[こぼレビュー]三国志真戦とか

作った:知らん
遊んだ:Android(Pixel5a)

 リビングゲーム…活きているゲームとはなんなのか。それは他のプレイヤーとの交流に他ならないかもしれない。

 三国志真戦は重課金の代名詞トラビアンから続くプレイヤー同士の殴り合いのゲームで、その筋で言えばかなり洗練されたところにある。
 トラビアン自体は調べてもらったほうがいいけど簡単に書いておこう。
 トラビアンは膨大なマス目の陣取り合戦で、1マスには資源・何もない・もしくは1国が存在する(もうちょっと色々あるかも)。1マップには1000*1000くらい?もっと大きい?マップがあり、500人くらいがいると考えてくれ。それらが少ない資源を取り合い、もちろん喧嘩となり、最後はこの1国同士がクランとなって集まって大戦争するわけだ。楽しいはずだよ。
 しかし、トラビアンは一方でこの戦場(マップ)を同時に100とか200サーバー稼働させている。リアルタイム対戦かつこの人数、月額のサーバー代も三桁万円では効かないはずだ。そんなわけでこのプレイを支えるゲーム代がユーザーにも必要となる。だから、トラビアンはすごい。お金で何でもできる。戦争をするには体力や兵隊が必要だが、どっちも課金で解決できる…とまぁそんな具合だ。青天井課金で戦うため、とんでもないことになる。

 この青天井課金が恐れられてはいるが、同時に運営にもユーザーにも魅力的なゲームシステムでもあるため、このトラビアンは形を変えつつ今でも沢山発表されている。最近ではかのシビライゼーションすらこの軍門に下った。

 これは珍しく完全に個人的な話だが、このトラビアンシステムは「人」がいないとどうしようもない。チャットが実装されており、やり取りのもとに喧嘩をするかどうか決めるのが大事だからだ。なので、いわゆるポイ活によくでてくる。ようするに有償サクラやね。三国志真戦も遊ぶだけで確か当時のお金で五千円くらい(今で換算すると4000円くらい)もらえたから入れてみたわけ。

 ようやく本題。
三国志真戦はトラビアンからかなり脱却していて面白いゲームだった。
 まず、これは最近のこの手のゲームにはよく実装されているのだが、サーバーが始まった時から時限式にイベントを起こしていくしかけだ。つまり、最初からバチバチにはならない。内政などまずはチュートリアルを兼ねて優しく教えていく。いわゆる国レベルみたいなものがあり、3日はかけないとそもそもクランに所属もできない。で、時限式イベントが3段階目、二週間くらいでようやく「中央(漢帝国なので洛陽とか)」への進出ができるようになってくる。つまり全体マップのうち、真ん中を最後に取ったものが勝ちで、それに向けてゲームメイクしていくという全体の導線がある。最初の地方で大体でかいクランが決まるし、大体本当に三国志になるっぽい(一回しか遊んでないので再現性はわからない)。トラビアンの頃のヴァルハラさながらの血を血で洗う百年戦争ではないわけだ。

 トラビアンは遠い距離は相応に時間がかかるだけでどの領地にも進軍できたが、本ゲームは占領という概念があり、占領隣接までしか進めない。つまり、一歩一歩占領して確保する必要がある。このため、他ユーザーとの国境線は明確になり、直接本国を殴る蹴るのゲームではなくなった。と同時に、一人一人の領土がクランの領土となるため、無課金でもただ土地を取って広げていくだけで課金者の役に立つ感じにもなる。この土地を広げたりする実働の部隊は課金でも増やせず一律3部隊までなので、また、100ある体力(1分に1回復するいつものやつ)が一歩で1ずつ減るため遠方に行くには途中で砦などの中継地点を建設し挟む必要もあり、例え課金者といえどもあっちの戦端こっちの戦端とはいかなくなっている。
 こういう課金と無課金のウィンウィンスタイルを結構模索しているようにも見えるところは好印象だ。
 その一方で、一度戦いが始まると完全な課金マッチになる。このゲームは最近のゲームなので当然ガチャがあるのだが、1部隊に部将を3人、この3人の部将には属性やら特技やらなんやらの設定があり、まぁ大体じゃんけんの構造をしている。相当引かないと出てこないすごいレアに、更にそれを育てるために相応の資源を投入してようやく戦えるようになる。
 ここは青天井ではないとはいえ、マックスを目指すなら一万円や二万円で埋まるものではなくとんでもないことになる。やってないので見積もりもできないが3部隊とも戦える最低ラインが10万円くらいではないだろうか。
 但し、無課金の人間では相手の兵隊を削ることもほとんどできないので、本当に無双できてしまう。そういう意味では金の貼りがいはあるのだろう。しかしそれでも最後に待っているのは相性のじゃんけんで、高課金同士でもどうにもならないことは多い。特にこのゲームは「ここで当たってください」ともいうような隘路や橋が設定されており、一度取られてしまうと歯止めが効かないし逆に大事なタイミングで抜けなければそのままずるずる負けてしまう。その橋などを挟んで相対する瞬間は無課金でもドキドキできるのですごく楽しい。チャットも盛り上がる。

 そんなわけで、現代のトラビアンは無課金と課金の垣根をゲームデザインでゆるく繋げようと、それでいてそこそこ以上の課金は生まれるようにしようとしている・・・という話でした。

 〇番外・ウォーキングデッド・サバイバーズ

 ウォーサバ、またはポリコレオブザデッドはウォーキングデッドのトラビアンだ。何がポリコレかというと、戦士がレベルアップごとに男から女になったりして、完全に男女の出番が等分されている。怖いよコレ…。

 で、ゲームとしては始まったばかりなのに三国志真戦からすると2割くらいしか面白いポイントはない。このゲームは面白くない代わりに、すごい物量で来る。ダーツみたいなおまけゲームやビンゴカード、デイリーのボーナスでタップするところはゆうに20を超える。嘘じゃないぞ。すごいんだ。
 更に課金の選択肢はそれぞれにあり、ビンゴカード、資材、金で買えないものはない。お得な課金というのが24時間提示されつづけ、課金の選択肢も30くらいはある。それで何か深いゲーム性があるのかというと、ないんだな。ほぼ戦争がないトラビアン。
 そう、このゲームはPVPを面白くしようとした三国志真戦とは真逆で、徹底的に自分の箱庭作りになってる。いちおう殴って資源を取る要素はあるが、その必要もない。何故なら一日中ビンゴカードに忙しいからだ。
 全く面白くもなんともないんだが、義務とはいえ押すボタンが何時にあると思うときっちり起動していたりする。不思議なもんで、いや不思議じゃないか。霊長類研究所の人語を話せるチンパンジーのアイちゃんの気分だわな。
 そんで面白いのが、このゲームはチャットにも翻訳機能が備わってるし、実際に俺の所属するクランはボスがフランス人でよくしゃべってるのはトルコ人だ。国際社会の入り口はゲーム。そういう時代なのかもしれない。

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