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気ままな鑑賞エクササイズ#10 ファン・エイク「ファン・デル・パーレの聖母子」

1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事を読むだけでも、同じように時間を測って擬似体験してみても面白いかも。

<ルール>
・以下の作品をまず3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
・その後25分、書籍やネットで作家・作品について調べます。
・さらに3分鑑賞をして、再発見したことを書き出します。
・25分を目標に記事を編集します。
・気ままに不定期で続けます。

では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

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・3分の鑑賞で気づいたこと

これはまたちょっと3分で見切れるのかっていうぐらい、すごい情報量の多い絵ですね。

真ん中から見ていきましょうか。女性の人が赤ちゃんを抱いていてね、赤ちゃんはインコみたいな鳥を抱いていますね。あとお花を左手に持ってますね。

すごくこう全体的にはそれぞれの衣装が半端なく描き込まれていて、布の描き込み方はすごい・・質感とかもこんな感じなのかなーっていうのが分かるような・・

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特にこの一番左の青い人のなんだろう・・このベルベットぽい感じなのかな、絨毯みたいなこの厚手の生地なんかは、凄い触った感じがわかりそうな感じで・・この金の生地の反射具合とかこれもすごいですね・・細かいキリストなのかマリア様の模様かなんかが入っていたりとか、床の絨毯とか、右にいる人の甲冑とかもねすごいですね。

でもなんかちょっとこう頭身とかはそんなにめちゃくちゃ正確ではない感じですね。それより服や物の質感みたいなのにめちゃくちゃこうバランスを振ってあると言う感じですかね。

女性の後ろの背景の柄も可愛いですね。

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子供とお母さんがいて、3人の人が周りに来て挨拶をしてるって言うと、一番最初にやった「鑑賞エクササイズ#1」の東方三博士の巡礼にもなんか似てる感じがしますけど、でもちょっと違うのかなぁ・・

なんか皆さんそれぞれ職業が色々違いそうな感じがしますね。教皇とかそういう宗教関係の人が左で、一番右の人は武人と言うか兵隊さん、騎士とかですかね。

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そして跪いている白い服の人は・・ちょっとその二人よりは着ているものがただの白い布って感じ、身分的にも低そうだし持っているものが何か実用的なものっぽいので、そういう生活とかに関係する人なのかなーっていう感じはしますが・・

後はあれですかね皆さんの見てる目線が結構バラバラと言うか、あんまりこうどこかに定まってないっていう感じがしますかね。それぞれがそれぞれを見ているような・・そんな印象を持ちました。

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・作品・作家について

ヤン・ファン・エイク
「ファン・デル・パーレの聖母子」1436

・30分調べたこと

ヤンファンエイクについては、「鑑賞エクササイズ#5」でも扱った

初期フランドル派の画家ヤン・ファン・エイクが描いた絵画。オーク板に油彩で描かれた大きな作品で、1434年の秋に制作依頼を受け、1436年に完成した。この作品は依頼主の自身が所属する教会に対する献身と、後に自身が埋葬されるブルッヘの聖ドナトゥス協同教会 (en:St. Donatian's Cathedral) での墓碑祭壇画としての使用を目的として制作依頼されたものと考えられている。複雑で精緻な空間描写、寓意表現がなされている作品で、中東製の絨毯が描かれた幾多のルネサンス期の絵画 (en:Oriental carpets in Renaissance painting) のなかでも白眉といえる作品であり、後の装飾写本にも大きな影響を与えた作品である[1]。

アダムとイヴの彫刻などで飾られた玉座に座り、幼児キリストを膝にした聖母マリアが描かれている。マリアが座る玉座に表現されているアダムとイヴはキリストの磔刑ならびにキリストの復活の予兆であり、そのほかに旧約聖書のエピソードも画面中に表現されている。敬虔な雰囲気の屋内でマリアは中央に位置し、その周りを小さく囲むように、右側に依頼主ファン・デル・パーレの守護聖人である聖ゲオルギウスが中世の壮麗な騎士の甲冑に身を包んだ姿で、左側にはブルッヘ聖堂参事会の守護聖人である聖ドナトゥス (en:Saint Donatian) が描かれている。

『ファン・デル・パーレの聖母子』は、黙考し祈りを捧げていた依頼主ヨリス・ファン・デル・パーレが一息つき、今読んだ一説を振り返ろうと眼鏡を祈祷書に置いた瞬間を捉えている。そしてファン・デル・パーレの祈りに応えて聖母子と二人の聖人が具現化する様子が描かれた絵画となっている。

ヤン・ファン・エイクは、精緻に表現され、金襴で豪奢に飾られた天蓋を背景にして聖母子を描いた。聖ドナトゥスは左側に配されているが、これは紋章学では優位となる位置であり、ブルッヘ聖堂参事会の守護聖人という重要な立場が反映されている。右側には甲冑に身を固めた聖ゲオルギウスが立っている。右手で兜を持ち上げ、左手はファン・デル・パーレを聖母子に引き合わせようとしている。祈祷書と眼鏡を手にしたファン・デル・パーレはひざまずき、放心した表情でまっすぐ前を向いた、やや混乱しているかのように描かれている。美術史家ブレット・ロススタインによれば、ファン・デル・パーレがこのような当惑した状態で描かれているのは意図的なものであり、「現実世界から切り離された」ファン・デル・パーレが、精神世界が具現化した眼前の光景に完全に心を奪われていることを意味している。さらに、人間の可謬性を象徴する眼鏡が、この心象をより強化する小道具となっている

1434年の作品『アルノルフィーニ夫妻像』と同様に、この作品でもヤン・ファン・エイクは、光の反射表現に革新を起こした。聖ゲオルギウスの兜には映りこむ聖母子が描かれており、さらに聖ゲオルギウスの甲冑の間接部分に取り付けられた小さな丸楯(バックラー (en:buckler))の反射表現に、ヤン・ファン・エイクの高い技術を見ることができる。
ウィキペディア「ファン・デル・パーレの聖母子」より

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・さらに3分の鑑賞で考えたこと

やっぱり真ん中の人はマリア様とキリストということでしたね。

そしてこの白い服を着ている人が実在の人で、その右側にいるのがそのひとの守護聖人で、一番左の人がこの教会の聖人っていうことで、白い人以外は実在していなくて、この白い人・・ファン・デル・パーレさんが祈祷書を見てふと顔をあげたら、幻と言うか、見えちゃったっていうとこなんですね。

だからこの服装に凄く差があったりとか。あと目線が・・やっぱり合ってないっていうのも、その現実とこうなんだろう・・幻と言うか、聖なる世界が交錯しているから、おそらくそういう感じで合ってないんだなーっていうのは、解説を読んでなるほどという風に思いました。

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でもこの絵の制作を依頼した人がこの白い服の人らしいんですけど・・まあよかったでしょうね・・これだけ描いてもらえたら、そりゃ鼻高々と言うか・・・贅沢ですね・・これを描いてもらえるっていう・・

しかもめちゃめちゃいいポジションですもんね。自分もマリア様とかに、自分の守護聖人がご紹介をしてくれてるっていうところらしいですね。ちょっと布の裾とかは踏まれてるらしいですけど(笑)・・

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鎧を着た人の兜にちょっとこう映り込みがあって、これファン・エイクの絵だっていうことで、この前の「アルノルフィーニ夫妻」の絵にもありましたけど、ここに映り込みがあって、誰かが映っていて、誰なのかっていうのはちょっといろいろ説があるみたいですけども・・

まぁほんと恐ろしいぐらいのその描き込みで、サイズ的には120×160cmぐらあるので、本物の大きさで見たら、たぶんもっといっぱいいろんな発見があるんでしょうねっていう感じががすごいしましたね。

まあでもそれにしても相当こうなんかうん・・もう病的に描き込んであると言うか、そんな感じもしますよね。全然この3分という時間じゃ見れないぐらい・・・

あなたにはどう見えましたか?
また次回!


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