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ラマダン断食中に出産しました

前回の記事で妊娠36週でラマダン断食をしていることを書きました。

★ラマダン断食とは、一年に一度行われるイスラム教徒の1ヶ月間の断食のことです。断食は昼間のみで夜間(日没〜日出まで)は飲食が可能です。

そしてそのラマダン真っ最中の先日、私はついに出産をしました。

ラマダン中の出産はとても大変でしたが、同時にたくさんの学びがありました。

出産を終えて少しずつ身体も回復してきているので、忘れる前に今回の出産について書きたいと思います。

※私の出産記録みたいな感じなので、日記のように読んでいただけると幸いです🙏


3/25 ラマダン断食をはじめて2週間経過。
妊娠36週と5日目で、妊婦健診がありました。
赤ちゃんの大きさは2430g。
先生から元気で問題なしと言われたので安心しました。

昼間は断食をしていましたが、夜にしっかりと栄養を摂るように気をつけていました。
ジャンクフードやケーキ、ドーナッツなどの砂糖の多い物はほとんど食べていません。
デザートは、ケフィアという身体にいいバクテリアが豊富なヨーグルトドリンクに冷凍フルーツや牧草飼育牛のプロテインパウダーを入れて食べるなど栄養価の高いものにこだわっていました。

また、ラマダンが始まる前の検診では体重増加について先生から注意されていましたが、今回は2週間でプラス0.5kgで特に何も言われませんでした。

ラマダンが始まって食べられる時間が制限されることで、より赤ちゃんと自分の健康について考えるようになりました。
このラマダン断食は、赤ちゃんの健康や身体の成長と向き合う大事な期間として神様が私に与えてくれたのかもしれません。感謝です。

3/30 妊婦健診。この時点で37週4日。
赤ちゃんが2700gの大きさに育ってました!
1週間もしないうちに300gも成長するなんて。
栄養がしっかり摂れているようで良かったです。

4/4 朝からいきなり腰と下腹がギューっと痛くなり、前駆陣痛が始まりました。初めての妊娠でそもそも陣痛を知らないのですが、ネットで調べた感じこれが陣痛なのだろうと思いました。昼間はまだ痛みが軽かったので断食は続けていました。
夕方ごろから痛みがどんどん強くなっていきました。
日没後は飲食OKなので夕食を食べました。
夕食中は10分おきくらいで何度も腰が締め付けられるように痛くなりました。
無事にこの日の断食を終えられたことには安心をしていましたが、もうこんなに痛いなら明日は断食はできないなと思っていました。

そしてその日の夜中。
本陣痛が始まり寝ることができない状態に。
深夜1時ごろにクリニックに向かいました。

次の日 4/5 午前5時。
元気な男の子が生まれてくれました✨
ラマダン断食を最後までやりたかったのでラマダン明け(4/10以降)に産まれて来てほしいなという気持ちもありましたが、無事に産まれてくれたことが1番。本当に人生で最も感動した瞬間でした。

産まれる前日のギリギリ(4/4まで)断食をやっていたので、ちゃんと大きく育っているか心配だったけれど、無事2805gで正常な大きさ、そして元気に産まれてきてくれました。
分娩はちょうど夜で、ラマダンは夜間は飲食ができるので、しっかりと夜ごはんを食べた状態で出産に挑めました。(とはいえ、出産が近づくにつれて陣痛の痛みや緊張で気持ち悪くなり、結局、病院に向かっている車で少し吐いてしまいましたが…)
また、ありがたいことに夜中の12時ごろから陣痛が始まって、その5時間後くらいには赤ちゃんが産まれて来てくれたので、初妊婦にしてはそこまで長いお産ではありませんでした。
産後4日目には母乳もしっかりと出るようになり、5日目にはボタボタと勝手に出てきてしまうほどに。
赤ちゃんもしっかりと母乳を飲むことができ、何グラム飲んでいるのか計測してもらったら1回で40g飲んでおり助産師さんから褒められました👶
断食をしていたカラダでしっかりと赤ちゃんを産めるのか心配でしたが、母子ともに健康で、赤ちゃんが元気に産まれてくれたことが本当にうれしいです。
神様に心から感謝します。ありがとうございます。

ラマダン期間中は食べられる時間が日没後〜日の出前なので、毎日21:00に就寝して深夜3:30ごろ(日の出前)に起きてサフール(断食前の食事)を食べていました。
赤ちゃんの授乳でも夜中に何度も起きないといけません。
ラマダン期間中に夜中に起きる習慣が身についていたので、それが赤ちゃんの夜間授乳に役立っている気がします。
ラマダンは私にとって赤ちゃんを育てるための準備期間でもあったのかもしれません。(もちろんラマダンは夜中に一回起きるだけでいいので、赤ちゃんの授乳の方が大変ですが😅)

初めての出産がラマダン期間中で不安や大変なこともたくさんありましたが、これは私の出産に必要な期間だったのだと思います。

こんなすばらしい経験ができたことに、本当に感謝します。ありがとうございます。

余談にはなりますが、今回の出産は夫が仕事の出張の日と重なっていたので、夫ではなくお母さんに立ち会いをしてもらいました。
夫も一緒にそばにいて欲しかったですが、これも神様が選んでくれた日。仕方ないですね。今回の出産に夫は立ち会わない方が良かったのでしょう。

夫曰く、ラマダン中でさらにイスラムにとっていい曜日の金曜日に生まれたことはとても良いことだそうです。
赤ちゃんが産まれたのはラマダン最後の金曜日だったので、赤ちゃんもこの日を選んで出てきたのかもしれないです。

妊娠、出産という今までにない大きな経験をしましたが、これから日本でイスラム教徒の子を育てるという、新たなステージが始まります。

大変なことはこれからもたくさんあると思いますが、夫や家族と一緒に楽しみながら子育てができたらなと思います。

また何かあったらこのnoteに書いていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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