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64. NCAA学生アスリートの勉強内容とは?

皆さんこんにちは。三浦優希です。

8月26日より、レイクスペリア州立大学の「2019年秋学期」が始まりました。さっそくたくさんの宿題やレポートを先生方から出していただき、大変充実した学生生活を送ることが出来ています。(泣きたい)

というわけで今回は、大学で僕が何を学んでいるかや、今学期僕が受ける授業をご紹介します!
アイスホッケーの話からは少し離れてしまいますが、学生アスリートの僕にとって勉強とは、ホッケーと同じくらい、いやホッケーよりも大切なことと言っても過言ではありません。「三浦優希はこんなことを勉強しているんだ」と知っていただけたら幸いです。ホッケーばっかりやっているわけではないですからね!(笑)それではよろしくお願いいたします。

そもそも、僕のMajor(専攻)は?

まず、今学期の授業を説明する前に、僕のMajor(専攻)をご紹介します。前にも話したことはありますが、知らない方もいるかと思うのでもう一度。(過去のnoteから一部抜粋)

私の専攻科目の正式名称は、

Major: Kinesiology (Concentration: Sports and Fitness Management)  Minor: Sports Marketing

となっています。日本語に直すとしたら、


主専攻「キネシオロジー(運動機能学):スポーツマネジメント特化」
副専攻「スポーツマーケティング」

といったところでしょうか。

Kinesiologyというのは、「どのように骨・筋肉が動くか」といった人体の運動機能を学ぶだけという風に思われがちです。もちろんそれは一つの大きな研究目的ですが、実はそれだけではなく、「文化・社会・健康・行動・生理・心理・認知などの様々な分野が交わっているダイナミックな領域」です。体のことを学ぶ一方で、

・人間が健康に過ごすにはどのような要素が必要なのか
・スポーツが人・社会にもたらすものは何か
・リーダーシップとは何か
・スポンサーシップや組織マネジメント

など、内容は多岐にわたります。
先ほど出てきた”Concentration”というのは「集中・専念」といった意味で、要するに「Kinesiologyという分野のSports Managementについて詳しく勉強していますよ」ということです。

私はあまり日本の大学のことはよくわかりませんが、アメリカは日本のような学部制度ではなく、Major-Minor(メジャー・マイナー) 制度が取り入れられています。こちらは、学生の関心に合わせて主専攻(Major)と副専攻(Minor)を決めて、科目を自分の好きなように選択するシステムです。必ずマイナーを取る必要はありません。私のように、似たような二つの分野を選ぶこともできれば、「音楽」と「政治」といったように全くかけ離れた2つのジャンルを選択することも可能です。日本との大きな違いとしては、入学の際に学部を決めてそこを受験するという形ではなく、大学入学後に自由に自分の好きな専攻を選べることが挙げられると思います。もし入学する段階でまだ自分が何を学びたいかはっきりしていないときは、無理して決める必要もなく、”Undecided"(未決定)という形で最初の2年でいろいろな一般教養を含む分野を学び、その後に自分の興味のあるMajorを選択するということも可能です。

僕がこのシステムで素晴らしいと思うのは、全く他分野のMajorを専攻している生徒とも、多くの一般教養授業で同じクラスになることが多いことです。幅広い分野の学問を専攻が全く違う生徒と学びあえるというのは、新鮮で非常に楽しいです。

今学期の授業

さて、前置きが大変長くなってしまいましたが、ここからは今学期私が取っている授業を紹介します。(こっち見るな)

1. Administration of Recreation Services (Kinesiology)


こちらは、直訳すると「レクリエーションサービス管理」といった感じでしょうか。具体的に何を学ぶかというと、
・マネジメントとは何か
・リーダーシップセオリー
・組織構造
・顧客とのコミュニケーション
・モチベーション/マインドセット
・財政/予算管理

などなど、組織や会社を運営・管理する際に必要な要素を学ぶ授業になります。これがもう、めっちゃくちゃに面白いです!この授業は自分を含め8人ほどしかクラスメイトがいないのですが、だからこそ一人ひとりの発言の機会も多いし先生やクラスメイトとのコミュニケーションをたくさん取りながら授業内容はどんどん深いものになっていきます。リーダーシップやマネジメントというものにも数多くの体系的な理論(方法)がある中で、この前の授業で先生からこのようなお題が出されました。

"Is it better to use the best leadership/management style for the situation? Or is it better to use the leadership/management style that best fits for you?"
「自分が組織を運営する際、リーダシップ/マネジメントスタイルを、そのシチュエーション(状況)にあったものにするか、それとも自分のやり方にあっているものにするか?」

僕の意見は、「両方とも大事だけど、どちらかというとシチュエーションに合わせるほうが良い。」でした。なぜなら、自分のやり方にあっている方法が、必ずしも他の人にとってもフィットするものだとは限らないと思ったからです。

一方で、こんな意見も出ました。「組織を運営することは、人をリードしていくことだから、自分のスタイルをしっかりと確立して、それに共感・共鳴した人たちがどんどん集まってくるケースもあるから、自分のやり方にフィットするものを貫くことも大切。」というものです。これを聞いて「なるほど」と思いました。確かに、スポーツでもこのようなケースは多くあります。素晴らしい監督がいる大学に選手が行きたいと思うのは、監督のやり方に選手が共感・賛同しているからこそ、「このチームに入りたい」と願うものです。

最後に先生が述べたのは、こんな意見でした。
「これには正解・不正解というものはないけれど、一つのアンサーを出すとしたら"It depends"(場合による)だ。」

これを聞いた瞬間、生徒のみんなは「なんだそりゃ」といった反応で少しあきれていましたが、先生は真剣な表情で続けました。

「よく聞いて。ここがとても大事。世の中のほとんどのことは、はっきりとした答えはないし、その時の状況に応じて決断しなければいけない。だからこそ必要なのが、"Why It depends?"(なぜ、場合によるの?)を深く深く考えることだ。今、皆がやったようにね。いろいろな状況を想定して、自分の中で答えを出して、最後は自分が一番だと思う道を選択することがとても大切なんだ。」

と言ってくれました。
”Why it depends?” 
いい言葉だな。とっても楽しい授業でした!ちなみに皆さんだったら先ほどの質問に対してどのような答えを出すでしょうか?もしよければ教えてくださいねー!


2. Nutrition Sports Science Exercise Performance (Kinesiology)

すっかり長くなってしまったのでここからはパパっと紹介!
続いてこちらは、「スポーツ栄養学」の授業。ただの栄養学ではなく、スポーツ選手がより高いパフォーマンスを発揮するためにはどのような物質をどのように摂取するべきかということを学ぶのに特化したクラスです。これは、アイスホッケー選手の自分にぴったりの内容です!ここで学んだことを実践し、氷上でのよりよい動きにつなげたいと思います。トレーニングと同じくらい、栄養と睡眠のリカバリーは本当に大切ということを改めて再認識しました。

3. Research method (Kinesiology)

これは「リサーチメソッド」といって、読んで字の如く、何かを調べる際に必要な知識や方法を学ぶクラスです。レポートを書く際やプレゼン作成の時に、信頼できるリソースを探す方法や、レポートを書く際に正しい表記の仕方を勉強します。このクラスは、今学期終了時に一人ひとりが大きなポスターに自分がリサーチしたトピックをまとめ、それを発表するという場があります。自分にそんなことが出来るのか不安で仕方ありませんが、なんとかやってみます!挑戦!

4. Human Anatomy & Physiology (Biology)

こちらは、バイオロジー(生物学)の中にある「解剖学」の授業です。人体や動物の体の構造を学びます。とにかく、覚えることがたくさんです!筋肉や骨の名前はまた普通の英語とは異なるので、毎回頭がパンクしそうになります。授業中も、聞いたことがない単語がたくさん飛び交っているので、日本語と英語がペラペラな大親友(彼の名はgoogle翻訳と言います)に頼りまくっています。たいてい、新学期一発目の授業というのはどんなクラスもイントロダクションで終わるのですが、このクラスは初日からネズミの解剖をさせられました。「いきなり無理だろ!」と思っていたのですが、いざクラスメイトと協力しながらやってみると「こんな風に横隔膜がついているのか」とか、見たこともないような器官があったりで意外に(?)興味の湧くものでした。決して気持ちの良いものではありませんでしたが・・新たな経験がたくさんできそうな授業です。

5. First year Composition (English)

ラストはこれ!英語のライティングの授業です。コースの名前に"First year"と入っているように、本来であれば一年生の時に取るべき授業なのですが、僕は1年生の頃は自分のMajorであるKinesiology系の授業を多くとっていたので、3年目にしてようやくこの授業を受けることに。こちらも先ほどのリサーチメソッドの授業と同じように、今学期をかけて、「10ページにわたって自分の興味のあるトピックについて論じる」というプロジェクトを進めていきます。ただ、本文を書くだけではなく、参考文献や下書き、他者からの評価なども提出しなければならないので、英語のライティングが大の苦手な僕としては、結構大変なコースになりそうです。ちなみに、来週までにトピックを決めなければいけないのですが、自分の中でやろうと思っているのが、

"The impact of social media in sports"
「スポーツにおけるソーシャルメディア(SNS)の影響」

というテーマで進めようかと思っています。あくまで候補ですが・・。
いつか完成したものをnoteに英文で挙げてみるかもしれません。めちゃ恥ずかしいですが・・英語ができる方はガンガン添削してくれると助かります。まあ、やるかはわかりませんがお楽しみに!

最後に

いかがでしたでしょうか。ホッケーの話が好きな方からすると、今回は少し退屈な内容になってしまったかもしれませんが、ひとつ僕が伝えたいことはこれです。

大学生って本当に楽しい!!

ということです。

あっ、そうそう。昨年noteに書いていた日記もそろそろ復活します!
最後までお読みくださりありがとうございました。

三浦優希



*NCAAについてや、学生アスリートの一日の様子などを知りたい方はこちらも合わせてお目通しください☺


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