祐樹せつらのお金・ビジネス・投資に強くなる話 Vol.85:国債
「国債」の重要ポイントをまとめました。お金・ビジネス・投資にお役立てください。
🌟国債には様々な種類がある
国債には様々な種類があり、毎日のように発行されている。
「発行目的」による分類は下記になる。
歳入債(普通国債)
様々な歳出需要をまかなうための歳入を調達する目的で発行される国債。
・新規財源債(当該年度の歳出を賄うために発行)
・借換債(国債の償還資金を調達するために発行)
・復興債(東日本大震災からの復興のために実施する施策に必要な財源を確保するために発行)
財政投融資特別会計国債(財投債)
財政融資資金において運用の財源を調達するために発行される国債。
財投債の発行収入は、財政投融資特別会計の歳入の一部となる。
繰延債
財政資金の支出に代えて国債を発行することにより、その償還期日まで支出を繰り延べる目的で発行される国債。
交付国債や出資・拠出国債が含まれる。
融通債
短期国債のうち、国庫の日々の資金繰りを賄うための資金を調達する目的で発行される国債。
利払い方式による分類は下記になる。
利付国債
半年毎に利子が支払われ、満期時に元金が償還される国債。
固定利付国債:2年、5年、10年、20年、30年、40年
変動利付国債:15年
物価連動国債:10年(元金額と利子額が物価動向に連動して増減)
個人向け国債:固定3年、固定5年、変動10年
新窓販国債:固定2年、固定5年、固定10年
割引国債
利子の支払いがなく、償還期限までの利子相当分をあらかじめ額面金額から差し引いた価格で発行され、満期時に額面金額で償還される国債。
2024年7月現在は国庫短期証券(T-Bill)と呼ばれる短期国債になる。
2か月、3か月、6か月、1年の4種類。
一般に買える国債としては「個人向け国債」「新窓販国債」の2つがある。
🌟個人向け国債とは
個人向け国債には「変動10,固定5,固定3」の3種類がある。
販売価格は額面金額100円につき100円。
発行後1年経過すれば、いつでも国の買取による中途換金が可能。
🌟新窓販国債とは
新窓販国債(読み:しんまどはんこくさい)は、市場でいつでも売却が可能な国債。
個人向け国債よりも買いやすく、取引しやすいメリットがある。
「国債10、国債5,国債2」の3種類がある。
販売価格は入札結果に応じて発行事に財務省で決定する。
金利は固定で、直近の入札により発行した国債と同じ。
🌟個人向け国債の金利計算と例
個人向け国債の「変動10」の金利は下記の数式で決まる。
基準金利(直近の10年債平均落札利回り) × 0.66。
2024年7月4日から31日の募集分は0.72%だった。
変動10年は半年毎に実勢金利に応じて変動する。
7月3日の10年物国債の利回りは1.09%だった。
なので変動10年の金利は1.09×0.66=0.72%となる。
固定5の金利:
基準金利 - 0.05%(5年債の想定利回り)。
2024年7月4日から31日の募集分は0.61%だった。
固定3の金利:
基準金利 - 0.03%(3年債の想定利回り)。
2024年7月4日から31日の募集分は0.38%だった。
🌟新窓販国債の「国債10」は新発10年物国債のことではない
新発10年物国債とは、新たに発行された償還期限が10年の国債のこと。
新窓販国債のプランの1つ「国債10」は、この新発10年物国債とは異なる。
新発10年物国債は金融機関(銀行や証券会社)が購入して保有するもので、個人に回るものではない。
金融機関は新発10年物国債を市場で売買する。
🌟新発10年物国債の利回りは「長期金利」に影響する
長期金利が上がれば住宅需要のみならず、景気回復に水をさす恐れがあることから、新発10年物国債の利回りには日本銀行も神経をとがらせている。
しかし新発10年物国債の利回りは市場の需給で決まるため、日本銀行にはこれをコントロールする直接的な手段はなく、見守る以外にない。
🌟短期金利とは
短期金利とは1年未満の金利。
短期金利は「日本銀行の政策金利」でが決まる。
短期金利が影響するのは普通預金や1年以内の定期預金の利子。
だから政策が変わらないと普通預金の利子は増えない。
🌟長期金利とは
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