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流行環状線各停

流行というのは、電車の1日乗車券みたいなものです。

どこまでも乗り続けてもいいし、ふと降りてみたい駅があれば降りてみてもいい。その駅のある街が気に入ればずっといてもいいし、肌に合わなければまた電車に乗り直してもいい。

漠然とした話から始めましたが、要は自分の感性と合うものに出会うための仕組み=流行なんじゃないかと思っています。

好きなものを見つけるのは難しいことです。
趣味にしろ、音楽にしろ、服装にしろ、食の関心にしても、「私はこれが好き!」と言い張れるものに出会うのは、結構奇跡のようなものです。

世の中、案外これがカンタンなことのように思われている気がします。
好きなことくらい誰でも一つくらいあるだろ、みたいな。
だけど、そんな簡単にできることではないんじゃないかなと思います。

だから話のタネになるとか、比較的自分の中で語れるとか、ある種の“キャラ付けとしての好きなもの”を設定している人もいるでしょう。
そこに罪悪感を覚えたり、自信のなさを感じる人もいると思いますが、十分それでいいんじゃないかと思います。

それに、決して「好きなものを持ちなさい」だなんて人に無理やり強いられるべきものでもないし、一生なくったって構わない。

ただ本当に好きなものがあるというのは幸せです。
なくてもいいけど、ないよりはあったほうがいい。

だから流行りに乗ってみるっていうのは一つ、良い手なんじゃないかなと思います。流行りに乗って合わなかったらバンバン変えていけばいいし、合うものがあれば、流行は無視してそれを突き詰めていけばいい。

冒頭で話した1日乗車券というのはこういう話です。
流行り廃りという電車に乗って色んな場所へ行くもよし、この駅がいいと思ったらそこから街歩きを始めてもいい。
街歩きから引き返して電車にまた乗ってもいいし、なんならずっと電車に乗っているのが一番心地いいというのでもいい。

あなたが好きなものを、好きなように。
そんな感じが、いい感じなんだと思います。

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