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転職したのに、楽しくなかった話。

「自分のやりたい事をするぞ」と、新卒入社した会社を1年半で辞めた。
「これで楽しく働けるぞ」と、わくわくしていた。
しかし、転職しても、ずっと仕事が楽しくなかった。

私は、”好き”に正直になれずに、新卒で入社した会社を選んだ。
直感で「やってみたい!」と感じる仕事に、応募する事さえ、チャレンジする事さえできなかった。
自分の直感と心の声を信じる事ができなかったのだ。

「そんな簡単な動機は、安易なものだから、ダメだ。ちゃんと考えないと。」
「どうせ私には無理だ。倍率も高いだろうし。」

そんな考えが、私の「やってみたい!」に攻撃をした。
そして、自ら私の「やってみたい!」を殺した。

就職活動が終わって、心の底から後悔した。
気付いた時から、もう一度就活活動をやり直せばよかったと思うものの、ただただ後悔ばかりして、何もしなかった。

それでも、私は「仕事を没頭して楽しむ」という軸で、仕事選びをしたつもりだ。(”自分の自由なアイデアで、人を喜ばせる”ことが自分にとって楽しいことだったので、それを軸に就活をしていた。)

内定承諾した会社も、その軸に当てはまっていると考えて、選んだ。
興味もない不動産会社だったけれど。
無形の法人営業だったら、自分のアイデアを活かして、お客さんを喜ばせる機会があるんじゃないかって思って。
オフィスの賃貸仲介って、働く人が元気になるオフィスを、お客さんと一緒に考える仕事なんじゃないかって。
会社の風土も、”挑戦”することを大切にしているし、人も良さそうだし、楽しめそうなんて思って。
「やってみたい!」と思う事とは違うかもしれないけれど、「楽しもう」と入社時には決意して意欲に燃えていた。

入社してからは、正直やりたい事とのギャップはあった。
その中でも”楽しむ”という気持ちで頑張っていた。
「やってみたい!」と思っていたこととは遠かったけれど、意欲的に、前向きに、楽しく仕事に取り組んでいた。

それでも心の中にモヤモヤは少し残っていて。
「人生一度きり、やりたいと思うことやってみよう。その方が作り出せる幸せも増えるのでは。」と思って、転職を決めた。

そして、ご縁もあって、待ちに待った自分のやってみたい仕事に就けた。

転職先はデザイン会社だ。
直感で好きと感じていた「クリエイティブ」「広告」に携われる仕事。
自分の好きな「人の心を洞察して、人の心を動かすアイデアを考える」ことができそうな仕事。

ワクワクしていた。

でも、現実の業務内容は、想像と違った。

私のやりたい事は”デザイナー”や”コピーライター”のメイン業務だったのである。
私はアカウントプランナー、つまり、営業だ。
営業のメイン業務は、「営業事務」「案件の建て付け」「クライアント獲得」「受注までの調整業務」「見積もり設計」「請求・契約対応」等…。
営業のメイン業務は、私のやりたい事ではなかった。
やりたい事どころか、私のやりたくない苦手な業務がてんこ盛りだった。

「自分の”好き”に正直に、やりたい事ができる」と強い気持ちを持っていたので、その現実をなかなか受け入れることができなかった。

仕事をする上での意識するウエイトが「自分のやりたい事をする」ことに傾いていた。

結果、
「これは自分のやりたい事じゃない」
「自分の苦手な事が多い」
「仕事がつまらない」
「私には向いていない」
「これからどうしていけば良いのだ」
と目の前のことと向き合わず、ただただ悶々としていた。


毎日が本当に苦痛だった。


自分の気持ちが追いついていないのに、自分の苦手な事と向き合わなければならない。
ミスは多く、仕事もなかなかできるようにならない。
仕事仲間からの信頼も失っていく。
頑張りたいけど頑張れない。
そんな自分がまた嫌になっていく。
自己嫌悪。
自己嫌悪するだけで、何もしない。
白い目で見られる。失望される。期待もされない。否定ばかり。
怖い。不安。
仕事をするのがもう怖い。

仕事を楽しいと思ったことはほとんどなかったことは勿論、ベットからずっと出られず、業務に取りかかる事さえ、避けてしまうような状態だった。

おかしい。

新卒入社した会社も、2社目の会社も「やってみたい」こととは違ったことは共通している。
なんなら、2社目の会社は、自分の”好き”に近い世界だ。
なのに、新卒入社した会社で働いていた方が、楽しかった。

新卒入社した会社では「どうやったらお客さんを喜ばせることができるのか」と、試行錯誤しながらやっていた。それが楽しかった。
転職した会社では「自分のやりたい事をする」ことばかりに意識がいき、そこにこだわり過ぎていた。
結果、それは楽しくないことがわかった。

今は、一旦「自分のやりたい事」から離れてみて、
「どうやったら楽しくできるのか」
「どうやったら、与えられている職務の中で、自分の得意を活かせるのか」
「今の職務の中で、自分はこんなことをやってみたい」
「自分の自由なアイデアで、人を喜ばせてみよう」
という気持ちで仕事をしている。
できないことはまだまだ多いが、前より前向きに仕事に取り組めている。

そして何より、楽しい。

避けられない苦手なことも、自分の幅を広げられると思うと、悪くないように思える。
仕事内容は変わっていないのに、考え方1つで、こんなにも楽しくなるものかと。

「どうやったら人を喜ばせることができるのか」と「自分の得意ややりたい事」を考えながら、「楽しむ」という気持ちを忘れずに仕事に取り組むことが、結果、楽しくイキイキと仕事ができる状態を作り出せることを学んだ。

・誰かの「ありがとう」につながる事をする(他人を大事にする心)
・自分の「好き」や「得意」や「やりたい」を大切にしてあげる事(自分を大事にする心)
(・あとは「楽しむ」気持ち)
が、楽しくイキイキ仕事をする秘訣なんじゃないかな。

「自分の好きでやりたい事したい」と思うのも、「楽しい方が良い」という欲望が根本にあるのだ。
「誰かのありがとうにつながる事」をするのも、自分ばかりというマイナスな気持ちになってしまうと思ってしまうかもしれないが、それは、すごく楽しくイキイキする行為だと感じている。
もちろん、自分の好きでやりたい事をするのも、大事。楽しくイキイキするから。
バランスが大事ってだけだと思う。

自分のやりたい事ばかり考え過ぎないのは、楽しくイキイキ仕事をする、キッカケになるのかもしれない。

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