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2023年4月の記事一覧

ピッチクロック導入の背景

去る4月10日(月)、日刊ゲンダイの2023年4月11日号27面に連載「メジャーリーグ通信」の第136回「ピッチクロック導入の背景」が掲載されました[1]。

今回は、大リーグが今季から導入したピッチクロックについて、試合時間の短縮がなぜ要請されるかという側面から現在の球界を取り巻く問題を検討しています。

本文を一部加筆、修正した内容をご紹介しますので、ぜひご覧ください

ピッチクロック導入の背

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日本の人口減少問題を解決するために必要な取り組みは何か

昨日、国立社会保障・人口問題研究所は日本の長期的な人口を予測した「将来推計人口」を公表し、2056年に人口が1億人を下回り、2059年には日本人の出生数が50万人を割り込み、2070年の総人口は8700万人になるとしました[1]。

内閣府が2022年に行った試算では、2060年代も1億人の人口規模を維持する場合、高齢化率が頂点を超え、労働人口の割合が増えるとしています[1]。

現在の出生率と出

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石橋湛山の没後50年に際して石橋湛山研究の一層の深化を期待する

本日、1973年4月25日に石橋湛山が没してから50年目を迎えました。

戦前は経済専門誌『東洋経済新報』を中心に政治面では政党主義を強調し、経済面では自由貿易と国際協調主義を擁護し、対外政策では植民地放棄論を提唱し、戦後は政界に進出して1956年には首相に就任したのが、石橋です。

こうした事績から、特に言論人としての活動が注目され、高く評価されているのは広く知られるところです。

ただ、192

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衆参5補選の結果はいかなる意味を持つか

昨日、衆参両院の5つの補欠選挙が行われるとともに、統一地方選挙の後半も実施されました。

5補選については自民党が衆議院の3選挙区及び参議院の1選挙区に勝利し、和歌山1区では日本維新の会の林佑美候補が自民党の門博文候補に勝利しました。

野党第一党の立憲民主党は3つの選挙区で候補者を擁立したものの、いずれも議席の獲得には及びませんでした。

今回の衆参両院の補欠選挙の結果を概括すると、自民党は勝利

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「岸田文雄首相襲撃事件」に対してわれわれはどのように向かい合わねばならないか

4月15日(土)に起きた、岸田文雄首相を襲撃した事件は、現在和歌山県警察本部が逮捕された容疑者の動機の解明に取り組んでいます[1]。

昨年7月8日(木)に発生した安倍晋三元首相襲撃事件はもとより、政治活動を暴力によって封じ込めようとすることは断じて許さるものではありません。そのため、当局には予断を排しつつ、入念な捜査を行うことで真相の究明を行うことが求められます。

それとともに、元首相と現任の

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許されざる岸田文雄首相への襲撃

本日11時30分前、和歌山市の雑賀崎漁港で衆議院和歌山1区の補欠選挙に向けて岸田文雄首相が演説を行おうとしたところ、会場に発煙筒のようなものが投げ込まれ、爆発音がしました。岸田首相は現場を退避して無事であり、発煙筒を投げ込んだとみられる男性は現場で逮捕されました[1].

選挙活動は議会政治の根幹の一つですから、理由のいかんを問わず遊説に臨む候補者や政治家を狙う妨害行為は決して許されません。

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「エンゼルスの兜」はどのような意味を持つか

大リーグのロサンゼルス・エンゼルスは、今季から本拠地エンゼル・スタジアムでエンゼルスの選手が本塁打を放った際、ダッグアウト前で日本の兜をかぶせる演出を行うようになりました[1]。

この演出は昨季の途中から始まり、2022年は本拠地での本塁団の際にカウボーイハットをかぶせていました。

様々な帽子がある中でカウボーイハットが選ばれたのは、球団の創設者である歌手で俳優のジーン・オートリ―のあだ名が「

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第20回統一地方選挙前半戦の意味を考えるためのいつくかの視点

昨日、第20回統一地方選挙の前半が行われ、9道府県知事選挙や6政令市長選挙などが行われました。

今回は大阪府知事と大阪市長の「大阪ダブル選挙」や奈良県知事選挙に勝利し、さらに埼玉、千葉、神奈川の各県議会選挙で議席を獲得するなど日本維新の会が勢力を伸張させたことが大きな特徴となりました。

一方、立憲民主党は前身の民主党以来の地盤であった北海道や大分県の知事選挙に敗れるなど、41道府県議選での獲得

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