましょう。
それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
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