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OLIVE DELLA YUKI

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OLIVE DELLA YUKI が綴る、オリーブオイルづくりに纏わるストーリー
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#自然栽培

次から次へと…

次から次へと…

7月も前半が過ぎ去ろうとしている。

オリーブ畑は、すっかり夏の気配で
あちらからも、こちらからも
蝉の鳴き声が、けたたましく聞こえてくる。

6月には、小さな実だったオリーブも
ひと回り以上大きくなっている。
昨年に比べたら、割についているんじゃないかと思う。

アパートの改装で、立ち寄った世話役フランコも
「今年はいいんじゃない?」と
太鼓判を押してくれた。

「ただ…」

え?ただ…何?

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6月のオリーブ畑

6月のオリーブ畑

5月の中頃に咲いた花が
その翌々週には、チリチリとした茶色に変わっていた。

一瞬、焦る。

今年は思っていたより雨が多く、
そのおかげで、いろんな花が咲き、
雑草もグングン背を伸ばし、
凄い勢いだなぁ…と圧倒されるのとは裏腹、
オリーブの花が茶色く枯れたような姿になっているのを見たら、
枯れてしまったのかと思い、
その原因を探ろうとも、わからず
なんとも解せない気持ちになる。

よく見ると、

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いろいろある、決まりごと

いろいろある、決まりごと

5月の中頃に咲き始めたなぁ…と思った花は、
小さな小さな実を膨らませ始めている。
オリーブの、花の命は短い。
咲き始めて4〜5日くらいで、散ってしまうのだそうだ。

先々週の話になるけれど、
会計と経営コンサルタントを委託している組合から、呼び出されていた。

「いろいろまた、規定が変わったのでね…」

イタリアの規定は、ころころ変わるんだそうだ。
そういえば、オリーブオイルのラベルを作った時にも

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自然は本当によく出来ている。

自然は本当によく出来ている。

5月の半ば。
例年通り、オリーブは花を咲かせた。

いつもの年に比べると、とても寒い春。
日中こそ20度を超えるものの、朝晩はグッと冷え込み
10度以下になる事もしばしば。
雨もよく降っている。
ちょっと前まで、イタリアのニュースでは、水不足と謳っていたけれど、
それは多分、違う地方のことだ。

雨が降るのは良いけれど、
この冷え込みが、オリーブに影響を与えるんでは…と
ちょっと心配している。

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終わらない仕事

終わらない仕事

オリーブ畑には2軒のアパートがある。

いつかこれを
ツーリスト向けに貸そうと、工事を始めたのは、今はもはや、2年前。
そうしたら、組んだローンの返済も出来る…と考えてのことである。

当初、必要な書類さえ整えば、
政府からの補助金が出ることで
あちらでも、こちらでも
改修工事を始めたところは、少なくはなかったかと思う。

時は、コロナ禍。
滞る資材の調達、その上、増加した改修工事。
工期は大幅に

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さあ、いざ!という時になって…

さあ、いざ!という時になって…

4月の割に寒い日が続き、
週末には雨が降るのが続いていて、
最近、ようやく春らしくなってきた。

雨が少ない…と言われているイタリアだけど、
わがオリーブ畑の雑草の成長具合は激しく、
なんなら
頑張って、トラクターでも運転してしてみようか…と
思い立ったが吉日で、
ご近所さんにお願い申し、
運転の仕方を教えてもらおうと
トラクターのある納屋を
その日、久しぶりに、のぞいてみたのであった。

オリー

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春の作業

春の作業

すっかり春。

日本のように、暖かくなった…と思えば、
急激に冷え込んだりして…を繰り返す中で、
気がつけば、新芽が吹き出し、
何にもないようなフリをして、
でも、確実に成長していく、オリーブたち。

根本から、勢いよく上に伸びる新しい茎は
土からの栄養を奪ってしまうから、
早々に切り取る作業をしている。

「人間と同じなのよ…」

近くの園芸センターのおばちゃんが
そんな事を言っていたなぁ…と思

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有機栽培と自然栽培

有機栽培と自然栽培

3月も終わり。

昨年、大掛かりな剪定をしたから、今年はやるつもりもないのだけど
一本一本、様子を見ていく。

よくよく見ると、
枯れたように思える枝にも、ちゃんと葉っぱがついていて
枝分かれした先の
栄養素がとどいているか否かが、分かってくる。
栄養素がとどかなくなった枝は、
次第に枯れてくるから
そういう部分だけを切り落としていく。

オリーブの木をもう少し増やそうかな…と思っていたのだけれど

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