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温かくて、痛い。

是枝監督の映画
「ベイビー・ブローカー」を見てきました。

彼らが汚いかと聞かれたら、
"美しい"と言う。

でも、

彼らが正しいかと聞かれたら、

私は「正しい」も「正しくない」も
答えるのを躊躇してしまう。


登場するのは
決してまっとうな人間たちではなく、

それぞれが、歪。


それでも、

私たちが見せられたひとときは
とてつもなく温かく、

それ故に、痛かった。


生きてきた道のりは
決して後戻りできない。

それは、その道のりが

ひどく険しくても、
幸せなものでも。

それが、

自分のせいでも、
他人のせいでも。


後戻りはできないけど、

生きてる限り、進むことはできる。

私はそれを、"希望"と言うのだと思った。


この世に生まれなければ良かった命など存在しないと自分は彼らに言い切れるのか?

お前なんか自分なんか生まれなければ良かったという内外の声に立ち向かって強く生きようとしている
あの子どもたちに向けて、自分はどんな映画を提示することが出来るだろう。

作品作りの中心にあったのは常にこの問いだった。
(下記リンクの監督のメッセージから引用)


これは決して、他所の話ではない。

日本にはびこる貧困、格差。

この映画で感じた

「もし、◯◯だったら…」は、

私たちの身の回りにもあることを
忘れてはいけない。

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