夏休みの宿題は必要なのか?
わが家の住むドイツNRW州の夏休みも残すところあと少し。
ドイツは州によってホリデーも、祝日も異なる。
6月から夏休みが開始する州もあれば、7月の終わりの州もある。
ドイツ国内16州の内、NRW州は14番目と、今週中旬に遅めの新年度を迎える。
面白いと思ったのが、月曜日から始まる州、水曜日から、木曜日からと学校が始まる曜日も州によってさまざまなのだ。
さて、日本で夏休みといえば…
ラジオ体操?旅行?
まっ先に頭に浮かぶのは「宿題」ではないだろうか。
私は夏休みの日記を溜めてしまい、お天気がなんだったのかわからなくなり、困った思い出がある。
絵日記、読書感想文、自由研究、漢字や計算のプリントなど。習字やポスターを描く宿題が出たこともあった気がする。
日本の親御さんたちは、夏休みの子どもの宿題にストレスを抱えている割合が多いように見受けられる。
ドイツでは基本的に休暇中に宿題は出ない。
6週間、じっくり、たっぷり休むことを楽しむ。
家族で旅行したり、サッカーなどのスポーツ合宿に申し込んだり、学童や自治体のサマープログラムに参加したり、机に向かって勉強することから離れ、体験を通して学びを得ることが中心になる。
日本の夏休みの開始とともに、宿題を効率的に進めていく子どもがいないわけではない。しかし大抵の場合、なかなか宿題をやらず、親が宿題をさせるために躍起になっているのではないだろうか。
「宿題をスムーズにさせるための言葉がけ」を検索してみたり、「宿題のやる気を出す方法」などを調べたりするが、上手くいかず。
「宿題をやらない子ども」と「宿題をやらせたい親」
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親の悩み、心配、イライラ増加
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子どもを叱る
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反発したり、泣く子ども
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余計子どもが宿題をやらなくなる
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さらなるストレスから夫婦間にも亀裂
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先生に怒られる、子どもが勉強についていけなくなるかもしれない、という不安が募る
繰り返し、繰り返し、負の連鎖が続く。
こんな状態で、楽しい夏休みなんて過ごせるのだろうか?
ドイツ人は休み上手だと思う。
オンとオフとしっかりと分け、休む時は徹底的に休む。
もしかしたら日本人にも「休む」ことを教育する時期に来ているのではないだろうか?
夏休みでさえ宿題に追われる子どもたち、本当の意味での「休む」ことを知る由もない。
中途半端に「休む」のではなく、一度宿題をなくして「完全に休む」ということを味わう、そんな経験も悪くないはずだ。
「完全に休む」ことで心も身体もリラックスし、その上で、家族みんなで話しあいながら自由研究をしてみたり、普段できないようなことを一緒に楽しむ。
ある課題を必死にこなしていくことも大切なのかもしれない。しかし心にゆとりを持って生きていくほうが、より健康的であると考える。
そんな時間の使い方を教えることも、教育のひとつなのではないだろうか。
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