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[詩]金の羽

ずっと笑顔でいられるのは
ずっと何かを隠すため
冷たい掌を開くのは
隠した何かを悟られないため
容易く許せるならば
心の扉は開いている
閉じた秘密の部屋は
誰も知らない魂のうねり
金の羽は怯えている
強さを知らずに折り畳んだまま

tell me

tell me

tell me 名前を教えて
tell me 君の言葉で
僕らは 何も見つけられずに
時代を超えて
世代をつないで
どこへ行こうとしているの

何も解らなくても 時は過ぎて行く
大地の割れ目から 命が生まれる
君がいることが 生きる意味になるから
call me 名前を呼んで
call me 君の声で
すぐに行くよ heart to heart
僕自身の言葉で 君を愛するから
きっと大丈夫

te

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初めに音があった
音は言葉になった
言葉は生命になった

10センチの幸せ

一年で10センチでも近づければ
あなたは喜んでくれるから
私は一日0.3ミリでも近付こう
あなたが下生する頃
眼前に辿りつけているだろうか?
目が潰れるほどの輝きに
わたしは耐え得るほどの命を持っているだろうか?

無私

踏み入る聖域に
聖気はなく、正気もない
よすがはなく
座し、動き
己を観ずるのみ

存在

闇がなくても光はある
でも、
光がなければ闇はない

ひとつ

あなたはわたし
わたしはあなた
わたしとあなたは不可分であり
光においてひとつ
あなたはわたしの鏡
わたしはわたし
すべてはひとつ

【詩】君だけのエール

【詩】君だけのエール

昨日、君は往きました
遠い遠い果ての国へ
ずっと側にいると思ってた
君が往きました
逃げ道はあったのに
君は逃げもせず
エールを贈る 君に
りんごジュースで乾杯しよう

この歌が君に届くよう
ハートの中心から歌おう
旅の途中のいばらは
簡単に足を貫いて
痛みを堪える君は
何一つ気付かせず
エールを贈る 君に
ささやかだけど受け取って

今度逢う時は
話を聞かせて
いつまでも待っているから

アヴェ・マリア

アヴェ・マリア

アヴェ・マリア
アヴェ・マリア
アヴェ・マリア
星宿る胎内に
優しき歌を歌う
来たりませ明けの明星
輝きの御子

【詩・詞】時流

【詩・詞】時流

忘れてしまいたいことが多過ぎて
何もかも託してしまう 時間(とき)に
過ぎ去る流れに浮かべれば
すべてが無いことになりそうで
けれど消えない印章は
お前の行く末を決めたと語る
ああ創る未来を今
刻々と刻んでゆく

消えないものだとしても
今からでも遅くはない
進め 今を踏みしめて
来るものを受け止めながら
私は歩んでゆこう

西へ行っても何もない
東へ行っても何も見えず
流れだけは絶えずやってくる

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【詩】あの空は

【詩】あの空は

虹の空が霞むとき
宇宙は灰につつまれる
火の行方はわからない
やがて光が戻るとき
それはもう同じではなかった

【詩】藍

【詩】藍

煙草をふかして窓辺に立てば
今日も叫んでいる女が見える
何を言っているのか知らない
彼女の中心に閉じ込められた
逃げ場のない怒りや悲しみは
彼女にしか分からないだろう
叫び終わる時が来るだろうか

コーヒー片手に携帯を見れば
怒号に取り憑かれた男がいる
誰彼かまわず手当たり次第に
何がそうさせるのか沈黙する
人生が二度あればなど夢物語
今を生きる彼には余裕はない
未だ夜は明けないようだから

今日

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【詩】都会の街灯が滲むのは君の心に優しさがあるから

【詩】都会の街灯が滲むのは君の心に優しさがあるから

二度と帰らないと誓った空
今は恋しい
だけど同じ思いを繰り返すなら
ここに身を置くほかはない
心静かに眠りたい
喧騒の中の一瞬の静寂
目配せに流されても
本当の居場所を探し続けている

西も東も分からない
差し伸べる手は本物か
真実に見える偽善
それでも誰かにすがりたくなる
仲間はいつも探り合っている
ビルの壁に寄り添って
今日も一人街を眺めて
あの空を思い出している

【詩】夜明けの雨

【詩】夜明けの雨

砂になれたら何処へでも
風の吹くまま飛んでゆく
着いた土地でまた風を待つ
砂になれたら
こんなにも悲しまなくて済むのに
いつまでも
いつまでも
風に吹かれるのを待っている

砂になれたら悲しみも
小さくなるような気がして
けれど私は大きな岩で
この土地にしか居られない
砂になるには早すぎる
いつか忘れられるさと雨が叩く
こんなにも
こんなにも
冷たい雨が心に痛い