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会話下手は何故こんなに生きづらいんだろうか

2019年7月末、吉本興業の岡本社長の会見をニュースばかりやっていた。この日もあらゆるニュース番組で、社長のしどろもどろで曖昧な口調を非難していた。SNSでも、芸人や多くの一般人が怒りを表している。もはや何が問題なのか、なぜみんな怒っているのか、だんだん分からなくなってきてしまった。とはいえ、社長の会見が批判を浴びているのだけは確実に分かった。

確かに誠意は感じにくい記者会見だった。セリフを読み上げるような謝罪を伝え、記者の質問にも遠回しにたどたどしく答える。最後には用意した紙を出し、読み上げながら謝罪をした。何かを隠そうとしているような態度にも見える。

社長は芸人をぞんざいに扱う極悪人なのか。でも本当は、ただの会話下手なだけかもしれない。

昔から岡本社長をよく知る月亭方正は、社長を「裏方の人間で、話下手だ」と話したという。実際はどうなのかわからない。でも本当にただの口下手だったとすれば、記者会見で大勢のカメラとマイクを向けられ、厳しい質問を投げかけられれば、しどろもどろになってしまうのうなずける。

話下手が生きにくい日本社会で

会話下手はとても生きにくい。うまくしゃべれる人には絶対に分からないと思う。口下手だと、本当にしんどいのだ。

わたしも幼いころからしゃべるのが苦手で、人前で意見を述べるのは嫌いだった。それは26歳になった今でもあまり変わらない。話す内容を事前にきちんと用意しておかなければ、4~5人の前での説明すらまともに出来ない。不要な枕詞や補足情報を挟み、むだに言葉がどんどん長くなり、自分ですら話す内容がよく分らなくなってくる。周りの補足説明に頼り切って、下手くそな説明をし続けてしまう。

うまく話せないと、できないやつだと思われる。もちろん否定できない部分もあるけれども、口が上手いだけがすべてじゃない。言い訳のように聞こえるけど、誰かが見ていないひとりの場所では成果を出せる人だっている。個人プレーなら輝ける人もいる。得意な分野は人によって違う。

だけど話し上手の人は周りからも注目されるし、人の心をつかみやすいので「できる感」が醸し出しやすい。薄っぺらい内容であっても、口が上手ければそれなりの内容に聞こえてくる。一方頑張って大事なことを話しても、口下手だと「何言ってるんだ」と一蹴されて誰の耳にも届かない。

ことばって本当に残酷だ。数ある性格の1つである「口下手」が、ここまで社会で生きづらくするなんて。会話下手は、ますますまともにしゃべれなくなってしまう、、、、

口下手は、他人を待たせる傲慢さを持とう

口下手が少しでも生きやすくなる方法はあるんだろうか。今でも「生きにくいな~~」なんて思いながら毎日仕事している私だけど、1つだけ生きやすくなる心当たりがある。それは「他人を待たせる」こと。

口下手は、相手を思いやると下手さが加速してしまう。忙しい相手のために早く説明しよう、あまり時間をとらないようにしよう、手短に伝えよう……そう思うと、悲しいかな早口で言葉が混乱し、余計伝わりにくくなってしまうのだ。

だから口下手ならば、相手を気にしすぎない。ちょっとゆっくり話したって数秒くらいしか変わらない。だったら自分のペースでゆっくりと相手に説明した方が、結果として早かったりする。だから他人の時間をもらって、人を待たせて、伝えたい内容をきちんと話すべきなのだ。

最近、自分が主体となるミーティングが増えてきた。いつまでも先輩の補足説明を頼りにはしていられない。誰かの助けがなくてもきちんと言いたいことが伝わるよう、時間をかけて伝えられるようになりたい。

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