秋山 智哉 / Akiyama Tomoya

映像クリエイター。山梨出身。3DCG映像制作のほか、紙やフェルトなどのアナログ素材を使…

秋山 智哉 / Akiyama Tomoya

映像クリエイター。山梨出身。3DCG映像制作のほか、紙やフェルトなどのアナログ素材を使った映像表現をしています。第24回文化庁メディア芸術祭 プラットフォーム部門「ちぎる」受賞。 https://www.atom-box.net/

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    映画、アニメ、Web、芸術作品、何かを見たり聞いたりした感想とか。

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    日々の中で考えたことをつらつら書き記した記事たち。カンガルーは関係ない。

  • 球体映像作品「ちぎる」

    文化庁メディア芸術祭にてフェスティバルプラットフォーム賞を受賞した作品「ちぎる」についてのエトセトラです

最近の記事

噛み合わなさの正体

こんちは、秋山です。 noteではしばらくぶりですね。 前回の更新を確認したら2021年10月でした。 そこから何をしていたかというと、映像の仕事をメインにやりつつ、ひと月ほどちぎり絵の別の作品を作り、その他はコンペを見つけて色々やってました。 で、久しぶりにnoteを書いた理由なんですが、去年10月にメディ芸が終わってから、特に今年に入ってから焦燥感とも言える変な感覚があって、思考と手先がずれていたような感覚がありました。 そこで備忘録も兼ねて、自分を振り返るために書い

    • フェスティバルプラットフォーム賞と、この1年

      第24回文化庁メディア芸術祭の受賞展が終了しました。 「ちぎる」も多くの方に見ていただき、ありがたいお言葉も頂戴しました。 10日間というあっという間の時間でしたが、私にとってはまるで夢のような時間でした。本当にありがとうございました。 ここからは、実際にこの映像制作をどう進めたのかという数ヶ月の記録を、自分の備忘録のような形で残しておくために、書いてみたいと思います。 企画段階『テーマの「ちぎる(千切る・契る)」とちぎり絵の「ちぎる」はどっちがアイデアとして先にあったの

      • WorldMakerという蜘蛛の糸

        映像を作る人にとって、絵コンテとは切っても切り離せない関係だ。 数秒程度の映像なら、あるいは趣味で作る映像ならともかく、ある程度人数を巻き込んで制作する映像ならば、絵コンテは必須である。 絵コンテ一つでどんな映像を作ろうとしているのかという方向性やテーマ、その映像の長さや中身からそれが実現可能かどうかの試算、そしてなにより良いか悪いかの決断が出来る。 それをわかっていながらも、なかなか絵コンテというのは難しい。 頭で思い浮かべているものを目の前に出すというのはどうしてこ

        • “呪縛”という紙一重 ~「ちぎる」の和紙~

          2021年3月。 私は佐賀県の名尾という場所にいました。 目的は「ちぎる」で使う、ちぎり絵の和紙の選定。 この地にある名尾手すき和紙さんの工房に直接出向き、その質感と色を直接この目で見たかったからです。 関東から行く場合は羽田空港から佐賀空港に行くというのが最短ルートですが、福岡経由で行きたい理由があったので、移動手段はレンタカー。 冬を抜けた3月の暖かい風の中、東京にも負けじと高い建物がそびえ立つ博多から、次第に景色は山の中へと変わっていきました。 そうして車を走らせ

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        記事

          「旅カフェご当地珈琲めぐり」はいいぞ

          最近ハマっている商品があります。 コーヒーの詰め合わせパックなのですが、こちら。 UCCの旅カフェご当地珈琲めぐりです。 この商品の特徴は一つです。 味の違いごとに日本の各地域の名前で分けられているという点です。 例えば札幌編という袋に入ったコーヒーは苦味があってコクがあります。 対して東京編は酸味に寄った味のコーヒーが入っているという具合です。 これは裏面の味別の説明表。寒いところは苦いイメージなのかな? 個包装もかわいいです。 これをよく飲むのですが、この中か

          「旅カフェご当地珈琲めぐり」はいいぞ

          生きている、それだけでよくて

          生きていると、どうしようもなくなる時があります。 喪失感だとか、無力感とか、そういったもの。 それらに、なんの前触れもなく襲われることがあります。 そしてそれは、なにか別に大きな事件を経験して思うわけではありません。 本当に些細なこと、日常のふとした瞬間にやってきます。 会社から家へと向かう帰り道。 スマホでネットサーフィンしているとき。 コインランドリーに洗濯物を突っ込んでる瞬間。 本当にどうでもいい瞬間にやってくるのです。 するとなんだかとたんに体が重くなる気が

          生きている、それだけでよくて

          球体が見る景色

          ここ半年ほど日本科学未来館に通う機会がありました。 「ちぎる」の上映のためにジオ・コスモスの映像調整で足を踏み入れることがほとんどでしたが、そのうち何回かは常設展示を見に行きました。 宇宙開発や医療を中心に、ロボットやデータの送受信、人間の知能などトピックを取り扱い、その名の通り未来へ向けた展示がその建物内に詰め込まれています。 遅くなりましたが、メディア芸術祭に来場して「ちぎる」をご覧になってくださった皆様、誠にありがとうございます。 引き続き、皆様に見てもらえることを

          再生

          Waking the Owl

          白い和紙の紙片でフクロウを作ったちぎり絵です。 一枚一枚、紙片を貼るごとに撮影し、それを繋げることで映像としています。 この映像の最後まで、お見逃しなく。 【Twitter】https://twitter.com/AtomAkym/status/1441568694287564800 【詳細URL】https://www.atom-box.net/waking-the-owl/

          少しだけ長い夜の夢から

          第24回文化庁メディア芸術祭がお台場・日本科学未来館にて明日から始まります。今日9/22(水)はその内覧会と賞の贈呈式でした。 文部科学大臣や文化庁長官が出席された贈呈式。 また多種多様に活躍されるクリエイターの方々を前にして、プラットフォーム賞受賞者として短いながらも受賞スピーチをするという、なんとも恐れ多い機会でした。 トロフィーを持ってる際、足震えてたんだけどバレてなかったかな。 写真ぶれてたら面白いんだけども。 正直なことを言うと、自分がここに肩を並べてもいいも

          少しだけ長い夜の夢から

          流行環状線各停

          流行というのは、電車の1日乗車券みたいなものです。 どこまでも乗り続けてもいいし、ふと降りてみたい駅があれば降りてみてもいい。その駅のある街が気に入ればずっといてもいいし、肌に合わなければまた電車に乗り直してもいい。 漠然とした話から始めましたが、要は自分の感性と合うものに出会うための仕組み=流行なんじゃないかと思っています。 好きなものを見つけるのは難しいことです。 趣味にしろ、音楽にしろ、服装にしろ、食の関心にしても、「私はこれが好き!」と言い張れるものに出会うのは

          恐怖とソウゾウ

          高所恐怖症とか、閉所恐怖症とか、先端恐怖症とか。 世の中にはいろんな恐怖症がありますね。 私も高所は苦手です。なぜ怖いかというと「ここから落ちたら死ぬ」という想像がよぎって、痛みを想像するからです。 これは言い換えると、あるモノ・対象を見たときにそれが起こしうるリスクを予測し、その重大さ・深刻さを算出した結果、痛みや苦しみが導かれたんじゃないかと思います。 まあ要するに悪い方に考えすぎ、という話ですが。 ただこういう考えすぎこそが、新たな価値を生むことがあります。 例

          『Invisible Cinema 「Sea, See, She まだ見ぬ君へ」』

          夏の終わりに、都心に出る機会があったのでまとめて色々見てきました。 その中でも特に感想を残しておきたかったのはこの作品。 『Invisible Cinema 「Sea, See, She まだ見ぬ君へ」』です。 本作は70分に渡る作品なのですが、最大の特徴は“耳で視る映画”という点にあります。つまり音以外の要素がほぼなく、70分間を暗闇の中で過ごします。 私は予備知識が一切ないままに本作を見たのですが、この暗闇というのにまず驚かされました。 暗闇と聞くと例えば夜道だとか、

          『Invisible Cinema 「Sea, See, She まだ見ぬ君へ」』

          すこし疲れたので。

          こんにちは、アキヤマです。 これからnoteを書いていこうと思います。 というのも、Twitterから少し離れようという方針にしました。 その理由はトレンドの存在。これが非常に厄介だなと気づきました。 このトレンド、見れば常に新しい情報が更新され続けています。 ここを追ってさえいれば最新のニュースに追いつけるし、アンテナを張っていなくても自動的に情報を入手できる。 しかし最近はこのトレンドの更新速度がとても早くなりました。 コロナ禍に入ってからは特にそうです。家にいる時

          すこし疲れたので。