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小説「ありがとうじゃ足りない」3話
綾原音楽スタジオ。
呼び出されたスタジオはここだった。小さなビルの1階にあって、それより上はマンションのようだった。
まだ11時まで10分ある。ウダウダしていたら遅いって言われるかもしれない。多分「綾原」音楽スタジオだから、多分夢希さんのご家族が運営されているんだろうから、夢希さんはもう中にいるかもしれない。
早く入らなきゃ、でもな、とウダウダして10分。11時きっかりにドアが開いた。
夢希さんだ
連載小説「ありがとうじゃ足りない」2話
懇親会なんて初めて参加する。会場に向かっているだけでソワソワしてくる。そんな私にすい先生が不安を紛らわすように話しかけてくれた。
「理音ちゃんがMCまでやるなんてびっくり!理音ちゃんステージングに組み込んでなかったのに本番前に急にやりたいって言ってて、ほんとびっくりしたよ!」
組み込んでなかったんだ、私。まぁその前にすい先生に話してたなら良かったけど。
「あはははは」
私は笑うしか出来なかった。
連載小説 「ありがとうじゃ足りない」 1話
ただただ机に向かいパソコンをいじる。久野理音はパソコンオタクという訳では無い。ただの不登校中学生である。
なぜ不登校かと聞かれても何も答えられない。いじめられていた訳でもないし、何にもできなかったわけではないと思っている。だが「いない方がマシだ」という自分の心の声だけで不登校になった。そんなこと言い訳だと思われて終わりだ。
私は友達は居た方だし、勉強もそこそこできたけど、私は全てを捨てた。何も出来
先日DTMデスク完成
下にステレオあり