見出し画像

なぜ女性コメンテイターは「〇児の母」と紹介されるのか?

会社へ行く7時半まで、毎朝見ているニュース番組はTBSの「あさチャン」だ。同じ時間帯にやっている「ZIP!」や「めざましテレビ」はバラエティ色が強すぎる。一方NHKの「おはよう日本」はちょっと堅すぎる。「あさチャン」はその間を行くちょうどいい番組なので毎日視聴している。

そんなあさチャンで気になっているのが、女性コメンテイターの紹介の仕方だ。番組内でコメンテーターが出た時、名前と簡単なプロフィール文が画面に出される。

その時、女性コメンテイターだけには「2児の母」「1児の母」と紹介されている。全員じゃないかもしれない。ただ元テニスプレイヤーの方や弁護士の方の華々しい経歴の後に、ちょこんと「〇児の母」といった情報が加えられている。一方、男性コメンテイターで何人子どもがいるか書かれているケースは今まで見ていない。

単純に不思議だった。なんで女性側しか書かれないんだろう?

考えている中で、ある子供のいる女性の言葉を思い出した。2年ほど前、電車内でベビーカーを押した女性が、若い女性たちに「何で席を譲らないのか」と怒っていた。怒った女性はベビーカーに子供をのせていた。そのため若い女性からすれば、ベビーカーがあるから席に座れないと思ったんだろう。しかし怒った女性からすると、ベビーカーがあっても子育て中は大変なので自分に席を譲ってほしかったらしい。「子どもがいないから分からないんでしょ!」彼女はそう怒鳴った。

子育てがどんなに大変か、きっと実際に体験しないと心から理解はできない。だからこそ、子供のいない(と考えられる)女性たちの行動に「子どもがいないから分からないんでしょ!」と怒りを感じたはずだ。

ニュース番組を見るのは主婦層が多いはずなので、彼女たちの共感を得るために「〇児の母」といれたんだろう。コメンテイターも子育ての苦労を知っていて、「わたしたちの気持ちを分かってる人だ」と伝えて、コメントの信頼性を高めるために。

そして信頼できると感じるのは、子供のいる人だけじゃない。女性の知識人が「〇児の母」と聞くだけで、結婚もしていない私でも、キッチリしている女性だと感じてしまう。仕事も子育ても両立してすごいなーと思えるので、子供の情報は女性にとって肩書みたいなものなのかもしれない。

女性にとって「母」の力はすごく偉大だ。「母」だと分かるだけで周囲の見方も変わってくる。でもこれからは、男性側にも「〇児の父」と書いてイメージアップするような社会になってほしいと思う。そういう意味では、まだまだ男女2人で育児をする時代にはなってないのかなーと感じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?