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好きなバンドの曲を聴きながら、噛み締めた幸せと決意の話

サニーデイサービスというバンドのライブに久しぶりに行った。前回行ったときはまだ制限がたくさんあって、行儀良く並べられた椅子に腰掛けて、声も出さず手拍子だけで気持ちを表現していた。今回は好きなだけ歌い、好きなだけ踊り、好きなだけ声を出して笑った。バンドのボーカルの曽我部さんが「最高だねえ」と笑った。

気持ちよさそうに演奏する彼らを見て、歌うことが、奏でることが、好きなのだと思った。音楽を、メンバーを、ファンを、愛しているのだということが伝わってきた。好きなことを仕事にしていていいな、と思うと同時に、あ、わたしも好きなことを仕事にしているじゃないか、と気が付いた。だからか、いいなと思ったとき、嫉妬の気持ちは生まれなかった。うんうん、いいよね、分かる、という気持ちになった。

こんなに当たり前のように自分が好きな仕事をしているということに気づけたのは、初めてに近いことだったような気がする。深く考えることもなく、当然のようにそう思えた。好きなバンドを見ながら、自分の仕事を愛せていることに気づいたそのとき、わたしは本当に幸せだった。

でもずっと、好きなことを仕事にするというこはとても怖いことだと思っていた。「仕事と好きなことは違う。」というアドバイスをよく受けた。「好きなことを仕事にした結果、好きなことが好きじゃなくなった。」という体験談を聞いた。どれもわたしを脅そうと思って言ったわけじゃないと思うし、本当のことだとも思う。

わたしは、旅を仕事にしてしまっていいのだろうか、と迷った。旅を好きじゃなくなってしまったらわたしは一体、どうなってしまうのだろうか。好きなものが世界からひとつ消えることは、わたしにとって恐怖だった。

でも結局、仕事をするにはエネルギーがいるし、エネルギーは好きなことに起因して湧いてくる。わたしの場合はだけど。1日8時間も働くんだから。その間好きなことのために頑張るしか頑張る手段はなかった。学生の頃、嫌いな数学の勉強も化学式覚えるのも、頑張ったんだから、もう好きなこと選んでいこうぜと思ったのだ。

もちろんまるっと全部の仕事を愛せなくてもよくて、(わたしも苦手な業務がたくさんある)その先にあるものをとことん愛せていれば、それできっと大丈夫。とにかく今思うのは、好きは最強だということ。

仕事は手段でしかなくて、もっと他の事を実現するためにお金を稼ぐためのものだという捉え方も理解ができる。それもいいよね、でっかい夢があるということ。夢もいい。夢も最強だ。

サニーデイサービスの演奏を聴きながら、夢を追いかけて、好きにこだわってきた人の姿がわたしの理想だと確信した。わたしはいつまでも、世界から旅がなくならないように生きていくし、一生読書をするし、言葉を綴り続ける。旅人であり、表現者であり続ける。そう決めた。

これからわたしはきっといろんな仕事をするし、たくさん迷う。やりたいことがありすぎて楽しみで、そしてちょっと怖い。でも、何を選んで生きていくのかもうちゃんと分かってる。

最高の夜だったな。渋谷の夜の、小さなライブハウスでのできごと。忘れないように書きました。

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