春の作業

すっかり春。

日本のように、暖かくなった…と思えば、
急激に冷え込んだりして…を繰り返す中で、
気がつけば、新芽が吹き出し、
何にもないようなフリをして、
でも、確実に成長していく、オリーブたち。

根本から、勢いよく上に伸びる新しい茎は
土からの栄養を奪ってしまうから、
早々に切り取る作業をしている。

「人間と同じなのよ…」

近くの園芸センターのおばちゃんが
そんな事を言っていたなぁ…と思いながら、
一本一本、その様子を見ていく。

元気よく育っている子もいれば、
ちょっとひ弱で、大丈夫かなぁ…と心配してしまう子もいる。
それでも、それぞれのテンポで成長しているわけで
決して、諦めてはいけない。

枯れたのかと思った先に、しっかり新しい葉をつけている枝もある。
古くなって、割れてしまった幹の中から
しっかり新芽を伸ばしている木もある。

「まだまだ、イケる！」と言われているよう。

「若い木の方がね、勢いがないのよね…」
お隣のおばちゃんがそんな事を言っていた。

年齢と勢いは、関係ない…らしい。

頑張る、中年。
私も、似たようなものかもしれない。

一列、終わったところで、ふぅっとため息をつく。


終わるのかなぁ、これ。

遠くまで並ぶオリーブの木たちを眺めながら、
さあ、来週も頑張ろう！と思っている。