【災害から身を守る vol.1】相手の正体を知ろう
私が専門として学んできた地質学は非常に面白いしワクワクする学問です。
でも世間ではまだまだ認知されていない印象です。
最近ではブラタモリのおかげで興味を持ってきた人も増えたかもしれませんが・・。
やはり日常の中で具体的に関わるようなものじゃないと、なかなか興味が湧かない人も多いと思います。
このシリーズでは、そんな人たちに知っておくと得をする災害から身を守るための地質のお話しをしたいと思います。
第一回は「相手の正体を知ろう」です。
彼を知り己を知れば百戦殆うからずとは孫氏の兵法の一節として有名ですよね。
災害もそうです。身近で一番起こりそうな災害を、まず知る。そして備える。これだけでも助かる命がたくさんあると私は思っています。
その前段階として、災害の種類を見てみましょう。
災害の種類
みなさん既にご存じとは思いますが一口に災害と言っても色々ありますよね。最近では新型コロナウィルスで大変な状況になっていますが、感染症も災害の1つです。
でもそこまで広げてしまうと私の専門外になってしまいますので、ここでは地質学と関係が深い災害について紹介したいと思います。
地震
みなさんも災害と言えば真っ先に思い浮かぶのが地震でしょうか。
地震は大きく分けると2種類あります。
1つは海溝型地震と呼ばれるもので、代表例でいえば東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震があげられます。
今は東南海地震への危機感が高まっていますが、これも海溝型です。
震源は遠いのですが規模が大きいと被害は大きく、また津波の危険もあります。
2つめは内陸地震または直下型地震と呼ばれる地震です。
これは日本列島をつくっている地盤にある活断層がズレて起こる地震で、地震としての規模(マグニチュード)はそこまで大きくない場合でも、すぐ直下が震源なので揺れが強く、大きな被害が出ます。
直近では北海道胆振(いぶり)東部地震。
また熊本地震や岩手宮城内陸地震、新潟県中越地震、兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)なども直下型地震です。
なおトップ画像は岩手宮城内陸地震で発生した荒砥沢地すべり(林野庁ホームページより引用)です。地震が原因の地すべりとしては日本最大規模です。
火山噴火
火山噴火といっても小規模なものから大規模なものまでありますが、小規模だとしても近くにいれば被災してしまいます。
2014年の御嶽山の噴火は、規模としてはそこまでではなかったのですが、登山に訪れた多数の方々が噴石の被害で亡くなってしまっています。
仮に大規模な噴火が起こった場合、直近の都市部が被害にあうだけでなく、火山灰が広域に降ってしまうと公共交通網を完全にマヒさせ、火力発電所も機能しなくなるなど甚大な二次被害の危険もあります。
豪雨・台風等による土砂災害や水害
毎年どこかで必ず土砂災害や水害が起こっていますよね。
特に最近では一度に降る雨の量が多くなってきています。
巨大地震や火山噴火は恐ろしいものですが、そこまで頻繁に起こるものでもありません。それでも、日本にいれば一生のうちに一度は身近で経験する可能性はあります。
ましてや大雨による災害は毎年日本各地で起こっているので、そのうち自分も絶対に被災すると思っておいた方が良いと思います。
いかがでしたか?
脅すわけではないんですが、日本に住む以上は絶対に災害に遭うと覚悟してください。
ただ全ての災害に詳しくなり、全ての災害に備えるのは大変です。
まず身近で一番起こりやすい災害は何か?を考え、その対策から一歩踏み出すのが良いでしょう。
次回以降では、それぞれの災害に関する詳しい情報や、なぜ日本でこんなに災害が多いのか?などなど、シリーズ展開していきたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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