地中海の光、自由な空気【イスラエル・パレスチナ旅行記5】
こんにちは、yukiです。
今日は、
イスラエル・パレスチナ旅行記の5回目です。
全6回を連続でお届けしており、
明日でラストとなります。
報道では分かりにくい
この地域の姿について、
旅行者目線で書いています。
お時間ある時に
読んでいただけると嬉しいです。
今日は、
8日ほどパレスチナを巡ったあと、
イスラエル北部の街・ハイファに
入ったところから始まります。
それでは、どうぞ。
ユダヤ教の安息日
イスラエル北部の街、ハイファ。
到着早々、美しい街並みと
ゆったり開放的な空気に驚かされました。
街歩きをして、
夕方頃にスーパーマーケットに入ると、
「シャバットだからもう閉めるよ!急いで!」
って言われます。
あっ、そうか、今日は金曜日。
ユダヤ教では、
土曜日が「安息日(シャバット)」とされていて、
その日は「何も仕事しない日」。
シャバットは金曜の夕方からはじまり、
土曜の午後まで続きます。
その間、
お店やレストラン、公共交通までもが、
ストップしてしまうのです。
厳格な家庭では、
火や電化製品も使わないのだそう!
(料理は作り置きしておくとか)
シャバットは、
旧約聖書の「創世記」に由来します。
つまり、天地創造の7日目に、
神様がお休みになったことから、
「その聖なる日には何もしてはならない」
ということになっているのです。
「モーゼの十戒」に、
“安息日を守ること”
という戒律がありますね。
さて、閉まる直前のスーパーでは、
キッコーマンの醤油をゲット。
久々に醤油の味付けができる!
ルンルン気分で店を後にしました。
翌日。
昨日賑わっていた通りは、
若干車は走っているものの
とても静かになっていました。
お店も閉まってるので、
街全体が静かです。
シャバットのあいだでも、
セルヴィス(乗合バン)は動いているらしい。
ハイファでは特にすることもなく、
中部のテルアビブへ移動したいので、
バスターミナルへ向かいました。
この時点で気づけよって感じですが、
バスターミナルはバスが発着するところ。
セルヴィス乗り場は別の場所でした。苦笑
歩いて移動するのが面倒になので、
バスが動き始める夕方まで待つことに。
すぐ隣のビーチで時間を潰します。
大人たちは、ビーチ沿いのバーで、
水着のままお酒を飲んでいる。
(お店営業してるじゃんって感じですけど笑)
街の雰囲気といい、
人々の過ごし方といい、
開放的で人生楽しんでる感じだなあ。
夕方になって
バスが動き出したので、
テルアビブへ向かいます。
しかし、
テルアビブまであと少しのところで、
バスが突然故障して
動かなくなってしまいました。
乗客たちは故障したバスを降り、
通りかかるバスに順々に乗せてもらう笑
僕もしばらくして乗ることができ、
辺りがすっかり真っ暗になった頃、
テルアビブに到着しました。
そういえば、
まだお金払ってない。
「料金いくらですか?」
車掌さんは
「いや、いらないよ」
と手を横に振ります。
まじ?
途中で故障したとはいえ、
商売上がったりじゃない…?
というか、この先進国で、
いきなりバスが故障するのも意外でしたが。
驚きのテルアビブ
テルアビブに到着した夜は
ゲストハウスで1泊し、
翌日は友人の家に行くことに。
ジョージアで一緒に旅したマイクが、
イスラエルの大学に留学中なのです。
メッセンジャーで連絡を取り合って、
教えてもらった住所へ向かいます。
テルアビブ、すごっ。
なんて現代的な都市…!
「Hey!yuki!」
声のほうを見上げると、
マンションのベランダから
マイクが顔を出していました。
良かった、無事会えた!
元気そうで何よりです。
「ベッドがなくて、
寝るのソファでいいか?」
「もちろんだよ、ありがとう!」
リビングには大きなカウチソファがあり、
寝るのにも十分すぎるほどです。
「ってか、本当キレイな家に住んでるね…」
住んでる場所もスゴイ、
めちゃくちゃ家賃高そうなエリア。
フランス、イスラエルの大学生と、
3人でルームシェアしているそうです。
マイク自身は、
「イスラエルの物価は
クレイジーなほど高い!!」
って文句言ってますが。笑
「俺はこれから大学行くけど、
yukiは観光に行く?」
「うん、そうする!また夜にね」
街を歩いて、ひたすら衝撃。
つい先日までいたパレスチナと、
あまりにも違いすぎる!!
なんというか、
開放感がすごいのです。
ビーチには観光客っぽい人は少なく、
地元の人たちが楽しんでいます。
プロムナードには、
サイクリングやランニングする人々。
みんな人生エンジョイしてる感じです。
「自由」という言葉が頭に浮かんでくる…
マネキンが着てる服も、
イスラム教のパレスチナでは
ありえない格好。
観光地になっている城塞の近くは、
少し古い街並みも残っていました。
少し古いとはいえ、
やっぱり開放的なのです。
夜は、
マイクと2人のルームメイトと、
みんなでご飯を作りました。
ルームメイトの2人も、
とっても気のいい人。
マイクがお酒を出してきます。
「ジョージアで
お土産買ってきたんだよ。飲もうぜ!」
「まさかそれ…」
「そう、チャチャ!」
うっわー、
ここでチャチャと再開するとは。
(ブドウから作ったウォッカです)
みんなで乾杯!
ジョージアでの
楽しい日々を思い出す味でした。
「あなたたちは友達?」
翌朝、3人とも授業が早いので、
僕も一緒に家を出ます。
テルアビブはお腹いっぱいなので、
早くも移動することにしたのでした。
「ありがとね。
めっちゃ楽しかった!」
「また会えて良かったよ!
日本行くときは案内してくれよな!」
みんなと握手して、
僕もバスターミナルに向かいます。
そして再びエルサレムへ。
エルサレムに泊まりながら、
数日間かけて周辺を巡る予定です。
今回は、
エルサレム新市街も歩き回ってみました。
旧市街とはまったく異なる、現代的な光景です。
イスラエルの街には
兵士がたくさんいるのですが、
驚くのは若い女性兵士も多いこと。
10代の女性が重装備する姿を見ると、
ちょっと不思議な気持ちになります。
イスラエルの大きな特徴として、
男性にも女性にも徴兵制度があるのです。
ハイスクールを卒業する18歳から、
男性は3年間、女性は2年間、
兵役につく義務があるのだそう。
大学に入るのは、
なんと兵役が終わってから!
日本で生まれ育つと、
ちょっと想像できないですね…汗
兵役中は自由がない分、
その後の人生を思いっきり
満喫するのかもしれません。
そう考えると、
地中海沿岸の自由な空気も
ちょっと見方が変わってきます。
その夜、
ちょっと衝撃的な出来事があったのです。
宿のキッチンへ夕食を作りに行ったとき、
ちょうどタイミングが合った
中国人の女の子と仲良くなりました。
彼女の名前はジューズィ。
「火鍋作ったんだけど、
良かったら食べてみる?」
「え、まじ?!火鍋大好き!」
四川省の成都に住んでるらしく、
さすが本場の火鍋の味。
「めっちゃ美味しかった!
料理がうまいねえ。」
「これしか作れないんだけどね〜笑」
(謙遜の仕方は中国も同じ…笑)
「香辛料持ってきてたの?」
「うん、旅するときって
中華が食べたくなっちゃうから。
中国茶は好き?淹れようか?」
「うわあー、中国茶も好き!
お願いします!」
なんと、茶器まで持ち運んでました。粋。
中国茶って本当に美味しい…
僕は数か月前に、
彼女の住む街へ行っていたので、
会話が弾みます。
おしゃべりしていると、
同じ宿のヒジャブを被った中年女性が、
通りすがりに声をかけてきました。
「あなたたち、中国人?」
「僕は日本人で、
彼女は中国人です。」
すると、その女性は、
驚いたような顔で言ったのです。
「日本人と中国人は友達なの?」
はい…?
「ええ、そうですよ」
「あなたたちの国、
すごく仲悪いじゃない。
本当に友達なの?」
・・・面と向かってそれ言う?
「国同士の問題は関係ありません。
目の前にいる人と
友達になるのはおかしいですか?」
「そうですよ、国同士の問題は関係ないわ」
隣でジューズィも言います。
「じゃあ、
日本人とロシア人は友達なの?
日本人とアメリカ人は?」
「国家間の問題は、
個人間の交友において関係ないです」
女性は、冷たい目でこちらを見て、
部屋に戻って行きました。
「あの人の考え方、僕は納得できない」
「うん、国同士の問題は関係ないよ」
なんだか盛り下がってしまったので、
おやすみをして部屋に戻ったのでした。
いろいろな考え方の人がいます。
だから人類が発展してきたのも事実。
でも、人の気持ちを考えて行動する人でありたい…
死海に浮かぶ
翌日は、
死海に行ってみることにしました。
朝食の時に出会った
マケドニア人男性のバルーと、
気が合ったので一緒に行くことに。
バスの窓に現れた死海の風景は、
なんだか別の星に来てしまったかのよう…
死海は、
英語で“Dead Sea”です。
そのまんまですね笑
名前の由来は、
普通の海より塩分濃度が高く、
生物が生きられないから。
普通の海の塩分濃度は、約3.4%。
では、死海の塩分濃度って、
どのくらい高いか知っていますか?
・・・答えは、なんと30%!
ものすごい濃さですね。
死海がすごいのは、
塩分濃度だけじゃありません。
その標高もまた驚きなのです。
・・・なんと、海抜マイナス400m!
海面より下にあるんですね。
(一応、死海も“海”なんですけど笑)
ビーチの前でバスを降り、
さっそく死海に入ってみます。
「まずはバルーが入ってみてよ。
写真撮るから!」
「じゃあ先に入っちゃうよー。
・・・おおっ、なんだこれ」
海水の感触も違うみたいです。
「浮かぶ!浮かぶぞー!!」
外から見てても、
凄さが全然分からない笑
僕も入ってみることにしました。
うわ、トロっとしてて生暖かい。
・・・確かに浮かぶ!
“死海に浮かびながら新聞読んでる写真”
ってよくありますが、
ほんとに余裕で新聞読めます。
(持ってませんでしたが笑)
それほどプカプカ浮かぶのです。
塩分濃度の力、恐るべし。
死海には美肌成分も多いらしく、
死海の泥を身体に塗るだけで
泥パックができるとか。
ここのビーチは泥っぽくなかったので、
私たちは泳いだだけでしたが笑
無料ビーチには、
無料シャワーや更衣室まで用意されていて、
快適な死海スイムを楽しめたのでした。
イスラエルで過ごした数日間は、
「この国は豊かなんだな…」
と実感するには十分な時間だったのです。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
それでは、今日も良い1日を!
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