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Void stranger

今回、Steam上のレビューでは少し「全く見たくない」人向けのネタバレを含むと思われる部分を切り分けて本レビューにしました。対してネタバレしてませんが。 読む方は自己責任でよろしくお願いいたします。 作った人:System Erasure 遊んだ:Steam 架空を論理的に積み上げていくことに意味はある。 フィクションとの付き合い方というのは人間の永遠の命題だ。 何かに立脚していないフィクションは絵空事になり、重みをもちえない。 その点で本作はゲームのフレーバーとしての

    • The Case of the Golden Idolの日本語化をしました。②

      しました。 1の記事がメインですので、1からどうぞ。  本記事ではローカライズに当たって、色々やったことを忘れないうちに書いておきます。 7/10くらいに確か、やる!って言ったんだと思います。 自分が実況プレイしてたときに、クリア済の人が盛り上げてくれたので。つまり持つべきものは視聴者やね。 ・まず、文字だけ差し替えるのはアンパック・リパックツールで簡単そうだったのでやってみたけど、これじゃあ回答欄とかが変えようなかったので詰み😭 ・ふーむと考え、マウスをポチポチして

      • The Case of the Golden Idolの日本語化をしました。①

        しました。 http://yupika.dilettantegames.net/nukadoko/goldenidol ↑からぜひどうぞ(1/8 ドメインが失効してたので別の取りました) 以下は遊んでほしいので書きました。 タイトル:ゴールデンアイドル、または物語の楽しませ方について。 ではどうぞ  The Case of the Golden Idol~黄金像事件~は、2022年に発表された作品で、テーマはミステリーだ。  このゲームの何が面白いかというと幾つもあるけ

        • 【こぼレビュー】結婚するって、本当ですか?

          書いた:若木民喜 出した:小学館(ビッグコミックスピリッツ)  大原と本城寺は職場で出会い、結婚する。  日本には「失われた三十年」、という言葉がある。これは、高橋留美子がめぞん一刻を書いて以来の恋愛マンガ不作の年月を表す。  本作はめぞん一刻に挑戦した一作で、かなり成功しているといえる。結論から言えば失われた三十年がようやく終わったと思える会心の出来である。  まず、めぞん一刻に挑戦するには現代的なアップデートを図らねばならない。これがまず大変な作業でふつうめげる。そ

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        • こぼレビュー
          53本
        • 随筆
          10本

        記事

          [こぼレビュー]フランチャイズ つくだ☆マジカル

          書いた:小田扉 出した:小学館(連載は読売中高生新聞)  あつみが働くコンビニつくだの店主であるボナンザは魔法使いであり、かつて同僚の三人と共に魔王と戦ったことがある。  不条理な驚かせがいのあるギャグと意味のあるストーリーを連結させることは難しい。だが、1話完結ギャグ漫画には赤塚不二夫の幻影があり創作が難しい。  この問題に取り組むにあたってストーリーを追いかけてるようで完全にストーリーを手放した作風のうすた京介がウケたのが90年代。その方法とは「部分部分で見れば意味が

          [こぼレビュー]フランチャイズ つくだ☆マジカル

          [こぼレビュー]二月の勝者

          書いた人:高瀬志帆 載せてる:小学館(スピリッツ)  過去に自分が教えた空手教室の生徒に満足な戦績を残せなかった苦い経験のある佐倉は新入社員として入った都内中堅中学受験塾で大手学習塾から転職で来た塾長黒木と共に新小学六年生の中学受験を受け持つことになる。  商業ベースにはドラマ作りの理想と限界がある。  キャラクターベースのストーリーは読みやすさの確保に貢献する。たとえば、まずは卵アレルギーの大食い少年Aがバケツプリンを食べたいストーリーとする場合、アレルギーなのに食べ

          [こぼレビュー]二月の勝者

          【こぼレビュー】トクサツガガガ

          書いた:丹羽庭 出した:小学館(スピリッツ)  隠れオタクとして特撮ファンをやっている社会人中村叶は、余り隠せていない少し年上の吉田や似てて非なるジャンルのアイドルオタクの北代などと出会い楽しく過ごすが、その人生には趣味を全否定する自分の母親との対決が控えていた。  この作品を語る時にまず指摘したいのが「目玉焼きの黄身 いつつぶす?」とかぶる時期が多い連載であることだろう。どちらも実生活では重箱の隅のようなジャンル・趣味を拡大し、あえてこだわり、それをまた、うまく本筋への

          【こぼレビュー】トクサツガガガ

          [こぼレビュー]三国志真戦とか

          作った:知らん 遊んだ:Android(Pixel5a)  リビングゲーム…活きているゲームとはなんなのか。それは他のプレイヤーとの交流に他ならないかもしれない。  三国志真戦は重課金の代名詞トラビアンから続くプレイヤー同士の殴り合いのゲームで、その筋で言えばかなり洗練されたところにある。  トラビアン自体は調べてもらったほうがいいけど簡単に書いておこう。  トラビアンは膨大なマス目の陣取り合戦で、1マスには資源・何もない・もしくは1国が存在する(もうちょっと色々あるかも

          [こぼレビュー]三国志真戦とか

          DEATHLOOP

          作った:ベセスダ 遊んだ:Steam(マウス+キーボード)  シンプルなフラグを豊かに見せるのがデザインされたゲームである。   デスループはFPS版クロノトリガー+FPS版ムジュラの仮面(シルフェイド幻想譚、YU-NOでもいいけど…)ともいうべき、時間の繰り返しをテーマにフラグ立てパズルを解くゲームだ。好きな攻略順、膨大な脇道…こう書くと自由度が高そうだがクリアという一点においてはほぼリニアな構造を取っている。  脇道に逸れることも必ず必要なYU-NOや多岐にわたる展

          DEATHLOOP

          2022の音楽レポート

          概要:  アップルミュージックの契約も2年目に突入した。  1年の動きを自分の中で追えるように、「新規開拓 2022」というリストを作って気になったのを入れていったんだけど、これが結構よかった。  このリストを振り返りながら、自分のきもちと向き合おうと思います。リストの順番は追加した順番ですので、ほぼ聞いた順の時系列になります。 (Apple musicのNew musicはあなたが再生したことない曲という意味で、まぁまぁ古い曲もオススメにだしてくるので、今年出たとは全然限り

          2022の音楽レポート

          [随筆]トリュフごつごつのカタマリ。

            トリュフというチョコレートがある。たぶんトリュフという茸に見た目が似ているためにこの名前となった…という話なのだろうが、あえて調べてはいない。  それどころか実際にきのこのトリュフを掘ったことも買ったことも、育て方も知らないので、トリュフというのが本当に高いのか、実は肉に載せてるやつも実際はあれで500円くらいでまぁまぁ見合ったくらいの金額なのかもわかってない。もしかしたらチョコレートが先でトリュフ茸の栽培がうしろの可能性だってある。とまぁ、想像の余地というやつでこうい

          [随筆]トリュフごつごつのカタマリ。

          俺のマーベルスナップ論(今日から始めるチート付与のマベスナ転生)

           マーベルスナップは12枚の価値変動しやすいカードを使った競りゲームです。  グウェントによく似ているけど、グウェントのどっちが勝つかわからない運ゲー感を逆手にとってスナップというダブリングキューブに似たシステムで自分の勝ち負けをギャンブル要素にしたせいで勝とうが負けようが楽しい。お金を賭けてるわけじゃないし。  まだカードプールが初期なので見てないカードも多くランク変動あれば書き足します。  基本的なこととして、このゲームは慣れるまではマナカーブは111122334456

          俺のマーベルスナップ論(今日から始めるチート付与のマベスナ転生)

          [こぼレビュー]マーベルスナップ

          作った人:知らん やった:Pixel7  ライフタイム・ゲーミングの時代が来ている。  ライブ型ゲーム・運営型ゲームという名前も久しく遠くなった。商業ゲームは沢山遊んでもらうことを目的とすることで、ブランドを確立しようとしている。開発費と広告宣伝費は≒になりつつある。  さて、本作は2人対戦型の競りゲームだ。流れとしてはバトルライン(ショッテントッテン)やArtifact、そして何よりGWENTから来ており、3ラインで戦う。GWENTが一番近いです。  同時手出しのゲーム

          [こぼレビュー]マーベルスナップ

          【こぼレビュー】機動戦士ガンダム サンダーボルト

          書いた:太田垣康男 読んだ:マンガワン  ガンダムシリーズの派生の世界観でのストーリーである。  物語は初代ガンダムのラストのア・バオア・クー攻略戦に近い時期から始まる。戦争によって破壊されたコロニーやデブリだらけのサンダーボルト宙域を地球連邦軍は攻略しようとするが、そこにはジオン軍の凄腕のスナイパーがいて手をこまねいている。  凄腕のスナイパーであるところのダリル・ローレンツ曹長を擁するリビングデッド師団は、開発中のサイコザクの実験を兼ねた部隊でありすべての隊員がカタワで

          【こぼレビュー】機動戦士ガンダム サンダーボルト

          【こぼレビュー】ぐれいてすとキャッピー

          作った人:あきろう 遊んだ:PC(Xboxゲームパッド)  パズルゲームには正解がなくてはいけない。  これは割と、作り手にとってはキツい命題である。  なんでかというと、難易度のコントロールがとても難しいからだ。  例えばスーパーマリオブラザーズの一度食らってもOKなキノコ取得状態、コレなんかは保険としてAでダメージを受けてもBでダメージを受けてもゲームを続行できるよう機能している。ロックマンみたいなHP式なんてのもそうだ。プレイヤーは一律の腕前ではないからそれを許容す

          【こぼレビュー】ぐれいてすとキャッピー

          【こぼレビュー】HYPER DEMON

          作った:sorath 遊んだ:Steam(マウス+キーボー)  FPSにとって敵AIとは大きな棚上げされつづけている課題である。  Quake(1998以前くらい)なんかの頃のFPSは動画で見てもわかる通り単に自機に向かってくる敵だった。これは以前話したことがあるけど特に敵にきっちりとした「思考」を感じたのがNo one lives forever(2000年くらい)というゲームで、敵は状況に応じてそれなりの動きをし、打ち合いになるとカバーアクションをして壁から顔を出して

          【こぼレビュー】HYPER DEMON