佐藤悠 / 鑑賞プログラマー

実施した鑑賞プログラムのログを掲載しています。 https://www.yusatoweb.com

佐藤悠 / 鑑賞プログラマー

実施した鑑賞プログラムのログを掲載しています。 https://www.yusatoweb.com

    マガジン

    最近の記事

    • 固定された記事

    鑑賞プログラマー 佐藤悠 活動紹介

    鑑賞プログラマーの佐藤悠です。 18年から各所で独自の鑑賞プログラムを開催しています。 自己紹介 私はアーティストとして、ものを作ったり、歌を歌ったり、物語を作ったりと、いろいろな表現をしてきました。 そんな中で、表現することと鑑賞すること、アウトプットとインプットは一体の関係であるという観点から、美術鑑賞の分野に興味を持ちはじめ、2018年から美術館や教育現場などでプログラムの企画・実践・記録を行ってきました。昨年からは活動場所をオンラインに移行し、美術館、企業研修

      • 粟島と粟島芸術家村について

        22年の6月から約4カ月、香川県の粟島に滞在して制作を行っていました。 制作の中で、粟島や長年行われているアーティスト・イン・レジデンス「粟島芸術家村」について関係者へのインタビューや資料でリサーチを行い、「粟島芸術家村文庫」という書籍を作りました。 今回の記事では、書籍から抜粋した内容をもとに、滞在していた粟島や、粟島芸術家村の取り組みなどについて紹介します。 制作作品についてはこちらの記事へ ・粟島の概要香川県三豊市詫間港の北西4.5kmの海上に浮かぶ島。面積3.

        • クリエイティブなコミュニティを宿すための試行 ー粟島大絵地図を事例にー

          先日大学で行ったレクチャーの原稿を書き起こしました。 粟島で行った「粟島大絵地図」の制作現場を事例に、創造的な場や集団についてお話ししました。 よろしくお願いします。アーティストの佐藤悠と申します。 今日は阿部慶賀先生が最近出された「コミュニティ・オブ・クリエイティビティ」をヒントに、自分の活動を振り返りながら、自分にとっての創造的な集団や場と言うものが、どういうものかを、皆さんにお伝えして行きたいと思います。 最初に自分のこれまでの活動を紹介しながら、後半はクリエイテ

          • 【実況する美術鑑賞#57】マリー・ドニーズ・ヴィレール「マリー・ジョセフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ(1868年没)」【60分で1記事】

            先日久しぶりに展覧会へ行ってきました。メトロポリタン美術館展。 国立新美術館で行われていたんですが、このメトロポリタン美術館というのは非常にオープンアーカイブが充実していて、パブリックドメインの画像が沢山使えるので、これまでも鑑賞プログラムでたくさん使ってきたサイトです。 今回は実際に展覧会へ行って、会場で気になった作品を何個か連続で取り上げて鑑賞していきたいと思います。 現地で多少を鑑賞したりとか、資料を少し見たりしたので、いつものように完全に初見という形ではないので

          マガジン

          マガジンをすべて見る すべて見る
          • 【鑑賞】実況する美術鑑賞【名画】
            佐藤悠 / 鑑賞プログラマー
          • 美術鑑賞のあれこれ
            佐藤悠 / 鑑賞プログラマー
          • さんぽ鑑賞ログ
            佐藤悠 / 鑑賞プログラマー

          記事

          記事をすべて見る すべて見る

            【実況する美術鑑賞#56】ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「女占い師」【60分で1記事】

            先日久しぶりに展覧会へ行ってきました。メトロポリタン美術館展。 国立新美術館で行われていたんですが、このメトロポリタン美術館というのは非常にオープンアーカイブが充実していて、パブリックドメインの画像が沢山使えるので、これまでも鑑賞プログラムでたくさん使ってきたサイトです。 今回は実際に展覧会へ行って、会場で気になった作品を何個か連続で取り上げて鑑賞していきたいと思います。 現地で多少を鑑賞したりとか、資料を少し見たりしたので、いつものように完全に初見という形ではないので

            【実況する美術鑑賞#55】ピーテル・クラース「骸骨と羽ペンのある静物」【60分で1記事】

            先日久しぶりに展覧会へ行ってきました。メトロポリタン美術館展。 国立新美術館で行われていたんですが、このメトロポリタン美術館というのは非常にオープンアーカイブが充実していて、パブリックドメインの画像が沢山使えるので、これまでも鑑賞プログラムでたくさん使ってきたサイトです。 今回は実際に展覧会へ行って、会場で気になった作品を何個か連続で取り上げて鑑賞していきたいと思います。 現地で多少を鑑賞したりとか、資料を少し見たりしたので、いつものように完全に初見という形ではないので

            【実況する美術鑑賞#54】マネ「フォリー・ベルジェールのバー」【60分で1記事】

            ・5分の鑑賞で気づいたこと 知ってる作品なんですけど・・すでに知ってる知識としては、確か女性の後ろにあるのが鏡で、この女の人の後ろ姿が右側に写っているっていうのは聞いたことがあって・・ 空間的にはちょっとおかしいっていうか、ぱっと見はこの2人の姿は別人に見えますよね・・パーティーで似たような服を着ている女性が2人いるような感じだったりとか、お店みたいなところでお店のユニフォームを着た別の店員さんが2人いるとか・・そういう感じの2人に見えるんですけどね・・後ろから見た顔のと

            【実況する美術鑑賞#53】ルノワール「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」【60分で1記事】

            ・5分の鑑賞で気づいたこと ルノワールの作品だったと思います。何度か見たことはあるんですが、あまりちゃんと見たことはないですかね・・ 「昼下がり」って言葉が似合いそうな絵ですけども、午後の感じですかね。野外でいろんな人が集まって、多くの人はダンスをしている感じかな。ダンスをしている人の顔が絵の鑑賞者、私達の方に意図的に向いてるような気がしますね。 男女が踊ってるので、相手のことを見つめていそうですけども、絵の中で目立つところにいるような人たちは、相手のことよりもどっちか

            【実況する美術鑑賞#52】フェルメール「真珠の首飾りの少女」【60分で1記事】

            ・5分の鑑賞で気づいたこと「真珠の耳飾りの少女」という作品で・・真珠の耳飾りが耳に光ってるんですけど、周りも真っ暗で、その中で耳飾りにものすごい光が入って、ハイライトがピカッと光っているって言うのと、黒目のところも、もうもはや真珠ぐらいツルツル・ピカピカな感じだったりとか・・鼻筋の光とか、唇の強い光ってのが印象的だなっていう感じがしますね。 よく見ると、微妙にこのターバンのところとかにもポツポツとこの白い点が入っているのは・・これは布のそういう柄と言うか模様なのか、それとも

            【実況する美術鑑賞#51】ラファエロ「神殿から追放されるヘリオドロス」【60分で1記事】

            ・5分の鑑賞で気づいたこと 半円状の画面に描いてある絵ですね。上の方がたぶん実際の建物なんでしょうね。装飾の細い壁面・・教会とかですかね。そういう中に描かれた壁画っていうことでしょうか。 絵の下の方には、この画面を頭に乗っけてるような彫像が4体ほどありますが・・これは本物じゃなくて絵っぽいですね。イリュージョンと言うか、本物の建物の中に絵として建物の彫刻の一部分まで描かれていると言うな感じでしょうか・・ なんかアテナイの学堂とかを思い出しますが・・大きく奥行きがまずある

            美術鑑賞を体験するゲームを作りました!

            美術鑑賞を体験するアドベンチャーゲームを作りました! こちらのサイトから無料で遊べます!! https://novelgame.jp/games/show/6093 クリックやタップだけで遊べるので、難しい操作は必要なし。 選択によって、得られる情報や作品解説に変化が生まれ、 1つの作品から様々な気づきや発見が生まれます。 バッドエンドはありません。 必ず結末にたどり着けるのでご安心ください。 *プレイ感想などいただけると嬉しいです。 (ネタバレに配慮ください)

            【実況する美術鑑賞#49】モネ「散歩、日傘をさす女性」①

            では、まず作品を5分鑑賞して、発見したことを書き出します。 ・最初の鑑賞で気づいたこと モネの日傘をさす女性の絵ですね。 すごく晴れた空の中で、日傘をさす女性と子供・・ 男の子かな?女の子っぽい感じもちょっとあるけれども・・ 空の雲がすごい筆の跡がすごくわかるような塗り方で・・ 横と縦に、十字っぽい感じで塗ってるような気もしてくるし・・ ちょっと風の流れみたいなものを感じるかな・・ それは女性の顔の所の・・ これはべールか何かをしてるのかな? かなり大胆に顔のところに線

            【丸ごと文字起こし】美術鑑賞プログラム【ラ・ジャポネーズ】

            今年の春から、プライベートレッスン的なオンライン鑑賞会を行っています。 高校生1人と、小学生の親子の、2組3人というメンバーで、月1回、一つの作品を見ながらいろんな鑑賞のワークを行っています。 時間は1回約90分。対話型の鑑賞で互いに感想を聞き合ってもらったり、絵を見ながら絵を描いたり、鑑賞の途中に散歩に出てもらったり、瞑想やマインドフルネス的な時間を挟んだりと、毎回ちょっと変わった作品へのアプローチをいろいろと体験してもらってきました。 特に最近は作品の捉え方やイメー

            違和感で見る「違和鑑賞」 (中学社会科授業として)

            こんにちは。アーティスト・美術鑑賞プログラマーの佐藤悠です。 21年11月に東京大学教育学部附属中学校で行ったプログラムを紹介します。 中学3年生の社会科の授業にアートワークショップを挟み、当時の文化に触れながら理解を深めるという独特なカリキュラムで、「日本文化が海外に与えた影響について」という内容が私の担当でした。 そこで、モネ「ラ・ジャポネーズ」を鑑賞しつつ、「ジャポニスム」について紹介する授業を行いました。生徒さんにはタブレットが支給されているので、そこに作品

            【実況する美術鑑賞#48】モネ「印象・日の出」② リサーチ編

            では、10分を目安に作品について調べ、感じたことを書き出します。 ・調べて感じたことこの絵は印象派のきっかけとなった絵ということで、僕は野外で描いたのかなって考えたんですが、どうも部屋の窓から風景を描いたというような説があるみたいで、半分アトリエ、半分野外みたいな、そういう場所で描いたのかなって思いました。 ル・アーブルという港の朝の風景で、霧がかかっていたので、こういうモヤモヤ感があるそうです。出来たばっかりの港で、まだ工事のクレーンが右の方の奥の景色に残っていて、鉤爪

            【実況する美術鑑賞#47】モネ「印象・日の出」①

            では、まず作品を5分鑑賞して、発見したことを書き出します。 今回から、しばらくモネの作品を見ていきます。 ・最初の鑑賞で気づいたこと「印象・日の出」という作品ですね。今までもレクチャーとかで何回も扱ってきましたけど、ちゃんと見てみるとどうなのかってところですね・・ まずやっぱり中心に近い、日の出の赤に目が行くっていう感じですけど、その日の出のお日様に、筆で描いた跡がよ〜く見えて、こんな風に筆を動かしたんじゃないかなっていうのが分かる気がしますね。 色は重ねてありそうなの