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手作り品や、伝統系では事実ではないロマンチックなものがウケる傾向があります・・・

工房構成員たちと話をしていて・・・

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手作り品や、伝統系では事実ではないけど、事実だった良いな、って感じのロマンチックなストーリーを持つものが売れる傾向があるね。むしろモノ自体よりも、そちらの方が重要なぐらいだ

草木染全能主義の大先生や信者の人たちの主張ってパワーストーンは何にでも効くみたいな主張する人の胡散臭さと似ているよなー

(美しいものや、その成り立ちや、微細な何かに感覚が快を感じ、気分が上がるなどの効果はあると思います。あるいは、本当のスキルを持っている人が使いこなすなら、何かしらの効果はある可能性はあると思いますが)

甕覗の色を染める藍甕に、月を写して良い色にする、みたいな言い回しと、汚れた石を月の光で磨く、みたいな感じとか

そういうお話は、ロマンチックでステキだな、と思うけど、自分の仕事の染の分野のことでそういう人がいると、いい加減なこと言うなよな、そのなかに本当のこともあるけども、それは限定的なものだ、全てに通用するものではないとちゃんと説明しないとなあ。。。でもそれだと都合の良いストーリーが崩壊してしまって「商品ではなくなる」からダメなんだよな。彼らは経済主義を否定しているけどな、笑

それに、自分たちだけが高度な何かを知っていて、その他大勢はそれを知らない下等民、という感じの態度もかなり気味悪い・・・政治系の陰謀論系の人みたいだな(笑)本人は気分良いんだろうけど

そこを突くと「君たちには分からないんだよ(これは感性や知性がある人だけに分かることだからね)」って良く分からない論理破綻したことを言って逃げるわけで・・・これは感性の問題ではないのだが・・・

まあ、でも業界以外の一般の人からすれば、分野が違っても、それ系の話が多い業界は同じように観えているのかもな・・・

だから染色工芸なんかだと、草木の命の色とか、本当の草木染だから本物の色であり、色落ちしない、退色しないとか、健康になるとか、自然に負担がかからないとか、そういうロマンチックなイメージ戦略で自然界の覇王のような態度の大先生だと受け入れられるのかもな。。。

その主張は「完全な嘘ではないけども事実でもない」ことが多いから、知識の無い人だと本当にそうなんだと感じちゃう人もいるんだよな

あの手のものでも、ホントのものもあるけども「その運用には極めて高度なスキルが必要」だったりするから作る人も使う人も大変なわけだが・・・でもああいう嘘つきさんは「〇〇さえしておけば良いんです。それが自然のちからです!」とか言うしなあ。真逆のことを言っているから、害になるんだよな

そういうのを、テレビの番組でやったりすると、すごい人気になるしな。害が広がる

すごい真実が、実は日常にあったのだけど、今まで誰も見つけられなかったことだけど、それを〇〇先生が発見した!それをやれば、全て上手く行く的なものとか・・・

実は権力者がその秘術のちからを恐れ、全て破壊してしまったが、それを一人だけ伝承している人がいて、それがこの方法です、とか

詰将棋で誰も気づかなかったことを一人だけ気づいて世の中を救った的な流れで、しかもそれにちょっとした夢のある演出があれば【そちらを信じたい人たちが信じる】からなあ

それが嘘であっても

事実や真実は、そういう人間の妄想の安っぽいストーリーではなくて、その成り立ちそのものが持つ人間の妄想を超えた素晴らしさがあるわけだが・・・モノや現象が持つ自然な「物語性」ね

一般の人たちの多くは、ガチの学者が誠実さゆえに、あらゆる想定をして「それはそうとは完全には言い切れないが・・(しかし99.9%そうだ)」と回答するのを「アイツは責任逃れで断言しないんだ!不誠実だ!」と感じてしまうものだし

健康系で「〇〇さえ飲んでおけば、ガンには絶対にならない!」とか「〇〇さえすれば絶対にガンが治る!」とかもっともらしい美しき物語で売るのも似ているな。そういう無責任な断言の方が信用されるものだしな

分野が違うだけで、人気のあるものの構造は似ているんだな

そういう人たちでも、まさか現代日本に、時代劇に出てくるようなニンジャがいるとは思っていないと思うが、でもああいうのは、それを信じていて、今もどこかにいると思っているようなものだもんなあ・・・

例えばオカルト系でも、本物の人がいて、そういう人のオカルトは「もう一つの科学」だったりするから、テキトーなものではないんだよな。イメージ先行の嘘つきたちは、極々僅かにいるそういう本物たちにとっては邪魔にしかならない

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*草木染全能主義の大先生たち=草木染だけが、自然に負荷がなく、本物の初めであるとする、自然環境に対して勉強が足りない人。だいたい、シャーマンを名乗ったり、あらゆることを知っている神のごとくの発言をSNSなどでしている人が多いです。

ただし、作品は言うほどのことはないことが殆ど。信者のような人はそれなりについていることが多いです(極々稀に、まともな仕事をする人もいらっしゃいます)

*藍甕=藍染を染める甕
*甕覗=ごく薄い藍染の色 

*草木の命の色だから素晴らしい=日常生活のほぼ全てが、何かしらの命からいただいたもので成り立っているので、草木染だけが特別ではありません。草木染が特別なものだとすることは草木染の作り手の傲慢です

*現代では、全て天然のもので賄おうとすると、殆どの分野で事実として自然への負荷が大きくなります。なので草木染は自然に優しくないのが事実ですが、イメージとしては優しげなので、そういう「胡散臭い商売」が蔓延しています

ちなみに、私は草木染も化学染料も天然の顔料も墨も、化学合成の顔料も、なんでも使います。天然繊維も、化学繊維も使います。

染や工芸にニセモノも本物もありません。実用上、問題が無いものは全て正解です。ただし【嘘や事実ではないことを言って販売するのは使う人への背信行為です】。

それと、殆どの【自然主義大魔王作家先生】たちの作品は、どうしようもなくダサいのですよね。

特にまとめもなく、ダラッと終了します、笑


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