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ニーズを起点にした研究をしていれば大丈夫?

ゆーです。

以前、研究者の意識について書きました。

この記事でも、研究者について書いていきます。
ですがこれまた、研究者と一緒に働いている方々も知っておくと良いかも?な内容です。

冒頭に紹介した記事で、“何を基にして研究を開始するか”を心に留めておいたほうがいい、と書きました。

今回は、よく企業で意識される「消費者のニーズに基づいているかどうか?」についての見解を書き記します。
”顕在的?潜在的?”この点も意識したほうがいいと思います。
どちらも探るのが難しいですが、課題に位置付けるのであれば注意が必要なことには変わりません

顕在的ニーズの方がわかりやすいので、こちらを使って話します。
インタビューやアンケートで調査するのが一般的でしょうか?
そこで出てきた問題点や要望を叶えるべく、科学の力を使って解消していく。
そのために研究をする。
こんな流れですかね?

“医薬”の業界では、ニーズがハッキリしてますねー。
最近のコロナも同じです。
「絶対感染しない」とか、「症状が出ても瞬時に治せる」なんていうニーズはありそうです。
これらの特徴は、明確な“負”のポイントが見えていること
苦しみからは誰しも解放されたいので、解消できるのであればお金を払ってでも欲しいモノに
逆に言うと要望はあれど、そのほかの障壁が存在していて「こういうの欲しいなぁ。(でも、使うにはこれもやらないといけないの?それは嫌だな)」みたいな状況だと、ニーズを捉えていても難しい。

例えば、テレビゲームなんてのはわかりやすいです。
「家でみんなで楽しく過ごせるものが欲しい」というニーズがあったとします。
パーティ系のゲームだと、みんなで遊べて楽しそうですね。
でも、その人は普段からテレビゲームをやらない。
そうなると、プレイするためにはハードから買わないといけないですね。
「え?このゲームを遊ぶためだけに、こんなにお金払って色々揃えないといけないの?無理だー」となる。
この時、企業の売りたいのはゲームソフトなのに、それ自体への不満ではなく、他の要因で買ってもらえなくなる

ニーズを的確にキャッチしたのに、購買につながらないんですね。
当たり前のことに見えますが、これは誰の目にも見てわかるハードという存在があるから理解しやすいだけです。
案外見えないことも多く、盲目的に突っ走ってしまうことは、多くの人の共通点です

こういう場合があるので、「ニーズだ!」と決めつけて、研究を開始してはいけないんです。
ただ、厳しい現実ですが、今の世の中、便利なものはいくらでもあるので、よっぽどの困りごとじゃないと、単にニーズに応えても徒労に終わることが多いです。
(もちろん、コピーライティングやブランドの力でどうにかする!ということも考えられますが、ここでは研究者の考えるべきことに絞っています。)
”負”や”不”をどれだけ、やっつけられるか。
便利なだけではダメなんです。
研究者は消費者との距離も遠く、一方的に「課題だ!」と決めつけてしまうことがあるので、気をつけないといけないところです。

つまり!
多くのケースにおいて、その課題が生まれている根源的な原因を探りにいかないといけませんね。
また、並行して問題が複数並んでしまうのであれば、同時に解決していく必要があるということです。

ちなみに、潜在的ニーズではどうか?
原理的には顕在的ニーズと同じです。
なので基本的には、ニーズを探るだけに留まらないよう気をつけていれば、うまくコトが進むかと思います。

ただ、これはそもそも探るのが難しい
研究者であっても、マーケターのような意識を持って“お客さんが実は望んでいるであろうニーズ”を探り出し、それをクリアするように研究を重ねていく。
ニーズに応える部分は同じなので、やり方に大きな差はありませんが、ニーズの探索が難しい領域になります。
(詳しいところは長くなるので、また別の機会にお話しします。)

以上、”ニーズを起点にした研究について”でした。
では、ニーズを基にした研究にしか価値はないのか?
そんなことはないと思います!
ただ、難易度がぐんと上がる気がしています。
これについては、近いうちに書きます。

研究って誰かの前で発表すると、すぐ「その研究、意味あんの?」みたいな批判的なコメントを頂いてしまうのが常です。
立ち位置を説明できるよう、見当違いの方向性を設定してしまわないようにしたいですね。

にしても、マーケターってすごい…。


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