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いろいろある、決まりごと

5月の中頃に咲き始めたなぁ…と思った花は、
小さな小さな実を膨らませ始めている。
オリーブの、花の命は短い。
咲き始めて4〜5日くらいで、散ってしまうのだそうだ。

先々週の話になるけれど、
会計と経営コンサルタントを委託している組合から、呼び出されていた。

「いろいろまた、規定が変わったのでね…」

イタリアの規定は、ころころ変わるんだそうだ。
そういえば、オリーブオイルのラベルを作った時にも、
ギリギリになって記載しなければならない項目が出てきた事があったような気がする。

担当のお兄さんが説明してくれた。

私が管理しているオリーブ畑は、
9月15日から5月15日までは、
・畑を耕すなどの大掛かりな作業はしてはいけない。
・化学薬品を使った除草はしてはならない。
だとか、
・剪定は1年おきにすること
・剪定した枝葉は、オリーブ畑では焼却処理をしてはならない
・1ヘクタールあたりのオリーブの本数は60〜300本まで
・現存の状況から大きく変更をしてはならない
などの規定があるそうだ。

いずれにせよ、
大きな変更などするつもりもないし、
普通にやっていけば、ほとんど引っ掛かることなどない、いわゆる、自然栽培。
ほぼほぼ放置の本当に小さなオリーブ畑である。
きっと、大きなところ程、その管理が大変で
それを維持していくのは厳しいんであろうと思う。
今年の雑草は、本当にすごい。

内容を確認してサインをする。
決められた項目を遵守すれば、環境保全に力を入れるEUから、補助金を貰えることになる。
そんなに大きな金額ではないけれど。
以前、IGPを申請することを勧められたのも、EUからの後押しがあるからで、
農業という世界は、それだけ、不安定な業種なのだと実感する。
毎年、天候が違うのだから、農作物が出来ない年を考えたら、そら恐ろしい話である。

逆算的にモノを考える自分がいる。

「品質保証が付いているから美味しいですよ。」ではなく、
最低限の僅かな安定を維持する為の品質保証なのではないか…という気さえしてくる。

作り手になって、初めてわかった事である。

だからこそ、どれだけの熱意を持って、取り組む事が出来るのか。


私はまだまだ、青いのだと思う。

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