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ブラック上等

職人仕事や、制作の仕事では、頭も肉体も若いうちに・・・

新人ちゃんの時期は、仕事場に住み込みで年がら年中仕事に追い立てられているとか、365日24時間まで行かなくても日常生活の90〜85%ぐらいを仕事のテンションのままでいるという状態が続き、自分の一番底辺の部分がプロのレベルになり、どんなに調子が悪い時でもプロとしてそのレベル以下には落ちない、という状態になるまでは、何年か過ごした方が良いところが・・・あります。

何かひとつでも、そのレベルに持っていけると、他の分野の仕事に変わっても「通用する人」になれます。

スポーツの世界と似ているかも知れません。

しかし、それは今どきだとブラック、ということになってしまうんだろうけども。

(もちろん、限度はありますし、人それぞれの適正もありますので、肉体や精神が壊れるほどやってはいけないし、管理者はやらせてもいけないのは基本として)

若い頃は、余程の資質と才能とエネルギーと未来設計が無い限り、職場が一流であっても「職場で引き上げられた仕事のレベルは、仕事場を離れると元に戻って下がる」んですよね。

仕事場の緊張感で強制的に引き上げられたレベルが、家で親族や、あるいは彼や彼女と会うと、元のふつーの人に戻ってしまうのです。

また、少し仕事を休んだだけで、ヘタになったりもします。

だから、とにかく「どんなことがあってもプロの底辺以下には落ちないぐらいに鍛える基礎工事の時期が必要」なんですね。

創作する、というのは物凄い集中力と持続力、エネルギーが必要で、さらにそこに理論を与えられるぐらいに整合性がなければならない、そこまで詰めていく、そういう磁場に居続ける、ということは若いうちは大切なんですよねー。

もちろん、それはプロとして最低限の話であって、上には限りがありません。優れた仕事人の底は、ヘボいプロの頂上よりもはるかに高いです。

なので、最初はタコ部屋にいるということは悪くないんですよ。

修行中の一時期は、師匠の奴隷、仕事の奴隷になるのは悪くない。まあ、仕事の奴隷になるのは、一生そうですけどね。

ただし、それは自分が選択した師匠、そしてその集団が正しい仕事をし、正しい方向性を持っている場合です。

もし、自分が師事した師匠が、師匠自身の利益や快楽しか興味のない人物でハズレだったら、極力早くそこから離れることが大切です。

そういうところはなかなか辞めさせてくれない事がありますが、危険な場は不義理に見えたとしても力技で離脱する方が安全です。

修行は、師匠選びから始まっているのです。

特に最初の師匠選びに失敗すると、その悪い師匠から得た悪い方法や知識がなかなか抜けずに創作の世界でプロになるのに失敗する確率が非常に高くなります。


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