唯麗 ユウリ

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ニーチェ「孤独の価値の哲学」

ニーチェが書いた『ツァラトゥストラ』は、どんな哲学書や宗教書よりも高貴な書物です。 もし世界の宗教を統一して一つの世界宗教を作るとするならば、この『ツァラトゥストラ』を正典にするのが相応しいと思います。もちろん、『反キリスト者 キリスト教への呪詛』などという本を書いたニーチェ自身が、世界宗教を望むはずがありません。しかし、正典でないにしても、『ツァラトゥストラ』は「人類の教科書」として学校で教えるべき書物だと思います。そして、この書物を学ぶ者は「貴族の学校」の生徒になるので

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    • ニーチェとユングと錬金術師 第二の現実と二重見当識

      ニーチェやユング、錬金術師は、この現実とは別に、第二の現実(第二の客観的世界)や高次の現実を見ていました。彼らは空想の世界に生きていたのではなく、しっかりと現実の世界に生きていました。けれども、もう一つの現実の世界にも生きていました。彼らは二重の現実を生きていたのです。問題なのは、「リアリティとは何か」ということです。認知科学の世界では、物理的世界だけでなく、臨場感のある世界もリアリティとして扱っています。荘子は「いったい荘周が蝶となった夢を見たのだろうか、それとも蝶が荘周に

      • 世界観の拡張と創造

        権威の盲信 占いもスピリチュアルも、科学の領域ではなく信仰の領域です。これは「信じるか信じないか」の世界です。 占いやスピリチュアルを理性的に納得したいがために、脳科学や量子力学と結びつけて科学的に証明しようとする人がいますが、私にはこじつけのように見えます(これは私の知識不足のせいもあるでしょう)。 私は占いやスピリチュアルは科学的に証明しようとせず、その宗教的世界観を素直に受け入れ、自分の世界観の拡張に役立てれば良いと思っています。 そもそも、科学を信じている多く

        • ニーチェと葬送のフリーレン:高貴な魂と新しい貴族

          高貴な魂 フリーレンはゼーリエに、「望む魔法を言うがいい、ひとつだけ授けてやる」と言われましたが、「いらない。魔法は探し求めている時が一番楽しいんだよ」と答えました。ニーチェ的に言えば、フリーレンは高貴な魂の持ち主であると言えます。 高貴な種類の魂たちは、このように欲する。つまり、彼らはタダでは何物も手に入れようとしない。一番そうしたがらないのは、人生という持ち物だ。賤民の素性の者は、タダで人生を生きようとする。 森一郎訳「新旧の石板5」 高貴な魂のありかたはこうである

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        ニーチェ「孤独の価値の哲学」

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        • タロットの目的
          6本
        • 孤独なあなたへ
          8本
        • ニーチェ霊解
          61本
        • コーチング完全解明 無限の可能性を引き出す秘密の方法
          6本
        • 高貴な魂と身体
          4本
        • タロット霊解 古代の叡智による魂の覚醒
          7本

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          孤独の教典 世界は意識の中に

          意識の中にある世界 この世界は、あなたの意識が創造した世界であり、あなたがこの世界の「神」です。世界の中にあなたが存在しているのではなく、世界があなたの意識の中に存在しているのです。 ─────────── 世界の真実 「世界は幻想である」ということが、この世界の真実です。あなたが見ているもの、聞いているもの、触れているもの、経験していることはすべて、あなたの意識が創り出している幻想です。 ─────────── 力を有する者 この世界はあなたの意識から生まれた

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          孤独の教典 世界は意識の中に

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          得意分野に特化する

          得意分野を認識する 日誌や記録を何らかの形で付けることをおすすめします。もし日々自分の考えなどを発信しているのであれば、それでも十分です。自分自身が自己を省みることは非常に重要です。自分が本当に何者なのかを知ることが大切なのです。 行き当たりばったりで、どんどん進めていいです。奇想天外に進める必要があります。「自分はこれが絶対的に得意だ」と、明確に自分の得意な分野を認識することが重要なのです。 ─────────── 最も詳しい分野 失恋を経験することにより、恋愛を

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          二種類の人間

          右脳型と左脳型 世界には男と女の二種類の人間しか存在しません。それは左脳型と右脳型と言い換えることができます。そこには対立と結合の永遠の運動が存在します。対立は緊張を生み、変化をもたらします。結合からは新たな存在が生まれます。 対立するものを安易に調和させようとしてはいけません。対立関係には意味があります。すべての場面で和解や平和、調和が必ずしも良いわけではありません。 ─────────── 二重人格 すべての人間は二重人格です。右脳型の人格と左脳型の人格が一人の

          二種類の人間

          ニーチェ「超人とルフィ/重力の魔と黒ひげ」

          『ツァラトゥストラ』において「超人」は、道化師、太陽、無邪気な子供、笑う者、踊る神など、様々なイメージで表現されていますが、『ワンピース』のニカ・ルフィは、まさにそのような存在です。「超人」はニカ・ルフィのモチーフの一つになっているのではないかと思います。その対極にある存在が「重力の魔」であり、暗くて重たい存在です。それはヤミヤミの実の能力者である黒ひげと重なります。ですから、「超人」と「重力の魔」が、ルフィと黒ひげのモチーフとなっているのなら、『ワンピース』のラスボスは、イ

          ニーチェ「超人とルフィ/重力の魔と黒ひげ」

          孤独の教典『ツァラトゥストラ』

          ニーチェの『ツァラトゥストラ』は孤独な者や孤独を愛する者の教典です。孤独は不幸ではなく、むしろ自ら進んで選ぶほど価値のあるものです。『ツァラトゥストラ』を読むことで、孤独の価値に目覚めます。『荘子』に登場する「神人」も孤独の世界で遊んでいました。あなたも、ニーチェや荘子のように、神聖な孤独の世界に入り、優雅に暮らすことで、超人や神人のような美しい存在に生まれ変わるでしょう。 ─────────── わたしの『ツァラトゥストラ』全篇は、孤独に捧げられた熱烈な讃歌だ。 『この

          孤独の教典『ツァラトゥストラ』

          荘子、臨済、ニーチェにおける美しい人

          人間を極めると、光を纏ったしなやかで美しい存在に変容することが分かります。その存在は、法身、超人、神人などと呼ばれます。また、人間を極めると、美しくなるだけでなく、喜びや笑いのある遊びの世界にも入ることができるのです。 ─────────── 君たちがもし一念を静めることができたら、そのまま清浄法身である。君たちの一念不生がつまり菩提樹への登攀であり、この三界に在って神通無碍、意のままに化身しつつ、すべてが法喜禅悦。身からは光が射し出て、心の欲するままに千着の美服をまとい

          荘子、臨済、ニーチェにおける美しい人

          ニーチェの読書術

          現代は「『労働』の時代、すなわち、あらゆるものを即座に『片づけ』、古い本も新しい本もすべて片づけようとする、性急な時代、不作法に汗をかくあわただしい時代」ですが、文献学者ニーチェは私たちに「ゆっくりした読み方」や「言葉の金細工の術」を教えてくれます。ニーチェは、彼の著作を「性急に片付ける」読者ではなく、「ゆっくりと、深く、後にも前にも気を配りながら読む」忍耐強い「完全な読者」を求めています。 ─────────── 私の本と同様に私も、緩徐調の友人である。文献学者であった

          ニーチェの読書術

          ニーチェ「永遠回帰と超人」

          『ツァラトゥストラ』がニーチェの主著であり、彼の哲学のすべてが含まれています。この主著のテーマは永遠回帰です。永遠回帰こそがニーチェ哲学の最重要テーマです。永遠回帰とは、すべてのものが寸分たがわず同一の姿で永遠に回帰することです。同一のことが無限に繰り返されることです。 しかし、その啓示を受けたとき、ニーチェは恐怖を感じました。なぜなら、偉大な者だけでなく、ニーチェが吐き気を催すほど嫌いな「賎民」も繰り返し戻ってくるからです。「それにもかかわらず」ニーチェは永遠回帰にこだわ

          ニーチェ「永遠回帰と超人」

          ニーチェ「運命愛と救済」

          ニーチェの哲学は「肯定の哲学」ですが、彼は運命をも肯定します。それが「運命愛」として表現されています。運命愛とは、文字通り運命を愛することです。過去・現在・未来の出来事は偶然に支配されていますが、意志によって、「わたしがそれを欲した」と捉え直し、必然の出来事に変換します。これにより、運命・偶然に翻弄されることがなくなります。 運命愛は『ツァラトゥストラ』の「三様の変化」と密接に関係しており、「汝なすべし」を「われは欲す」に変える獅子の力が必要になります。駱駝の状態では運命を

          ニーチェ「運命愛と救済」

          ニーチェ「不倶戴天の敵」

          ニーチェの宿敵であり、不倶戴天の敵であるのは、重力の魔と善人・同情です。重力の魔は、「最高最大の悪魔」とも言われ、人間の足を下へ、深みへと引きおろすものであり、人生を重く感じさせる霊です。ニーチェは、重力の魔を舞踏と笑いで撃退します。 また、もう一人の敵である善人・同情に対しても、鋭い心理分析を行い、同情を殺す勇気、同情を超えた高みがあることを示します。ニーチェは、同情の克服を高貴な徳の一つと見なしています。 ─────────── 【重力の魔】 わたしの足は、上へ、上

          ニーチェ「不倶戴天の敵」

          ニーチェ「一切は滅びるに値する」

          「我々は、信仰も迷信も持ち合わせていない」と胸を張る現代人の無信仰の主張は、「一切は滅びるに値する」という生や存在の否定に帰結します。しかし、ニーチェの「神の死」の宣言は、ニヒリズムと結びつくことなく、むしろ生を肯定するものになります。ニーチェは、「汝なすべし」と義務を強制してくる存在(宗教的な教義、道徳的な規範、社会的な慣習)を否定しただけであり、何でも科学で説明しようとする痩せこけた科学主義者になったわけではありません。創造性の源泉である予言の夢や星の知らせを持ち、信仰の

          ニーチェ「一切は滅びるに値する」

          ニーチェ「嫉妬と復讐」

          平等を説く者の心の中には、嫉妬や復讐心、他者を支配したいという欲望が隠れています。プライドが高いことも彼らの特徴の一つです。ニーチェは嫉妬や復讐と戦った哲学者ですが、彼が追求した「超人」は、嫉妬や復讐心を持つような小さな存在ではなく、他者のどんな大きな幸福であろうとも、妬まずに見ることができる太陽のように大きく豊かな存在です。 ─────────── わたしの哲学は、復讐や遺恨の感情と戦闘を始め、── 『この人を見よ』「なぜわたしはこんなに賢明なのか」 ────────

          ニーチェ「嫉妬と復讐」